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【特集】IPランドスケープ:知財戦略とIPランドスケープ

IP ジャーナル3 号(2017.12)掲載

知財業界の中で、IPランドスケープという言葉に注目が集まっています。本稿では、IPランドスケープの実体について解説するとともに、海外企業の事例も踏まえながら、知財戦略におけるIPランドスケープの具体的な活用方法について紹介します。

執筆

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
シニアヴァイスプレジデント 小林 誠

目次

1.はじめに
2.IPランドスケープとは何か?
3.IPランドスケープの活用事例
4.おわりに

掲載誌

IP ジャーナル3 号(2017年12月号)掲載

1. はじめに

昨今、知財業界において「IP ランドスケープ」という言葉に注目が集まっている。その大きなきっかけの一つは、2017年7月17日に日本経済新聞の朝刊においてIPランドスケープが、以下のように紹介されたことであろう。

「知財分析 経営の中枢に」「IP ランドスケープ(Intellectual Property Landscape =知財に関する環境と見通し)とは、近年、急速に欧米企業が使い始めた知財分析の手法と、同手法を生かした知財重視の経営戦略のこと」実際には「近年、急速に」という部分は正確ではなく、従来から多くの欧米企業や外部専門家の間では使用されていた考え方である。したがって、近年それらが「IP ランドスケープ」と呼ばれるようになり、その名称が広く認知されるようになったというのが正しい見解である。また、欧米企業だけでなくいくつかの日本企業においても、既に同様の取り組みを実践している企業もある。筆者自身も知財コンサルティングの実務として、図らずも10年以上前から「知財ランドスケープ」「特許ランドスケープ」といった同様の文言を使用しており、その内容についてもおおよそ相違ないものとなっている。

また、IPランドスケープが注目されている背景として、大きく2つの理由が考えられる。1つは、大企業のみならず中小・ベンチャー企業においても既に海外進出を果たしている企業が増加しており、製造機能だけでなく営業機能や研究開発機能を現地に保有していることも珍しくなく、経済のグローバル化による国際競争が激化していること。もう1 つは、IT・通信技術の革新によるIoT(Internet of Things)デバイスの普及、クラウドビジネスの台頭、AI(Artificial Intelligence)、ビッグデータ、ロボティクスやスマートファクトリーといった次世代産業の勃興によって、事業的にも技術的にも産業間の敷居が低くなり、複雑な事業環境となっていることから、知財による独占排他権によって1 社で特定のビジネスを成立させることが難しくなっていることである。日本企業の知財戦略としては、従来よりモノづくりのための特許戦略が中心を担ってきたが、IP ランドスケープを用いた新たな知財戦略への転換が求められている。

本稿では、IP ランドスケープに着目し、欧米企業における事例も踏まえながら、具体的な知財戦略とIP ランドスケープの活用方法について紹介する。なお、文中の意見に関する部分は私見であることに予めご留意頂きたい。


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プロフィール

小林 誠(こばやし まこと)

国際特許事務所において、特許出願、先行技術調査、ベンチャー支援、および特許戦略コンサルティング業務を経て、現職に至る。

M&Aファイナンシャルアドバイザーおよび知的財産コンサルタントとして、製造業およびICT 業界全般のクロスボーダーM&Aアドバイザリー、JV 組成アドバイザリー、ライセンス契約アドバイザリー、ビジネスデューデリジェンス、知的財産デューデリジェンス、事業価値・株式価値・無形資産価値評価、知的財産戦略策定支援、知的財産取引支援、組織再編に伴う知的財産管理体制構築支援、グローバル知的財産管理体制構築支援、技術起点の新規事業開発支援、IPランドスケープ分析などの業務を専門としている。

代表著書「知財戦略のススメ コモディティ化する時代に競争優位を築く」(2016年 日経BP社)[共著]

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