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連結納税から離脱した法人を連結親法人とする新たな連結納税の開始時期について

『国税速報』平成28年3月14日号

新たに連結納税を開始しようとする法人は、その適用を開始しようとする期間の開始の日の3月前の日までに、親法人及びすべての100%子法人の連名で「連結納税の承認の申請書」を当該親法人の納税地の所轄税務署長を経由して、国税庁長官に提出する必要があります(法法4の3①)。また、連結親法人となることができる法人は、内国法人である普通法人又は協同組合等に限られています(法法4の2、法令14の6③)。(『国税速報』平成28年3月14日号)

【疑問相談】法人税

「連結納税から離脱した法人を連結親法人とする新たな連結納税の開始時期について」

Question:

当社(3月決算)は、P社(12月決算)を連結親法人とする連結納税を適用していますが、平成27年7月1日に資本政策の一環として第三者であるA社に対する第三者割当増資を行いました。これにより当社はP社の100%子会社でなくなったため、当社及び当社の100%子会社であるB社(3月決算)はP社の連結納税グループから離脱することとなります。

B社は平成27年1月1日に設立したばかりの会社であり、事業が軌道に乗るまで当面の間、欠損金が生じることが見込まれるため、P社の連結納税グループ離脱後、当社を連結親法人とする連結納税を新たに開始したいと考えています。

当社が新たに連結納税を開始できる事業年度はいつからとなるのでしょうか。

Answer:

連結納税を適用しようとする期間の開始の日の3月前までに連結納税の承認申請書を提出する必要がありますが、当該申請書を提出可能となるのは貴社がP社連結納税グループを離脱した後からとなります。

貴社は連結納税離脱により、①平成27年1月1日から平成27年6月30日、②平成27年7月1日から平成27年12月31日、③平成28年1月1日から平成28年3月31日を各期間とするみなし事業年度を設けることとなります。

したがって、貴社を連結親法人とする連結納税に係る承認申請書を提出可能となるのは平成27年7月1日以後であり、平成27年9月30日までに提出した場合には、平成28年3月期から適用開始することができます。

【解説】

1. 連結納税離脱時のみなし事業年度

連結子法人が連結事業年度の中途において連結親法人との間に当該連結親法人による連結完全支配関係を有しなくなった場合(連結子法人の破産手続開始決定、合併による解散、残余財産の確定等の一定事由によるものを除きます。)には、下記の期間を事業年度とみなすこととされています(法法14①八)。

① その連結事業年度開始の日からその有しなくなった日(以下「離脱日」といいます。)の前日までの期間
② 当該離脱日からその連結事業年度終了の日までの期間
③ その終了の日の翌日から当該翌日の属する事業年度終了の日までの期間

2. 連結納税開始の手続

新たに連結納税を開始しようとする法人は、その適用を開始しようとする期間の開始の日の3月前の日までに、親法人及びすべての100%子法人の連名で「連結納税の承認の申請書」を当該親法人の納税地の所轄税務署長を経由して、国税庁長官に提出する必要があります(法法4の3①)。

また、連結親法人となることができる法人は、内国法人である普通法人又は協同組合等に限られ、次に掲げる法人は除くこととされています(法法4の2、法令14の6③)。

① 清算中の法人
② 普通法人(外国法人を除きます。)又は協同組合等との間に当該普通法人又は協同組合等による完全支配関係がある法人(内国法人の100%子会社など)
③ 連結納税の承認の取消し・取止めから5年を経過していない法人等

3. 本件における取扱い

① 貴社(及びB社)のみなし事業年度について

貴社は平成27年7月1日に行った第三者割当増資によりP社との間の連結完全支配関係を有しないこととなりますので、同日に連結納税を離脱し、下記のとおり、みなし事業年度を設けることとなります。

ⅰ 平成27年1月1日~平成27年6月30日
ⅱ 平成27年7月1日~平成27年12月31日
ⅲ 平成28年1月1日~平成28年3月31日

なお、平成28年3月期以降は貴社の決算期どおり、4月から3月を事業年度として税務申告を行うこととなります。

B社も3月決算であるため、貴社と同様の取扱いとなります。

② 連結納税の適用開始可能年度について

前述のとおり、内国法人の100%子会社は法人税法4条の2に規定される連結親法人となれる法人から除かれています。

貴社は平成27年6月30日まではP社の100%子会社であるため、貴社が連結親法人となれる法人に該当するのはP社との完全支配関係がなくなる平成27年7月1日以降となります。

したがって、貴社は平成27年7月1日以降に「連結納税の承認の申請書」を提出することが可能となり、平成27年9月30日までに当該申請書を提出した場合、平成28年3月期(みなし事業年度)から連結納税を適用することができるとえられます。

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※本記事は、一般財団法人大蔵財務協会の許可を得て当法人のウェブサイトに掲載したものにつき、無断転載を禁じます。

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