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連結子法人が他の連結納税グループへ加入する場合の連結納税加入時期の特例の適用

『国税速報』平成29年2月20日号

本稿では、連結親法人である会社の事業年度の中途である平成29年2月15日に100%子法人の株式譲渡を受け、その後完全支配関係が継続することが見込まれている場合、連結納税加入時期の特例が適用されるかを解説する。(『国税速報』平成29年2月20日号)

【疑問相談】法人税

「連結子法人が他の連結納税グループへ加入する場合の連結納税加入時期の特例の適用」

Question:
当社(3月決算、資本金1,300百万円)は過年度から連結納税の適用を受けている連結法人です。

このたび、A社(3月決算、資本金500百万円)からその100%子法人であるB社(3月決算、資本金100百万円)の株式のすべての譲渡を受けることになりましたが、A社の都合によりその譲渡は平成29年2月15日に行われる予定です。

連結納税に加入する場合には、加入日前後でみなし事業年度を設ける必要があると理解していますが、月初ならまだしも上述のとおり月中での譲渡のためB社の処理が煩雑になってしまうことを懸念しています。

当社とB社の100%の資本関係は平成29年2月15日以後継続することが見込まれていますが、今回のような場合には当社の連結納税グループへの加入を翌月初である平成29年3月1日とすることができる特例があると聞いたことがあります。今回その特例を適用することはできるのでしょうか。

なお、A社およびその100%子法人(B社を含みます)も連結納税を適用しています

Answer:
本件においては連結納税加入時期の特例の適用を受けることはできず、B社は平成28年4月1日から平成29年2月14日(連結法人としての単体申告)、平成29年2月15日から平成29年3月31日(貴社連結納税グループにおける連結申告)のみなし事業年度を設けてそれぞれ申告する必要があります。

【解説】

1 連結納税加入時期の特例

内国法人が事業年度の中途で連結親法人との間に完全支配関係を有することとなった場合には、原則としてその完全支配関係を有することとなった日において連結納税の承認があったものとみなされ、連結納税に加入する内国法人は、加入日(完全支配関係が生じた日。以下同じです。)の前後で事業年度を区切り、加入日の前日までの事業年度については単体申告を行い、加入日以後の事業年度については連結申告を行うこととされています(法法4の3⑩、14①六)。

ただし、月次計算期間(法人の会計期間をその開始の日以後1月毎に区分した各期間(最後に1月未満の期間を生じた時は、その1月未満の期間)。以下同じです。)の中途で連結親法人との間に完全支配関係を有することとなる子法人については、月の疑問(30)平成29年2月20日 第 6449号 国 税 速 報 第3種郵便物認可途中で事業年度を区切るという煩雑さを慮し、一定の手続を取ることを要件に次の特例(簡便法)が設けられています。なお、一定の手続とは、この特例を受けなかったとした場合に、加入日の前日の属する事業年度の確定申告期限となる日までにこの規定の適用を受ける旨等を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出することになります(法法14②)。

⑴ 月末まで完全支配関係が継続している場合

連結親法人の事業年度の中途において連結親法人との間に完全支配関係を有することとなり、かつ、その完全支配関係を有することとなった日から加入日の属する月次計算期間の末日まで完全支配関係が継続している場合には、その子法人については、特例を適用することにより、加入日の前日の属する月次計算期間の末日の翌日において連結納税の承認があったものとみなされ、その月次計算期間の末日の翌日の前後で事業年度を区切り、月次計算期間の末日までの事業年度については単体申告を行い、その月次計算期間の末日の翌日以後の事業年度については連結申告を行うことができることとされています(法法4の3⑩、14②一イ)。

⑵ 月末まで完全支配関係が継続しない場合

連結親法人の事業年度の中途において連結親法人との間に完全支配関係を有することとなったものの、その加入日の前日の属する月次決算期間の末日まで完全支配関係が継続していない子法人については、特例を適用することによりみなし事業年度を設けないことができます。また、この場合には連結納税の承認の効力は生じません(法法14②二)。

ただし、上記⑴、⑵の特例は連結親法人の事業年度の中途において連結親法人との間に完全支配関係を有することとなると同時に、他の連結親法人との間に連結完全支配関係を有しなくなる場合(他の連結納税グループから離脱する場合)には、適用できないこととされています(法法14②最初の括弧書)。

2 本件への当てはめ

本件の場合、連結親法人である貴社の事業年度の中途である平成29年2月15日にB社株式の譲渡を受け、その後完全支配関係が継続することが見込まれているとのことですが、B社は本件の譲渡により貴社と完全支配関係が生じると同時にA社を連結親法人とする連結納税グループから離脱することになるため、B社は1の連結納税加入時期の特例を適用することができず、原則どおり、貴社と完全支配関係を有することとなった日において連結納税の承認があったものとみなされ、加入日の前後で以下のとおり事業年度を区切り申告を行う必要があります。

  • 平成28年4月1日から平成29年2月14日…連結法人としての単体申告
  • 平成29年2月15日から平成29年3月31日…貴社連結納税グループにおける連結申告

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