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ケイマン政府、CRS規則改正を公表

国際税務 OECD/CRS関連情報/2017年1月18日

2016年12月22日、ケイマン諸島政府は共通報告基準(Common Reporting Standard:CRS)規則を改正する税務情報庁(国際税務コンプライアンス)(共通報告基準)(改正)規則、2016(“第2トランシェ”)を公表した。本改正を反映したCRSガイダンスノート修正版は2017年3月末までに公表予定である。(国際税務 OECD/CRS関連情報/2017年1月5日)

はじめに

2016年12月22日、ケイマン諸島政府は共通報告基準(Common Reporting Standard:以下「CRS」)規則を改正する税務情報庁(国際税務コンプライアンス)(共通報告基準)(改正)規則、2016(“第2トランシェ”)(ケイマン政府ウェブサイト(英語、PDF))を公表した。本改正を反映したCRSガイダンスノート修正版は2017年3月末までに公表予定である。以下にケイマンCRS規則改正の主要なポイントをまとめる。

1. 本人確認(Due Diligence)

ケイマン報告金融機関(Cayman Reporting Financial Institutions:以下「CRFI」)は、現地CRS規則に基づく義務を遵守するための方針および手続を定めた文書を制定し、これを保持しなければならない。また、自己宣誓書面または証拠書類への依拠に対し、CRFIがこれを不正確であると知るまたは信じる由がある場合は、CRS規則への義務への違反となる。

2. 通知義務(Notification Obligations)

ケイマン金融機関(Cayman Financial Institutions:以下「CFI」)は、2017年4月30日の期限までに、税務情報庁(Tax Information Authority:以下「TIA」)に対し、AEOI(Automatic Exchange of Information)ポータルを通じて通知書を提出しなければならない。

当該通知は第2トランシェのCRS規則8(4)に規定される情報を含まなければならず、TIAに対し既に自身のFATCA1/UK‐CDOT(United Kingdoms, Crown Dependencies and Overseas Territories)の目的に基づくステータスを通知済みのケイマン金融機関も、自身がCRFIと非報告金融機関(Non-Reporting Financial Institution:以下「NRFI」)のいずれに該当するのかを確定するため、当該通知書の更新を行わなければならない。

1. FATCA(Foreign Account Tax Compliance Act:外国口座税務コンプライアンス法)

3. 報告義務(Reporting Obligations)

(1) ゼロ報告(Nil Returns)

第2トランシェによって公表された重要な変更の一つに、報告対象口座が存在しない場合でも、ゼロ報告を行う義務が、全CRFIに対して課せられた点が挙げられる。

(2) 報告手続(Reporting Process)

報告金融機関は、CRS XMLスキーマに基づいて報告データを作成し、さらに、報告対象口座の存在する各報告対象国/地域毎に個別の報告データを提出しなければならない。

注:DTIC(Defense Technical Information Center:アメリカ国防技術情報センター)は全報告対象国/地域における全報告対象口座について、単一のXMLファイルの提出を許可することが可能かについて検討中である。

(3) UK-CDOTの経過措置(UK-CDOT Transition)

2017年以降、CRFIはUKの報告対象口座をCRS規則に基づいて報告することとなる。

4. 法律違反と罰則(Offences and Penalties)

第2トランシェのパート3ではCRS規則に対する違反の詳細なリストが規定されており、当該リストでは罰則の対象として、虚偽の自己宣誓書面のへの署名や明確な承認を含んでいる。また、違法行為を防止するための妥当な努力を行使した旨を示すことができない限り、当該金融機関が犯した違法行為に対する罰則責任は当該金融機関の取締役または類する役員、LLC(Limited Liability Company:有限責任会社)および類似の事業体のメンバーに科されることとなる。

罰則金は団体または金融法人による違法行為1件に対し50,000ドルを上限とし、当初罰則が科された後も違法状態が修正されない場合には、さらに追加で1日あたり100ドルの罰則金が科せられる。さらに、他の者による違反については最大20,000ドルが科せられる可能性がある。

おわりに

ケイマンにCRS規則上の金融機関に該当する事業体がある場合には、当該公表に基づく対応の検討と、間もなく公表されるガイダンスノートの修正版の内容を確認し、必要な対応を行うと共に、引き続きケイマンCRSの動向に注視が必要である。

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