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FATCA:報告期限再延長と電子的報告の免除申請

米国税務 QI/FATCA関連情報/2015年6月1日

2015年5月27日、内国歳入庁(IRS)は外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)におけるFATCA報告に関する重要な通知を2点公表した。1点目は報告期限の90日間の再延長である。2点目は電子的報告の免除申請、すなわち、紙ベースでのFATCA報告を実施するための申請である。(米国税務 QI/FATCA関連情報/2015年6月1日)

1. FATCA報告期限再延長の公表

FATCA報告期限は原則として報告対象年度の翌年3月31日であるが、初回FATCA報告に限っては、90日間の自動延長が適用され、報告期限は2015年6月29日であった。しかし、今回、新たに90日間の再延長措置が公表された。

再延長を申請するためには、IRSのウェブサイトに掲載されている以下の様式を郵送でIRSへ提出する必要がある。当該様式の記載は署名を除いてすべて手書きではなく、タイプでなければならない。また、提出期限は2015年6月29日である。

申請書 「Request for Additional Extension of Time to File Form 8966 for Tax Year 2014」(IRSのウェブサイトへ遷移します)

当該様式を提出することにより、自動的に90日間の再延長が適用され、新しい報告期限は2015年9月27日となる。また、自動延長であるため、再延長申請に対するIRSからの返答が来ることはない。

ただし、再延長は不同意口座には適用されないこと、また、自国の準拠法に基づく報告期限に従うモデル1協定参加国の外国金融機関は再延長はできないことに留意されたい。

2. 電子的報告の免除申請

FATCA報告の方法は、様式8966の指示書に記載のとおり、原則として電子的報告が必須とされ、紙ベースでFATCA報告を行うための電子的報告免除申請の方法は今後のガイダンスで公表されるとされていたが、IRSから当該免除申請の方法が公表された。

免除申請を行うためには、IRSのウェブサイトに掲載されている以下の様式を郵送でIRSへ提出する必要がある。当該様式の記載は署名を除いてすべて手書きではなく、タイプでなければならない。また、記載項目の1つとして、電子的報告ができない理由を以下の3つから選択する必要がある。(1)Undue Hardship(過度の負担)、(2)Chapter 7 bankruptcy(チャプター7で規定される倒産)、(3)Catastrophic event(大惨事)。

申請書 「Request for Waiver From Filing Form 8966 Electronically for Tax Year 2014」(IRSのウェブサイトへ遷移します)

当該様式を提出することにより、電子的報告ではなく、紙ベースでの郵送によるFATCA報告を行うための申請が可能になる。ただし、免除申請が実際に認められるかはIRSの判断となり、通常想定されるような技術的な理由(XMLファイルが作成できない、電子ファイルの暗号化の方法がわからない等)は理由として認められない可能性が残ると思われる。

免除申請を提出後、IRSから45日以内に返答がない場合には免除申請が許可されたことになる。また、提出期限は2015年8月13日であるが、免除申請を提出してもFATCA報告の期限は延長されないため、免除申請を行う場合には、1.で記載の90日間の再延長も同時に申請する方が良いだろう。

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