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ケイマン諸島: 2016年FATCA/UK-CDOT/CRS重要事項

米国税務 QI/FATCA関連情報/2016年4月4日

ケイマン諸島のファンド、 SPC (Special Purpose Company:特別目的会社)等を含む金融機関は、 外国口座税務コンプライアンス法(Foreign Account Tax Compliance:FATCA)だけではなく、英国およびその属領に適用されるUK-CDOT(United Kingdoms, Crown Dependencies and Overseas Territories:UK-CDOT)、さらにはOECDの共通報告様式(Common Reporting Standards:CRS)への対応も求められている。(米国税務 QI/FATCA関連情報/2016年4月4日)

ケイマン諸島のファンド、 SPC (Special Purpose Company:特別目的会社)等を含む金融機関は、 外国口座税務コンプライアンス法(Foreign Account Tax Compliance:以下「FATCA」)だけではなく、英国およびその属領に適用されるUK-CDOT(United Kingdoms, Crown Dependencies and Overseas Territories:以下「UK-CDOT」)、さらにはOECDの共通報告様式(Common Reporting Standards:以下「CRS」)への対応も求められている。ケイマン諸島の金融機関にとって2016年は、前年からスタートしたUS FATCAの通知1・報告に加え、UK-CDOTの通知・報告が追加される。さらに、2016年1月からは早期導入国としてCRSも開始していることから、情報報告の提出やコンプライアンス業務の体制整備において、節目の年になる見込みだ。

ケイマン諸島の金融機関が検討すべき情報開示報告の各規則について、FATCA、UK CDOTおよびCRSごとに留意点等を以下要約する。

1 ここでの通知(Notification)とは、ケイマン諸島税務当局へ対するもので、それぞれのルールに基づき、ウェブサイト上のCayman AEOI (Automatic Exchange of Information) ポータルサイトにおいて実施が求められている。

1. FATCA

まだFATCAに関する通知を実施していない場合には、2016年4月30日までに完了が求められる。

留意事項:

  • 報告対象口座がなくても通知は必須となる
  • 報告を行う場合には、Cayman AEOIポータルを経由し、2016年5月31日までに完了しなければならない
  • 特定米国人が存在しない場合、ゼロ申告は必須でない
  • 既存口座の本人確認の完了期限は2016年6月30日となる

2. UK-CDOT

UK-CDOTの通知は、2016年4月30日までに完了する必要がある。

留意事項:

  • UK-CDOT用の個別の通知が必要
  • 報告対象口座がなくても本通知は必須となる
  • UK-CDOT用の最初の報告は、2014年および2015年の2年間を対象とし、いずれも2016年5月31日が期限となる
  • 2014年および2015年の情報について、個別のUK-CDOT報告を提出しなければならない
  • 2017年が、UK-CDOTに関し報告が義務付けられる最終年となる
  • 報告対象となる特定英国人が存在しない場合、ゼロ申告は必須でない
  • FATCAと同様に、UK-CDOTにおいても2016年6月30日が既存口座の本人確認手続の完了期限となる

3. CRS

2016年1月1日にケイマン諸島においてCRSが施行された。したがって、CRSとして必要とされる自己宣誓(self-certification)の情報収集等がケイマン諸島の全報告金融機関によって既に開始されているはずである。

留意事項:

  • 既存富裕個人口座の本人確認手続を2016年12月31日までに完了しなければならない
  • CRS関係のケイマン諸島税務当局への報告通知は、2017年4月30日までに完了する必要がある
  • CRS報告は、2017年5月31日が期限となる。この報告には、2016年中に特定された報告対象口座に関する情報が含まれる(報告対象口座として特定された新規口座および既存富裕個人口座の両方が対象となる)

4. おわりに

米国政府をはじめ各国の監視の目がタックスヘイブンと考えられてきた英領ケイマン諸島にまで向けられてきた。米国をはじめ各国の富裕層にとってもはや安全な逃避先はなくなるかもしれない。

デロイト トーマツ税理士法人ではIRSやOECDが公表した各種ガイドラインの和訳、報告に関する概要資料などを提供している。QI/FATCA制度において多数の電子申告を実施した米国税務に関する知見および実績があり、これらを踏まえ、FATCAのみならずCRS報告についても、報告代行を含めた電子申告の全面的サポートを予定している。

 

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