ナレッジ

FATCA協定参加国の取り扱いを明確化するIRS Announcement 2016-27を公表

米国税務 QI/FATCA関連情報/2016年8月5日

2016年7月29日、米国内国歳入庁(Internal Revenue Service)は外国口座税務コンプライアンス法(Foreign Account Tax Compliance Act)における協定参加国リストのアップデートに関するAnnouncement 2016-27を公表した。(米国税務 QI/FATCA関連情報/2016年8月5日)

はじめに

2016年7月29日、米国内国歳入庁(Internal Revenue Service:以下「IRS」)は外国口座税務コンプライアンス法(Foreign Account Tax Compliance Act:以下「FATCA」)における協定参加国リストのアップデートに関するAnnouncement 2016-27を公表した。Announcement 2016-27は下記のリンクから入手可能である。

>>IRS Announcement 2016-27(IRSウェブサイト(英語、PDF))

現在、IRSはFATCAに関する米国との政府間協定(Inter-Governmental Agreement:以下「IGA」)に調印済みでない国(仮調印済みの22カ国、または大筋で合意している30カ国:以下「みなし協定参加国)についても、当該国が有効なIGAを締結しているとみなし、当該国内金融機関のFATCA登録やFATCAステータス宣誓を許可している。しかし今回、いまだIGA調印が完了していない理由とIGA調印に向けた段階的な手順を2016年12月31日までに明示できない国に関しては、2017年1月1日以降、有効なIGAを締結しているとはみなさない方針であるとAnnouncement 2016-27により発表した。みなし協定参加国としてのステータスを維持できるかどうかの判断には、具体的に以下二点をIRSは考慮するとしている。

  • 調印が完了していない具体的な理由と、調印に向けた段階的な手順とその手順遂行の日程を含む計画を2016年12月31日までにIRSに提出したかどうか
  • 過去のIGA調印に関する姿勢も考慮し、上記理由と調印に向けた計画にIGA調印に向けた確固たる意志がみられるかどうか

IRSによる上記判断の結果、みなし協定参加国のステータスが維持できない国に属する金融機関(Foreign Financial Institution:以下「FFI」)は、以後、原則IGAに依拠することができず、IRSと個別にFFI契約を締結する必要がある。(当該除外国も協定参加国リスト公表後60日はみなし協定参加国として取り扱われる点に留意。)

既にIGAを締結している日本のFFIには直接的な影響はないが、みなし協定参加国から除外される国の金融機関と取引がある場合には、報告対象とすることや源泉徴収の必要性が生じる場合もあり、また、グループ会社の金融機関がそのような国に拠点または支店を有する場合には、FFI契約の締結等の対応が必要となる可能性があるため留意されたい。

FATCA協定参加国一覧

(2016年8月5日現在)

調印済み(モデル1):58カ国

Australia(オーストラリア)

Jamaica(ジャマイカ)

Azerbaijan(アゼルバイジャン)

Jersey(ジャージ島)

Bahamas(バハマ)

Kosovo(コソボ)

Barbados(バルバドス)

Kuwait(クエート)

Belarus(ベラルーシ)

Latvia(ラトビア)

Brazil(ブラジル)

Liechtenstein(リヒテンシュテイン)

British Virgin Islands(英領ヴァージン諸島)

Lithuania(リトアニア)

Bulgaria(ブルガリア)

Luxembourg(ルクセンブルク)

Canada(カナダ)

Malta(マルタ)

Cayman Islands(ケイマン諸島)

Mauritius(モーリシャス)

Columbia(コロンビア)

Mexico(メキシコ)

Curacao(キュラソー島)

Netherlands(オランダ)

Cyprus(キプロス)

New Zealand(ニュージーランド)

Czech Republic(チェコ共和国)

Norway(ノルウェー)

Denmark(デンマーク)

Poland(ポーランド)

Estonia(エストニア)

Qatar(カタール)

Finland(フィンランド)

Romania(ルーマニア)

France(フランス)

St. Kitts and Nevis(セントキッツ島 ネビス島)

Germany(ドイツ)

St. Vincent and the Grenadines
(セントビンセント・グレナディーン)

Gibraltar(ジブラルタル)

Singapore(シンガポール)

Guernsey(ガーンジー島)

Slovak Republic(スロバキア )

Vatican City(Holy See)(ヴァチカン市国(教皇庁))

Slovenia(スロベニア)

Honduras(ホンジュラス)

Spain(スペイン)

Hungary(ハンガリー)

South Africa(南アフリカ)

Iceland(アイスランド)

Sweden(スウェーデン)

India(インド)

Thailand(タイ)

Ireland(アイルランド)

Turks and Caicos Islands(タークス・カイコス諸島)

Isle of Man(マン島)

United Kingdom(イギリス)

Italy(イタリア)

Vietnam(ベトナム)

 

調印済み(モデル2):6カ国

Austria(オーストリア)

Japan(日本)

Bermuda(バミューダ)

Moldova(モルドバ)

Hong Kong(香港)

Switzerland(スイス)

 

仮調印済み(モデル1):17カ国

Algeria(アルジェリア)

Panama(パナマ)

Angola(アンゴラ)

Philippines(フィリピン)

Belgium(ベルギー)

Portugal(ポルトガル)

Cambodia(カンボジア)

South Korea(大韓民国)

Costa Rica(コスタリカ)

St.Lusia(セントルシア)

Croatia(クロアチア)

Turkey(トルコ)

Georgia(グルジア)

United Arab Emirates(アラブ首長国連邦)

Israel(イスラエル)

Uzbekistan(ウズベキスタン)

Montserrat(モントセラト)

 

 

仮調印済み(モデル2):2カ国

Chile(チリ)

San Marino(サンマリノ)

 

大筋合意している国(モデル1):24カ国

Anguilla(アンギラ)

Indonesia(インドネシア)

Antigua and Barbuda(アンティグア・バーブーダ)

Kazakhstan(カザフスタン)

Bahrain(バーレーン)

Malaysia(マレーシア)

Cabo Verde(カーボベルデ)

Montenegro(モンテネグロ)

China(中国)

Peru(ペルー)

Dominica(ドミニカ国)

Saudi Arabia(サウジアラビア)

Dominican Republic(ドミニカ共和国)

Serbia(セルビア)

Greece(ギリシャ)

Seychelles(セーシェル)

Greenland(グリーンランド)

Trinidad and Tobago(トリニダード・トバゴ)

Grenada (グレナダ)

Tunisia(チュニジア)

Guyana (ガイアナ)

Turkmenistan(トルクメニスタン)

Haiti(ハイチ)

Ukraine(ウクライナ)

 

大筋合意している国(モデル2):6カ国

Armenia(アルメニア)

Nicaragua(ニカラグア)

Iraq(イラク)

Paraguay(パラグアイ)

Macao(マカオ)

Taiwan(台湾)

PDF

こちらから記事の全文がダウンロードできます。

(292KB, PDF)

関連サービス

サービスのご案内

デロイト トーマツ税理士法人 米国税務サービスグループと有限責任監査法人トーマツ 金融インダストリーグループで協力体制を構築し、的確なFATCA対応サービスを提供します。また、IRS(米国内国歳入庁)と強力なコネクションを持ち、かつ国際税務・米国源泉徴収制度に豊富な経験を有するデロイトのFATCAグローバルチームとの連携により、米国税務およびIRSの最新の情報を入手し、迅速な対応を行います。

お役に立ちましたか?