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国税庁により共通報告基準(CRS)の報告制度に関するチェックシートの公表

国際税務 QI/FATCA/CRS関連情報

本ニュースレターでは、2018年4月に国税庁より公表された、共通報告基準(Common Reporting Standards:CRS)に基づく「非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度に関するチェックシート」(チェックシート)について説明する。(国際税務QI/FATCA/CRS関連情報/2018年4月9日)

2018年4月、国税庁により共通報告基準(Common Reporting Standards:以下「CRS」)に基づく「非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度に関するチェックシート」(以下「チェックシート」)が公表された。チェックシートは、金融機関が法令に基づいて実施が求められる特定手続等の各種手続についての遵守状況について自主点検を行うため、及び、国税庁による金融機関の報告事項の提供に係る調査の実施を円滑に進めるために回答が推奨されるものである。

1. チェックシートの公表

報告金融機関に該当する日本の金融機関は2017年1月1日に施行された「租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律」(以下「実特法」)に基づいて、特定取引契約者の税務上の居住地国を特定し、非居住者の金融口座情報を国税庁に対してe-Taxにより報告する(初回報告期限は2018年5月1日)ことが求められている。また、実特法第十条の八(報告金融機関等の報告事項の提供に係る当該職員の質問検査権)において、国税庁は報告事項の提供に関する調査について必要があるときは、報告金融機関への質問、並びに、帳簿書類等の検査、提示若しくは提出の要請、及び、留め置きができると規定されている。

今回、国税庁により公表されたチェックシートは、非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度における各手続等を実施する際の事前又は事後の自主的な点検に、報告金融機関が活用することを目的として作成されたものである。したがって、必ずしもチェックシートを使用して点検を行うことが義務付けられているわけではないが、報告金融機関はチェックシートを使用して自主点検することにより、複雑な実特法の法令順守対応に不備や漏れがないかを効果的に確認することができるものと思料する。また、国税庁は、報告事項の提供に関する調査の際にこのチェックシートを参考とすることを表明しており、今後、国税庁からチェックシートの提出を求められることが想定され、提出を求められてから慌てないよう、事前に作成することが推奨される。

チェックシートは国税庁ウェブサイトの「共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換に関する情報(CRSコーナー)」にて入手可能である。

2. チェックシートの概要

チェックシートは実特法で規定される各種手続に沿った7項目(1. 総論(報告金融機関の分類)、2. 届出書の収受・確認等、3. 特定手続、4. 再特定手続、5. その他の規定(名寄せ・外国納税者番号の取得措置等)、6. 報告事項の提供、7. 記録の作成・保存)に関して計64の確認内容で構成されている。原則として確認内容については、「はい」又は「非該当」で回答するため、チェックシートの回答自体は報告金融機関にとって大きな負担にはならないものと思われる。ただし、チェックシートの確認内容は実特法の細かな規定についても回答することを要求しているため、報告金融機関は事前に実特法の遵守状況について確認し、必要に応じて改めて整備することが求められる。

おわりに

実特法については、米国税法である外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)とは異なり、国内法に基づいた厳格な対応が求められていたが、今回のチェックシートに公表によってより厳格な対応が求められること、また、国税庁の調査において実特法の体制整備全般が確認対象となることが明らかになった。弊社では金融機関の実特法対応の体制整備、非居住者の報告ファイルの代理作成、及び、チェックシートの回答サポートを含めた包括的なサービスの提供を行っている。

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