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QI/WP/WT定期的宣誓の機能実装

国際税務 QI/FATCA/CRS関連情報

本ニュースレターでは、2018年4月4日に米国内国歳入庁より公表された、QI/WP/WTの定期的宣誓に関する機能を実装およびその内容について解説する。(国際税務QI/FATCA/CRS関連情報/2018年4月9日)

2018年4月4日、米国内国歳入庁(Internal Revenue Service:以下「IRS」)は適格仲介人(Qualified Intermediary:以下「QI」)、源泉徴収外国パートナーシップ(Withholding Foreign Partnership:以下「WP」)、及び源泉徴収外国信託(Withholding Foreign Trust:以下「WT」)1アカウントマネジメントシステム(IRSウェブサイト(英語))にQI/WP/WTの定期的宣誓に関する機能を実装するとともに、その内容を公表した。これに伴い、QI/WP/WTアカウントマネジメントシステムに関するFAQ(IRSウェブサイト(英語))に宣誓及びシステムに関するFAQが10個新たに追加された。加えて、QI/WP/WTアカウントマネジメントシステムのユーザーガイドであるPublication 5262(QI/WP/WT Application & Account Management User Guide)(IRSウェブサイト(英語))が改訂された。本ニュースレターでは最新のシステム更新について速報ベースでお伝えする。

1 主にQIは金融機関、WPは従業員持株会や有限責任投資事業組合等のパートナーシップ形式の事業体、WT契約は信託が、米国IRSと源泉徴収、報告等に関する契約を締結している。

1. 定期的宣誓

QI/WT/WP アカウントマネジメントシステムに定期的宣誓機能が実装され、QI/WT/WPは定期的宣誓を行うことが可能となった。QI定期的宣誓は7つ2の要素で構成されている。

  • パート1~6: 事実情報

パート1~6で求められている内容については2017年QI契約(Revenue Procecure 2017-15)(IRSウェブサイト(英語))別紙1で公表されており、概要と対象者は以下のとおり。

 

概要

対象情報報告者

パート1

一般情報(源泉徴収義務の引き受け等)

全てのQI

パート2

コンプライアンスプログラム構築の有無等の内部統制の宣誓

全てのQI

パート3

定期的検証の免除(QI対象の口座数や米国非居住者口座数などの提供あり)

定期的検証の免除申請を行うQI

パート4-A

定期的検証におけるQI事実情報

(検証人に関する情報)

定期的検証の免除申請を行わない、また又は免除の承認を未受領のQI

パート4-B

定期的検証におけるQI事実情報

(検証対象口座数、源泉税額、年次報告書の報告内容等)

QDDとしてのみ活動するQIを除く、定期的検証の免除申請を行わない、また又は免除の承認を未受領のQI

パート5

QDD3要件チェックおよ及び対象口座情報

宣誓対象期間が2018年12月31日以降となるに宣誓を行う、QDDとして活動するすべ全てのQI

パート6

対象口座情報(口座数、本人確認書類、年次報告、源泉徴収等)

みなし利子支払いに対して第一義的源泉徴収義務を負うすべ全てのQI


2 WP/WTの定期的宣誓は5つのパートで構成されている。

3 QDD(Qualified Deliberative Dealer)は米国株式を原資産とするデリバティブを取り扱うQIであり、QDDは内国歳入法871条(m)及びQI契約上での追加的な義務を負う。

  • パート7: 書類のアップロード

パート74は書類のアップロードに関するセクションになっており、アップロードすることが想定されている書類は以下の6種類である。

 

概要

対象者

様式872

Consent to Extend the Time to Assess Tax

IRSの調査対象となった際、時効の延長に合意することを示す書式

IRSに要請された場合

様式2848

Power of AttoneryAttorney and Declaration of Representative

IRSに対しての対応を行う際の委任状

代理人が手続きやIRSとの対応を行う場合

組織図

OraganizationOrganization Chart

複数のQI, WP等の関連を示す組織図

連結コンプライアンスグループ(Consolidated Compliance Group)を構成している場合

定期的宣誓レポート

Periodic RevewReview Report

定期的検証の結果は、書面によりQI責任者に報告することが求められており、一定の要件を満たした報告書

IRSに要請された場合

サンプリング計画

Proposed Sample Plan

サンプリング方法を示す計画書

連結コンプライアンスグループを構成している場合又はRevenue Procedure 2017-15 Appendix IIに規定されたサンプリング手法と異なる手法を用いる場合

不履行是正のための計画

RemediartionRemediation Plan

システムまた又はコンプラアインス手続きの重大な不履行を是正するための計画書

IRSに要請された場合


4 WP/WPの場合にはパート5

2. 検証対象年の選択と宣誓期限

QI/WP/WTは初めに定期的検証の対象となる年度を、2015・2016・2017の3年から選択する必要があり、各QIの状況に合わせて次項以降が表示されるようになっている。また、必須となる記入箇所にはアスタリスクマーク(*)が表示される。

宣誓の期限については、既に今年の2月に延長が公表されており、定期的検証対象年度に2015年又は2016年を選択する場合は、宣誓期限が、2018年9月1日となり、2017年を選択する場合には、2019年3月1日となっている。

一定のQI/WP/ WTで、要件を満たした上で定期的検証が免除となる場合にも、定期的宣誓は必要となり、その際の宣誓期限は2018年9月1日となる。

おわりに

FATCAポータルサイト(IRSウェブサイト(英語))においてFATCAに係る宣誓機能の実装が7月になることが公表された中、QI/WP/WTの定期的宣誓に関する機能の実装がIRSの公表どおり2018年4月に行われたことは、宣誓に向け準備を進めるQI/WP/WTにとって朗報といえよう。宣誓が求められるQI/WP/WTには、システムに登録されたEメールアドレス宛に通知が届いており、システムのメッセージボードに宣誓実施期間や期限が表示される仕様となっているため、速やかに確認されることが推奨される。

また、定期的宣誓免除を希望するQI/WP/WTにおいては、コンプライアンスプログラムの構築など、一定の要件を満たすことが求められており、未対応場合には早急な対応が必要である。

デロイト トーマツ税理士法人は、QI/WPに関して多数の検証人としての実績があり、新制度に基づく外部検証の実施、免除申請サポートを予定しており、今回公表されたQI/WP/WTアカウントマネジメントシステムのユーザーガイドの参考和訳や、定期的宣誓実施のための手順書、回答案も用意することを予定している。

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