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付加価値税や恒久的施設との関係は?「EUにおけるデジタル課税の動向と日本企業の対応」

『旬刊経理情報』 2018年6月10日号

欧州連合(EU)は2018年3月、2020年からの導入を意図したデジタルサービス税の課税と重要なデジタルプレゼンス(領域内で課税しうる関連性を確立するための概念)への恒久的施設概念の拡大を内容とする、欧州委員会提案を公表した。各加盟国でのユニラテラルな課税制度の導入が進むなか、直前に公表されたOECD中間報告に対するEUのアンチテーゼは、暫定措置としてのデジタルサービス税の導入であった。この新しい税は、法人税や付加価値税との交錯、ユーザーデバイス所在地の特定、ワンストップショップ申告制度の拡大など、多くの新しい課題を企業と行政にもたらす。

世界的情勢

世界的情勢2018年3月16日、G20/OECD税源侵食と利益移転(BEPS)検討組織は、110以上の国と地域で合意された「デジタル化から生じる税務上の課題―中間報告2018」を発表した。中間報告書は、デジタル経済の税務上の課題に取り組むためのBEPS行動計画1、およびその後の2017年9月の報告要求に基づき行われた検討作業をまとめたものである。

報告書は新しいデジタルビジネスモデルに焦点を当て、国境を越えたデジタル活動から生み出された所得に対する課税権について、どのように国家間で配分するかを決定するという課題への対応方法を考察している。質量を伴わない規模(scale without mass)、無形資産への依存、データとユーザーの参加から生み出されるネットワーク効果をデジタル経済の特徴として捉え、経済の変化に国際税制を適合させる必要性を検討している。

特定のデジタルビジネスモデルに対応するための局所的な見直しが必要とする立場、より広い見直しが必要であるとする立場、 BEPSによる対応で十分であり国際税制の大幅な改革は不要とする立場に各国の立場は大別される。

2019年中に利益分配およびネクサス(関連性)に関する作業のアップデートを行い、2020年までに各国の合意に基づく解決策を提案することを目指してOECDデジタル経済タスクフォース(Task Force for the Digital Economy)は、BEPSの影響、米国の税制改革、一方的な措置、経済のデジタル化がもたらすビジネスモデルの進化を引き続きモニタリングし、検討を行う。2020年までの検討期間中に適用される、暫定措置の必要性または妥当性についての合意は得られておらず、中間報告は暫定措置の導入を推奨していない。

⑴  Ta x C h a l l e n g e s A r i s i n g f r o m Digitalisation interim Report 2018
 

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