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仕向地課税主義の導入へ「EU付加価値税の緊急措置と最終的制度のポイント」

『旬刊経理情報』 2019年1月1日号

2011年12月6日、欧州委員会は、「VATの在り方に関する通信、より簡素、強靭かつ効率的な統一市場のためのVAT制度を目指して」を発表し、出荷地課税主義の放棄を提案、仕向地課税主義に基づく制度の検討開始を宣言した。欧州委員会は2016年、「Action Plan on VAT」を策定、2017年10月4日付け欧州委員会から欧州議会、EU理事会、欧州経済社会委員会への通信において、域内で行われる①B2B資産の譲渡と、②役務の提供の2段階で最終的な付加価値税制度に移行する提案がなされた。

①の資産の譲渡の課税制度の改正は、緊急措置(quick fix)と最終的な付加価値税制度(definitive VAT system)の2段階に分けられ、緊急措置はこの通信と同時に公表された複数の改正指令案、改正実施規則案で提案されている。

緊急措置のうち、CTP導入を除く措置は、2018年10月2日に加盟国の経済財務大臣から構成されるEU経済財務相理事会で承認された。今後、欧州議会への諮問プロセスを経て、欧州理事会がVAT指令および実施規則の改正案を採択する。2020年1月1日から適用されることが見込まれている。

最終的な付加価値税制度の技術的詳細に関して、「加盟国間で行われる取引の課税のための最終的な付加価値税制度の運用の技術的詳細の導入に関してEU理事会指令2006/112/EUを改正するEU理事会指令提案」と題する欧州委員会提案が2018年5月25日に提出された。2022年7月1日から各国が国内法化して施行することが予定されている。

【この記事のエッセンス】

  • 2020年1月1日から、欧州付加価値税制度の緊急措置として、コールオフストック簡素化既定の統一化、VATID番号の正確性の検証のEU域内非課税納品における実体的要件化、EU域内越境チェーン取引におけるEU域内非課税納品の認定基準の統一化、およびEU域内非課税納品の証明書類の統一を図る実施規則の改正が可決される見込み。
  • 2022年7月1日から、仕向地課税原則に基づく最終的付加価値税制度と拡大ワンストップショップ申告制度によりVAT申告事務が大幅に簡素化される見込み。

 

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