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外国親会社がインド法人から受領した出向従業員の給与コストの立替額の精算金は、技術上の役務提供に係る報酬に該当するのか

Global Tax Update : 2018年10月号/インド

出向従業員の給与コストの立替額の精算金が源泉徴収の対象となるかどうかについて訴訟問題となっている。納税者は、当該精算金は外国親会社の収入ではなく、また、精算金について所得構成する要素がないため、いかなる税金についても源泉徴収される必要はない旨を主張している。

しかし、税務当局は以下の理由から、給与コストの立替金の精算金は、技術役務の提供に係る報酬とみなされるべきである旨を主張している。

  • 出向従業員は、常に当該外国親会社の従業員であるため(すなわち、雇用関係は終了していない)、給与の支払は、外国親会社の雇用主としての固有の義務に基づき行われている
  • 出向従業員は、他の会社に自由に転職することはできず、任期終了と同時に外国親会社に復職することが義務付けられている。したがって、当該従業員は、納税者との雇用関係の先取特権を有している
  • 全ての出向従業員は、外国親会社の従業員として自身の経験のために、インド法人に出向する上級職員である。出向従業員は、インド法人において、グループの文化を浸透させ、グループの方針及びその他の品質基準が確実に適用されることを目的に、インドに出向している。このことにより、いったんこれらの基準が浸透・保持されれば、従業員が技術上の役務提供のためにインドを再訪する必要はなく、インド法人自らがこれを運用できることは明らかである。したがって、当該役務提供は、技術知識、スキル及び経験も「利用可能」にしている
  • 当該従業員が契約に基づきインド法人の指示及び監督の下で職務を遂行していたという単なる事実は、外国親会社の従業員における、当該外国親会社での雇用状況が変わることはない。このような取り決めは、サービス提供者が従業員の出向に際して採用する一般的な方法であり、民間企業のみならず、政府もこれを採用している。外国会社による受領金の調整が行われない場合、給与コストの立替額の精算金は給与の一部であり、社会保障コストのみを構成するものではない
  • 給与コストの立替額の精算金は、それが給与相当額の回収か、また、マークアップ部分の回収かにかかわらず、技術上の役務提供に係る料金とみなされる*

* Food World Supermarket Ltd.の訴訟(63 taxmann.com 43)については、バンガロール所得税裁判所(ITAT)の判決に、Centrica India Offshore (P.) Ltd.の訴訟については、デリー高等裁判所の判決に依拠している。

※詳細はPDFを参照


>> Click for English [Amount received by foreign company from Indian subsidiary towards reimbursement of salary cost of deputed employees, is Fees for technical Services (FTS)]

 

※本記事は、掲載日時点で有効な日本国あるいは当該国の税法令等に基づくものです。掲載日以降に法令等が変更される可能性がありますが、これに対応して本記事が更新されるものではない点につきご留意ください。

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