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就労ビザおよび商用ビザに係る最近の変更点 ほか

Global Tax Update : 2017年9月号/インド

本ニュースレターでは、タイトルのほか「ファンド運用会社に対する救済」について解説する。(Global Tax Update:2017年9月号/インド)

1. 就労ビザおよび商用ビザに係る最近の変更点

インド政府は、インドにおけるビザ制度の自由化、簡素化および合理化のために様々な措置を講じている。就労ビザおよび商用ビザについて、最近の主な変更点を以下に要約する。

変更点

内容

最低給与額の通貨単位を米ドルからインドルピーに変更

  • 就労ビザのための年間最低給与額は、現在はインドルピーに固定されている。従前は、年間最低給与額は米ドル建てであった。したがって、年間25,000米ドルの基準は、年間1,625,000インドルピーに変更して適用される。
  • 上記より、辞令/雇用契約書においては、インドルピー建てで給与を記載することが望ましい。

フォームCの要求

  • ほとんどの外国人地域登録局(Foreigners Regional Registration Office:以下「FRRO」)/外国人登録局(Foreigners Registration Office:以下「FRO」)は、外国人が宿泊施設に滞在する際に、フォームCの申請を要求している。
  • また、チェンナイのFRROが外国人の出国/チェックアウトの詳細をオンラインのフォームCで報告することを要求していることを把握している。他のFRRO/FROも、今後同様の報告を要求する可能性がある。

プネのFROにおける生体認証登録の義務化

  • プネのFROは、すべてのサービス(登録、ビザ延長等)において、外国人の指紋および虹彩スキャンを開始している。現時点では、他のFRRO/FROではこのような手続を行っていないものと把握している。

商用目的の長期数次ビザ

  • 米国人、カナダ人および日本人に対する有効期間10年の数次ビザの取扱いは継続する。
  • 有効期間5年の数次ビザは、「1回の訪印につき、連続滞在日数が180日を超えない、また、登録が要求されない」という条件付きで発行される。
  • 数次ビザの発行には、生体認証登録および面談が義務付けられている。

注: 就労ビザ、商用ビザおよび関連する家族滞在ビザは、現在、従前の単一カテゴリーのビザの発行手続に対して、サブカテゴリーとされている。各ビザの必要要件に応じて、申請書を作成しなければならない。

 

2. ファンド運用会社に対する救済

ファンド運用会社のインドへの移転を奨励するために、インド政府は2015年、インドにおけるオフショアファンド運用会社に対する税法上の優遇措置を導入した。本優遇措置において、ファンド運用会社がインドに所在していることだけを理由に、オフショアファンドの全世界所得がインドにおいて課税されないことが明確化された。

本優遇税制によると、インドに所在するオフショアファンドおよびファンド運用会社が本税制上の条件を満たす場合に、当該ファンドは、インドに「事業上の関連性(business connection)」(恒久的施設(PE)と類似した概念)を有するとみなされることはなく、インド居住者とみなされることもない、とされている。

また、オフショアファンド運用会社のインドへの移転および海外からの投資流入を促進するため、インドの最高税務機関である直接税中央委員会 (Central Board of Direct Taxes:以下「CBDT」)がイニシアチブを取り、上述の特定要件を緩和し、ファンドがインドにPEを有するものとみなさない旨の通達(詳細は、通達No.77 1)を公表した。

上記通達のとおり、1961年所得税法(Income-tax Act 1961:以下「所得税法」)9条A(3)(すなわち、所得税法2 e、f、g)に基づく特定要件は、2014年インド証券取引委員会(外国ポートフォリオ投資家)の規定上、カテゴリーIおよびカテゴリーIIに登録されるFPI3により設立された投資信託には適用されない旨の通達が公表された。

さらに、所得税法9条Aに基づき、同項に基づく優遇措置を受けるための要件の一として、インドに投資するファンドは、中央政府が通知する国または特定地域に設立または登記されていることが義務付けられている。これに関連し、CBDTは、当該国または特定地域に通知(詳細は、通達No78 4)を行った(日本は通知を受けた国の一つである)。

  1. 2017年8月3日付通達Notification No. 77 /2017/F. No. 142/15/2015-TPL(インド政府ウェブサイト(英語、PDF))
  2. e項:ファンドの投資家は、直接または間接的な関係者ではない25名以上の者から構成されていること
    f項:ファンドの投資家および関係者のいずれも、直接または間接的に、当該ファンドの10%を超える持分を有してはならないこと
    g項:ファンドの投資家およびその関係者の10名以下が直接または間接的に保有する持分総額は、当該ファンドの50%未満であること
  3. FPIカテゴリーIには、中央銀行、政府機関、ソブリン・ウェルス・ファンド、国際・多国間組織/機関等が含まれる。FPIカテゴリーIIには、ミューチュアルファンド、投資信託および保険/再保険会社等の適切に規制されている広範な基盤を有するファンド、投資運用会社、投資マネジャー/アドバイザー、ポートフォリオ・マネジャー、銀行、大学ファンド、年金ファンド等の適切に規制されている者が含まれる。
  4. 2017年8月3日付通達Notification No. 78/2017/F. No. 142/15/2015-TPL(インド政府ウェブサイト(英語、PDF))

 

>> Click for English [Recent Changes to Employment and Business Visa]

(206KB, PDF)
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