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所得税法の一部条文改正草案について

Global Tax Update:2017年9月号/台湾

台湾財政部は、2017年9月1日付で所得税に係る税制改正案を発布した。2018年1月1日から適用開始の見通しである。(Global Tax Update:2017年9月号/台湾)

現行制度及び財政部草案の比較については、以下のとおり。

対象

項目

現行制度

税制改正の草案及び方向性

台湾国内
営利事業

営利事業所得税率

17%

20%

未処分利益税率

10%

5%

台湾 非居住者
株主
(個人・法人)

配当時の
源泉徴収税率

20%(注)

21%(注1)

2019年1月1日より、過去に納付した未処分利益課税税額の配当源泉税額控除の撤廃

台湾 居住者株主
(個人)

総合所得税率

5%~45%

5%~40%
給与所得特別控除額、標準控除額及び障害者特別控除額の引上げ

配当所得

両税合一、配当所得は総合所得に合算して課税

【甲案】 合併課税

受取配当のうち37%を免税。残りは当年度所得として総合所得に合算して課税

【乙案】(注2)合算(A)又は分離(B)から有利な方を選択

A:配当所得を総合所得に合算して課税

B:配当所得は26%の一定税率で分離課税

税額控除

受取配当に含まれる株主控除可能税額の半額を控除

【甲案】 合併課税

なし

【乙案】(注2) 合算(A)又は分離(B)から有利な方を選択

A:配当所得の8.5%を控除可能税額とする(申請者1人当たりにつき8万元が上限)

B:なし


(注1) 日台租税協定の配当上限税率10%を適用する場合、影響を受けない。
(注2)「配当所得」で合算(A)を選択する場合、「税額控除」に関しても合算(A)を選択する形となる。

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外資企業における現行制度及び税制改正案について、外資企業への所得税への影響に関するまとめは、下表のとおり。

        

租税協定の非締結国からの投資者

協定の締結国から租税の投資者

既追加
未処分利益課税

未追加
未処分利益課税

既追加
 未処分利益課税

未追加
未処分利益課税

現行

草案

現行

草案

現行

草案

現行

草案

課税所得

100

100

100

100

100

100

100

100

営利事業
所得税

(17)

(20)

(17)

(20)

(17)

(20)

(17)

(20)

税引後
純利益

83

80

83

80

83

80

83

80

未処分利益課税

(8.3)

(4)

-

-

(8.3)

(4)

-

-

処分可能
利益

74.7

76

83

80

74.7

76

83

80

配当源泉
徴収税率

(14.94)

(15.96)

(16.6)

(16.8)

(7.47)

(7.6)

(8.3)

(8)

控除可能
税額

3.74

-

-

-

3.74

-

-

-

現金収入

63.5

60.04

66.4

63.2

70.97

68.4

74.7

72


今回の税制改正は、台湾における税制の簡素化、台湾企業と外資企業の税負担の差異縮小、国際的な流れに沿った公平かつ合理的な所得税制の確立が主な目的となっている。台湾企業については、未処分利益に係る追加徴収税率の引下げにより、内部留保コストが軽減され、全体的には企業の税負担コストは小幅に低減することとなる。外資企業については、営利事業所得税率の引上げ(17%→20%)、外資配当源泉徴収税率の引上げ(20%→21%)及び未処分利益課税からの控除制度の撤廃により、全体的な税負担コストは増加することとなる。個人については、課税階級及び方案の違いにより、結果は異なるものとなる。

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