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夏期休会明けにも新たな財政法案を提出予定 ほか

Global Tax Update:2017年7月号/英国

本稿では、「夏期休会明けにも新たな財政法案を提出予定」を含む7つのトッピクに分けて解説する。(Global Tax Update:2017年7月号/英国)

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1. 夏期休会明けにも新たな財政法案を提出予定

今般、英国政府は、「夏期休会明けできる限り早い時期に」総選挙の実施により前回の法案(現「2017年度財政法(Finance Act 2017)」)から取下げとなっていた税制改正案を再度盛り込んだ新財政法案を議会に提出する方針であることを明らかにした。英国下院は2017年7月20日から休会し、9月5日に再開の予定である。

2. Coin-A-Drink訴訟:VATの還付および利子は課税対象との上級裁判所判決

英国の上級裁判所(Upper Tribunal)は、付加価値税(Value Added Tax:VAT)の還付およびこれに関連する単利計算された利子の課税可否に関するCoin-A-Drink訴訟において、納税者の上訴を棄却した。本件は、Shop Direct訴訟においては主張されなかったEU法を根拠として上訴された。納税者は、EU法に照らして、VATの還付および関連する利子は、不当利得に関するイングランド法(English law of restitution)に基づき支払われたものとみなされるべきであるため法人税が課されないと主張した。

3. 税のデジタル化は導入時期を延期

同政策文書上で英国政府は、税のデジタル化(Making Tax Digital:MTD)計画の実施時期の延期を確認した。売上高がVATの登録義務基準額以上の企業は、2019年4月までMTDシステムの適用を強制されないとともに、その後も、VATに関してのみMTDシステムの利用を義務付けられる。

4. 事前ルーリング制度(non-statutory clearances)に関する英国歳入関税庁のガイダンス

英国歳入関税庁(Her Majesty’s Revenue and Customs:HMRC)は、事前ルーリング制度に関する最新のガイダンスを示した。HMRCは、「2005年度所得税法(事業所得およびその他の所得)(Income Tax (Trading and Other Income) Act 2005) Chapter 5 Part 5に定められた請負人の収益における税制('settlements legislation’)、もしくは、非公益信託証書の実行等による税務上の影響に係る事前承認または助言は行わない」との内容となっている。

5. 土地取引税および地方税(ウェールズ)租税回避防止法:英国女王の裁可付与

2016年9月12日にウェールズ議会に提出された土地取引税および地方税(ウェールズ)租税回避防止法案は、2017年5月24日に女王の裁可を付与された。同法の目的は、土地印紙税(Stamp Duty Land Tax:SDLT)に代えて、新たに土地取引に関する税制を確立するとともに、地方税の租税回避防止策を講じることである。SDLTは、2018年4月以降、ウェールズでは課税されなくなる見込みである。

6. EU VAT関連:Paper Consult:「休止中」のルーマニア事業主からの仕入れに係る課税

ルーマニアでは、VAT税務申告書を6カ月間提出していない、または登録上の住所に存在しない取引業者を「休止中(inactive)」としてリストにまとめており、このリストに掲載されている休止中の事業者から商品を購入した場合は仕入税額控除を認めていない。この制度は、適切に売上に係る税額を納税しない可能性のある会社との取引を抑止することを目的としているが、Mengozzi法務官は、これは認められないとの考えを表している。

7. EU VAT関連:Di Maura訴訟:イタリアの貸倒懸念債権に係る控除および倒産の要件

2016年10月、英国控訴裁判所(Court of Appeal)は、GMAC訴訟において、貸倒懸念債権に係る控除は、倒産手続が開始された場合に限定されないことを認めた。国内法のタイムリミットにより、この「倒産要件」に関する決定が英国に与える影響は限定的である。しかしながら、Di Maura訴訟は、他の加盟国においては本件が重要事項である事を示している。

 

>> Click for English [Finance Bill to be published after summer recess; draft updated legislation published]

(214KB, PDF)
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