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2017年度インド予算案(税制改正)

税務研究会『国際税務』2017年Vol.37 No.4

インド財務大臣は、グローバル景気の減速、高額紙幣廃止の影響、不明確な物品サービス税(GST)の懸念の中、2017年度の予算案を2月1日に発表した。今回の予算案では、農村およびインフラ投資の拡充に重点が置かれ、農業、地方、若者、貧困層・恵まれない人々の医療(ヘルスケア)、インフラ整備、金融業界の改善、ガバナンス政策のスピードアップ、公共サービス、堅実な財政運営、税制改正の10項目が注目されている。(『国際税務』2017年Vol.37 No.4)

はじめに

インド財務大臣は、グローバル景気の減速、高額紙幣廃止の影響、不明確な物品サービス税(GST)の懸念の中、2017年度の予算案を2月1日に発表した。

2017年度の予算案は画期的なものであり、昨年まで予算案は2月末に発表されていたが、新年度が始まる前にインド国会と大統領の承認を得て各種政策の実行をスピードアップするために、今回から約1カ月前倒しで発表されている。また、従来は別途発表されていた鉄道分野の予算案も一緒に発表されることとなり、これも画期的なものである。

今回の予算案では、農村およびインフラ投資の拡充に重点が置かれた。インド財務大臣によると今回の予算案は、農業、地方、若者、貧困層・恵まれない人々の医療(ヘルスケア)、インフラ整備、金融業界の改善、ガバナンス政策のスピードアップ、公共サービス、堅実な財政運営、税制改正の10項目が注目されている。経済のIT化およびキャッシュ経済を減少させることも今回の予算案の主要なポイントである。外国投資促進委員会(Foreign Investment Promotion Board:FIPB)を廃止し、より一層の投資を促進するための新組織を立ち上げる。

税制面では、過少資本税制(Thin capitalization rules)および第二次調整の規定が導入された。これは、税制上公正かつBEPS行動に基づくものである。

インド政府が2015年度の予算案で約束していた法人税率の低減は実施されることとなった。長期譲渡所得の免税にかかる制限も注目すべきものである。インド政府は、投資家の信頼を得るため、税制面における不明確な部分の明確化および合理化を試みている。2017年度の予算案では、インドにおける日系企業またはこれから進出を検討している日系企業の意思決定プロセスで重要となる税制改正がいくつか発表された。ここでは主要な税制改正案を述べる。

今回発表された予算案はあくまでも案であり、国会での審議を経て成立する見込みである。通常、このプロセスは2カ月くらい要するが、今回通常より1カ月前に予算案の発表があったため、2017年4月1日までには完了する見込みである。

1. 個人所得税

インドでは居住者(個人)に対して累進税率を適用している。年間所得25万~5万ルピーの個人の所得税率を現在の10%から5%に引き下げる。500万~1,000万ルピー以下の課税所得金額に対する10%のサーチャージの導入が提案され、課税所得金額が1,000万ルピーを超える場合のサーチャージは昨年同様15%で変更ない。

教育目的税は納税額の3%のままで変更がない。また、課税所得が1,000万ルピーを超える個人に対する最高実効税率は35.535%で昨年と変更がない。

2017~18年度における個人所得税の税率は(表1)のとおりである。

(表1)

個人形態

税率(ルピー)

Nil

5%(以前10%)

20%

30%

居住者・非居住者

250,000

250,001~500,000

500,001~1,000,000

1,000,001以上

居住者-高齢者
(60歳~79歳)

300,000

300,001~500,000

500,001~1,000,000

1,000,001以上

居住者-超高齢者
(80歳以上)

500,000

500,001~1,000,000

1,000,001以上

Notes:

  • 課税所得が500万~1,000万ルピー以下の場合、10%のサーチャージが課せられる
  • 3%の教育目的税が発生する

2. 法人税

現在、内国法人および外国法人に対する法人税率はそれぞれ30%(29%および25%の税率が適用される法人もある。詳細は次の(表2)を参照)と40%である。納税者の分類および課税所得により納税額に対し2%、7%と12%のサーチャージも適用されている。さらに、教育目的税も3%で追加で発生している。外国法人のインド子会社または合弁会社はすべてインドにおける内国法人とされる。

2015年度の予算では、インド財務大臣が内国法人に対する法人税率は、今後4年間で30%から25%に引き下げられ、その変更が2016~17年度から適用されることと発表していた。同時に各種の税額控除およびインセンティブも今後4年間で段階的廃止されることも発表されていた。また、2016年度の予算案では、各種の税額控除およびインセンティブの段階的廃止についてのロードマップが発表されていた。また、軽減税率に関する下記2点についての提案があった。

① 新規設立される製造業に対し、一定の条件のもとに25%の法人税率適用の選択可能

② 2014~15年度において総収入金額が5,000万ルピー以下の内国法人に対し、法人税率を29%に引き下げる

もし、2017年度の予算案がこのまま承認されれば、軽減税率が適用可能な法人が増加される。2017年度の予算案では、2015~16年度において総収入金額が5億ルピー以下の内国法人に対し、法人税率を25%に引き下げることを提案した(上記②の範囲が拡大された)。

法人税は上記以外には変更ない。内国法人および外国法人に対する教育目的税は、変更対象ではない。内国法人および外国法人に対する実効税率は(表2)のとおりである。

(表2)

法人の分類

課税所得が
1,000万ルピー以下

課税所得が
1,000万~1億ルピー以下

課税所得が
1億ルピー超

サーチャージ

実効税率

サーチャージ

実効税率

サーチャージ

実効税率

内国法人
(FY2015-16
総収入金額
5億ルピー以下)

 

Nil
(Nil)

25.75%
(30.90%)

7%
(7%)

27.55%
(33.06%)

12%
(12%)

28.84%
(34.61%)

新規製造業

Nil
(Nil)

25.75%
(25.75%)

7%
(7%)

27.55%
(27.55%)

12%
(12%)

28.84%
(28.84%)

その他既存法人

Nil
(Nil)

30.90%
(30.90%)

7%
(7%)

33.06%
(33.06%)

12%
(12%)

34.61%
(34.61%)

外国法人

Nil
(Nil)

41.20%
(41.20%)

2%
(2%)

42.02%
(42.02%)

5%
(5%)

43.26%
(43.26%)

Notes:

  • 実効税率には、3%の教育目的税を含む
  • ( )の箇所は、現行の税率である

インド税法上、すべての法人(インドに恒久的施設(Permanent Establishment :以下「PE」)を有しない外国法人を除く)は通常の法人規定による税率に基づき計算された税額、または最低代替税(Minimum Alternate Tax:以下「MAT」)の規定による会計上の利益に基づき計算された税額のいずれか高い方の税額を支払う義務がある。配当を発表する内国法人は配当分配税(Dividend Distribution Tax:以下「DDT」)を支払う義務がある。

MATおよびDDTの実効税率は(表3)のとおりで、変更はない。

(表3)

DDT

15% (最高実行率20.36%*)

MAT

  • 内国法人-18.5%(最高実行税率21.34%*)
  • 外国法人-20.01%*(インドにPEを有する外国法人も含む)

*サーチャージおよび教育目的税を含む

3. 過少資本税制の導入

多くの国がOECD BEPS行動の催告を実施している。2016年度の予算案では、インド政府がBEPSに関する下記4点を発表した。

  • デジタルサービスに関する支払に平衡税(Equalization Levy)の導入(行動1)
  • ロイヤルティ所得にかかわる優遇税制(行動5)
  • 一般的租税回避防止規定(GAAR)の適用(行動6)
  • 国別報告書(CbCレポート)の導入(行動13)

2017年度の予算案では、OECD BEPS 行動4に基づく過少資本税制によるもので、支払利子に控除制限をかけるために導入した。

内国法人または外国法人のインド国内恒久的施設(以下「一定の内国法人等」)から関連会社に対する支払利子その他これに類する報酬について支払利子・税金・減価償却・償却控除前利益(EBITDA)の30%までに控除を制限することが提案されている。一定の内国法人等の非居住関連会社からの“Debt”(借入)に対する支払利子その他これに類する報酬を支払う場合に適用される。非居住関連会社が第三者からの借入金に対して黙示的なもしくは明示的な保証を与える。または、第三者が行う借入金に対応する資金を預入する場合には、非居住関連会社からの借入とみなされる。“Debt”とは、いかなる借入金、金融商品、ファイナンス・リース、金融派生商品、その他事業所得において控除可能な利子、割引、その他金融手数料は発生する取決めをいう。

支払利子その他これに類する報酬が1,000万ルピーを超える場合に適用される。また、この制限は、銀行業または保険業に従事する一定の内国法人等には適用されない。否認された支払利子は8年繰り越し可能であり、次年度に繰り越された支払利子に対して同様の控除制限がかかる。この制限は2017~18年度より適用される。

4. 移転価格税制に伴う第二次調整の導入

インド移転価格税制をOECDのガイドラインに合わせるということで第二次調整の規定の導入が提案された。インド移転価格税制は国際税務で採用されているベストプラクティスを採用しようとしている。このような調整は、諸欧州、南アフリカ、韓国やカナダ等のような国に既に認められている。

第二次調整とは、インド法人(一方の関連当事者(納税者))とその国外関連者(他方の関連当事者)の会計帳簿における調整で、独立企業間価格に基づく当事者間の利益調整(第一次調整)に対応する調整のことである。当該調整によりインド法人(納税者)の現金勘定(cash account(実際の受領額))と課税所得の間の不平衡が取り除かれることとなる。

下記のいずれかの移転価格に係る第一次調整が行われた場合に、第二次調整は必要になる。

  • 自らの法人税申告書においてインド法人(納税者)が自主的に調整を行った
  • 税務当局員による調整を納税者が受け入れた
  • 事前確認制度(Advance Pricing Agreement:APA)に基づく調整
  • セーフ ハーバー ルール(Safe Harbour Rules)に規定されたマージン レートに整合した調整
  • 相違協議(Mutual Agreement Procedures :MAP)の手続上の解決に従う調整

国外関連者が第一次調整に基づく所得移転による課税所得減を精算しない場合において、所定の期間内にインドに返金されないときは、インド法人(納税者)から当該国外関連者への貸付金とみなされ、当該貸付金に対する利息収入を認識する必要がある。ただし、次の場合には適用されない。

  • 第一次調整の金額が1,000万ルピーを超えないこと
  • 該第一次調整が2016年4月1日前の事業年度(FY)に関して実施されていること

第一/二次調整はインド外国為替法に準拠する必要がある。もし、第一次調整がインド外国為替法上認められない場合、第二次調整も困難になる可能性がある。納税者が不利益をこうむらないように両方の規定の整合性を取る必要がある。

5. 長期譲渡所得の免税に係る制限

上場株式の譲渡に係る長期譲渡所得税の免税措置は、当該譲渡に対応する株式購入に対して有価証券取引税(Securities Transaction Tax:以下「STT」)が課されること、また2004年10月1日以後に取得された株式等にのみ適用される。

一定の納税者は長期譲渡所得の免税規定を悪用して、偽装取引等を行っていることが判明した。そういった偽造取引を防ぐために、STTが課されることを条件に長期譲渡所得の免税規定が提案された。ただし、IPO(新規公募)、FPO(追加公募)、無償新株、予約権無償等にはこの条件が適用しない。この制限は2017~18年度以降に適用される。

(1) 時価(FMV)より低い価格で譲渡された株式の課税扱いについて

現在、インド国内法には不動産を印紙税における課税標準の価格より低い価格で譲渡する際の規定がある。この規定は不動産を譲渡した際のキャピタルゲインが正確に納税されているかを確認するものである。

2017年度の予算案では、法人株式(上場株式以外)の譲渡対価が時価(Fair Market Value:以下「FMV」)より低い場合の取引をこの規定に含めることを提案した。もし、法人株式(上場株式以外)の譲渡対価がFMVより低い場合には、当該時価が譲渡対価とみなされる。今後、FMVの計算方法が規定される予定である。この規定は多くの取引および企業の再編を影響することになると考える。

この規定による懸念事項としては、一点目はこのような譲渡は買手においてもみなし所得(income from other sources)として課税され、買手と売手の両方で課税されることによって二重課税が発生することなる。二点目は、上場株式か否かを分類するための判断が不明確な点にある。

(2) FMVでない価格で実施された株式取引について

現行の税制規定では、同族の非公開会社・パートナシップ等が他の非公開会社の株式を取得した際にFMVと実際の譲渡金額の差額に対して課されていた。個人およびヒンドゥー教の不分割家族(Hindu Undivided family)は、その対価を受ける際に差額分について課税されていた。

このような特定のケース以外の租税回避を防ぐために、無償および不適切な対価で取得する不動産および株式についてすべての納税者を課税する規定が提案された。今後はFMVと実際の譲渡金額の差額が課税されることとなる。課税所得を計算するのに使用されたFMVは納税者において資産の取得原価とみなされる。この変更は2017-18年度以降より適用される。

(3) デジタル経済の促進

インド政府はデジタル経済の促進とキャッシュレス取引の拡大に力を注いでいる。IT化により不正な所得を削減することが可能となる。2017年度の予算案では、様々なことが提案されている。

以下はその概要である。

  • 資本資産の取得に係る現金支出(小切手または銀行口座を経由しない)については、1万ルピーを超える取引は減価償却の算出の際には認められない。
  • 特定の事業に係る資本支出は、1万ルピーを超える現金支出(小切手または銀行口座を経由しない)を含まない。
  • 損金算入可能できるあらゆる現金支出の一日の上限を2万ルピーより1万ルピーに引き下げる。
  • 特定の事業における推定税率の引下げ(申告書の提出期限前に小切手または銀行口座を経由しないで取引を受領されることが条件)。

6. インドでのビジネス環境の簡素化を図るための対策

(1) インドルピー建て社債(Masala Bond)

インド法人は資金調達の手段として新規設けられたインドルピー建ての社債がある。この社債は政府より税制優遇を受けている。

インド国外で2020年7月1日前に発行されたインドルピー建ての社債(Masala Bond:マサラボンド)について源泉税の軽減税率5%が適用される。この改正は、遡及的に2016年4月1日より適用されることとなる。また、外国機関投資家に払われるインドルピー建てのインド法人の社債または国債の投資にかかる支払利子についても軽減税率の5%が適用される。

予算案によると、社債の満期時に受領する金額の算定にインドルピー通貨の上昇分は考慮しない。また、インドルピー建ての社債の国外(非居住者間)での移転により発生するキャピタルゲインは非課税とされる。これは2017~18年度より適用される。

(2) 外資借入(ECB)に関する軽減税率5%の延長

現在、インド法人または事業が以下についてインドの非居住者に対し支払う利子にかかる源泉税は5%で優遇されている。

  • 2012年7月1日から2017年6月30日まで締結した借入契約に基づきインド国外から外貨で借入したもの
  • 2014年10月1日から2017年6月30日まで発行された長期社債(長期インフラ社債も含む)

上記借入について軽減税率の適用を2020年6月30日まで延長することが提案された。

(3) 事前裁定当局(AAR)に関する提案

ビジネス環境の簡素化を図るために所得税、中央物品税、関税およびサービス税についての事前裁定当局(Authority for Advance Ruling:以下「AAR」)を統合する提案がされた。これにより政府は事前裁定当局の統合だけではなく、納税者へ直接税および間接税の両方の側面から迅速な対応を提供することを試みている。さらに税制面での不明確な部分を解消し、納税者/投資家における課税関係を安定化させ、事前に税金コストを見積もることが可能となる。

(4) 優先株式への普通株式への転換

現在、会社の転換社債の株式への転換は譲渡とみなされない。しかし、優先株式を普通株式へ転換する場合に同様な優遇はなかった。優先株式の普通株式への転換は譲渡とみなされないことが提案された。株式の保有期間の算定には当該優先株式の保有期間も含む。また、株式の取得原価は当該優先株式の原価とみなすことになる。

(5) 10%のキャピタルゲイン税にかかる明確化

現行の税法では、非居住者が行う非公開会社の有価証券に係る長期譲渡所得に対する税率は、優遇されている。2016年度の予算では、公開会社の株式を譲渡した場合でも、当該軽減税率は適用できることが明確になった。しかし、この改正は遡及的に適用かどうかが不明であった。2017年度の予算案では、公開会社の株式の場合でも、当該軽減税率は遡及的に適用できることが明確になった。従って、2012年4月1日より適用されることとなる。

(6) 最低代替税(MAT)クレジットの延長

上述のように、インド税法上、すべての法人(インドにPEを有しない外国法人を除く)は通常の法人規定による税率に基づき計算された税額、またはMATの規定による会計上の利益に基づき計算された税額のいずれか高い方の税額を支払う義務がある。MAT規定により税金を納税する場合、支払ったMATと計算上の法人税の差額はタックスクレジットの対象となる。当該タックスクレジットは10年間繰越し可能である。今回の予算案では、MATタックスクレジットの繰越期間が10年間より15年間に変更された。

(7) 間接譲渡にかかる規定の明確化

株式の間接譲渡にかかる規定は財政法2012年にて導入され、1961年4月1日より遡及的に適用されることとなった。この規定の目的は、インドの資産より出す価値が大きい場合、外国法人の株式を移転した納税者に対しインドで課税を課すことだった。その後、外国ポーロフォリオ投資家(以下「FPI」)よりFPIへ投資する投資家に対しては間接譲渡にかかる特別な免税を設ける必要があると懸念が示された。この間、直接税中央委員会(The Central Board of Direct Taxes:以下「CBDT」)が通知書を発行することにより、FPIへの投資家は間接譲渡の規定に当てはまることを公表した。その後、この規定が廃止されることとなった。

2017年度の予算案では、Category‐IとCategory‐IIとして登録されている外国機関投資家(FII)へ投資する非居住者の投資家については株式の間接譲渡の規定は適用されないことが明確となった。ただし、Category‐IIIのFPIについては免税とされていない。この規定は、2011年4月1日より適用されている。

(8) カーボンクレジットの譲渡にかかる所得

カーボンクレジットの譲渡に対しては、譲渡金額の10%の軽減税率が適用される。

(9) 特定国内取引

インド移転価格税制上、特定国内取引については報告義務がある。これは納税者のコンプライアンスの負担を増やす要因となっていた。2017年度の予算案では、一定の法人に支払われたまたは支払われる費用を「特定国内取引」の定義から除外し、定義・規定を緩和した。これは2017年4月1日より適用される。

ただし、関連企業間取引において一定の利益連動控除を受けている場合には、引き続き移転価格税制が適用される。

7. 一般的租税回避防止規定(GAAR)

一般的租税回避防止規定(General Anti Avoidance Rule:以下「GAAR」)は当初より変更なく、2017年4月1日より適用される。GAARとは、租税回避を意図した経済的合理性を欠く取引等について、税務当局が当該取引等を否認できるとする規定である。2015年度の予算案では、GAARは2017年まで延期されていた。

投資家および工業団体は、GAAR規定の実施に関し説明を求めていた。CBDTは、予算案発表の前(2017年1月27日)にGAAR規定について通知書を発行し規定を明確化した。通知書は様々な懸念を解消しているが、納税者は詳細なガイドラインを期待している。

8. 日系企業への懸念事項

今回の予算案では、あまり大きな税改正等の発表はなかったが、過少資本税制と第二次調整は注目すべきものである。このような提案はインド法人の資金調達とビジネス取引に変化をもたらすであろう。インドルピー建ての社債は他の社債に比して優遇措置が認められているが、資金調達時にこのオプションを選択する前に過少資本税制を慎重に考慮する必要がある。2017年4月1日に適用予定のGAARにも注目する必要がある。

株式購入に対してSTTが課されない場合に上場株式の譲渡に係る長期譲渡所得税の免税措置が適用できないことについては専門家の意見を受けながら対応する必要がある。MATクレジットの繰越期間が10年間から15年間に変更となったことは今後税負担の軽減につながるであろう。

また、直接税と間接税のAARの統合がインドにおける税訴訟を削減することに役立つと考えられる。

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