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インドにおける組織再編

税務研究会『国際税務』2018年Vol.38 No.8

米国や欧州に本店を有する企業は、インドにおける法人の数を合併、会社分割、事業譲渡、清算等の手続により減らそうとしている。日系企業もそれらの選択肢を検討しはじめている。本稿では、法人の簡素化・組織再編とそれを達成するための手段の一つ(合併)について記載する。法人・事業の実際の状況、過去の取引や税法順守状況により最良な選択肢が決定されるので、合併方法は必ずしもベストであるとは限らないことに留意すべきである。

企業は、成長し続けるため、新興国市場に子会社を設立することによりビジネスを拡大する傾向がある。さらに、これらの市場で存続、シェア拡大や他の戦略的理由により、企業は買収を行ったり、合弁会社を設立したりする。その結果、一つの国に複数の法人を有する企業が見受けられる。

複数の法人を運営するのは利点も欠点もある。必要な時にそれらのビジネスを他の法人の契約、顧客、サプライヤー、従業員等に影響せずに柔軟にエグジットすることが可能であることが利点として考えられる。また、一つの法人が有する負債を遮断することもできる。

複数の法人を有する欠点としては、著しく変化するコンプライアンスと株主からの行動原則を遵守することの圧力に直面することである。先進国及び途上国を含む様々な国の税法及び規制法が随時変更されており、これらの変更に対応することが非常に困難となっている。また、企業はコスト、リスク、非効率を削減することが求められている環境の中で、複数の市場でビジネスを拡大したい企業は、全ての管轄において効率的な事業形態╱法人を模索している。多くの企業は、複数の法人の統合等により不要な法人をなくすことでビジネスの簡素化を図っている。

インドにおいても例外ではない。米国や欧州に本店を有する企業は、インドにおける法人の数を合併、会社分割、事業譲渡、清算等の手続により減らそうとしている。日系企業もそれらの選択肢を検討しはじめている。ここでは、法人の簡素化・組織再編とそれを達成するための手段の一つ(合併)について記載する。法人・事業の実際の状況、過去の取引や税法順守状況により最良な選択肢が決定されるので、合併方法は必ずしもベストであるとは限らないことに留意すべきである。

本稿では、以下のトピックに分けて解説する。

  1. 法人の簡素化・組織再編の恩典
  2. 組織再編の方法
  3. 合併による組織再編
  4. 結論

 

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