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【用語解説】適格現物出資

M&A税務

適格現物出資とは、現物出資法人へ、被現物出資法人の株式のみが交付されることを言います。ここでは適適格現物出資の概要について解説します。

適格現物出資とは

適格現物出資とは、次の(1)から(3)のいずれかに該当する現物出資で、現物出資法人に被現物出資法人の株式のみが交付されるものをいう。ただし、後述の適格要件を充足する現物出資であっても、内国法人が外国法人に国内にある資産および負債を移転するまたは外国法人が国外にある資産および負債を内国法人に移転する現物出資は非適格現物出資となる。

(1) 完全支配関係(100%の資本関係)がある法人間の現物出資
(2) 支配関係(50%超の資本関係)がある法人間の現物出資
(3) 共同事業を目的とした現物出資

それぞれの現物出資の適格要件の概要は下記のとおりである。

適格要件 (1)完全支配関係 (2)支配関係 (3)共同事業目的
支配継続 現物出資法人と被現物出資法人との間の完全支配関係/支配関係の継続見込み
主要資産負債の引継 現物出資事業に係る主要な資産負債の移転
従業者引継 現物出資事業に係る従業者のおおむね80%以上の引継ぎ
事業継続 現物出資事業が被現物出資法人において継続すること
事業関連性 現物出資事業と被現物出資法人のいずれかの事業が関連性を有すること
規模・経営参画 上記の事業の売上高・従業者数等の規模に5倍超の差がないこと、または現物出資法人の役員および被現物出資法人の特定役員(常務クラス以上の取締役等)のいずれかが現物出資後に被現物出資法人の特定役員となること
株式継続保有 現物出資法人が現物出資により交付を受ける被現物出資法人の株式を継続保有すること


税務上、現物出資による資産負債の移転も譲渡として取り扱われるところ、適格現物出資の場合は、現物出資法人の資産負債は簿価にて被現物出資法人に譲渡したものとされているため、資産負債の移転に係る課税は発生しない。ただし、一定の場合には被現物出資法人が有する繰越欠損金の利用制限、現物出資法人から引き継ぐまたは被現物出資法人が有する一定の資産の譲渡等から生じる損失について損金算入制限が課せられる。

(適用法令:2015年6月現在)

本記事の内容は一般論であり、特定の取引に関する税務アドバイスを提供するものではありません。したがって、いかなる者も本記事に依拠することはできないものであることにご注意ください。

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