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【用語解説】特定資産譲渡等損失

M&A税務

支配関係のあるグループ会社間で適格組織再編等が行われた場合、特定資産に関して一定期間内に生じた譲渡、評価換え、貸倒れ、除却その他の事由による損失は一定の要件を満たさない限り損金不算入とされる。

特定資産譲渡等損失とは

適格組織再編が行われた場合、移転対象となる資産および負債は、帳簿価額によって他の法人へ引き継がれることとなる。また、支配関係のあるグループ会社間においては、税制適格要件を充足するのが、比較的容易となっている。
そのため、例えば以下のような手順によって、恣意的に税負担を減少させる租税回避行為が行われることが想定される。

(1) 含み損のある資産を保有する会社を買収して支配関係のあるグループ会社とする
(2) 上記(1)でグループ会社化した会社との適格組織再編により、その資産を他の会社へ帳簿価額で移転する
(3) 上記(2)で引き継いだ資産の含み損を実現することで課税所得を圧縮する

このような行為を典型例とする、資産の含み損を利用した租税回避行為を防止する規定が「特定資産譲渡等損失」に関する制限規定である。具体的には、支配関係のあるグループ会社間で適格組織再編等が行われた場合には原則として、特定資産に関して一定期間内に生じた譲渡、評価換え、貸倒れ、除却その他の事由による損失を損金不算入とする制限が課されるというものである。

この制限規定の対象となる適格組織再編等には、適格合併や、100%グループ会社間における非適格合併で譲渡損益の繰延規定の適用があるもの、適格分割、適格現物出資および適格現物分配がある。

ただし、そのような適格組織再編等が行われた場合であっても、みなし共同事業要件や支配関係の継続期間に関する要件などの一定の要件を満たせば、特定資産譲渡等損失に関する制限規定の適用はない。

なお、特定資産とは、適格組織再編等の当事者それぞれが支配関係発生日前に有する資産をいうが、棚卸資産や売買目的有価証券、支配関係発生日において含み損が生じていない資産等の一定の資産は特定資産から除外される。

 

(適用法令:2015年10月現在)

本記事の内容は一般論であり、特定の取引に関する税務アドバイスを提供するものではありません。したがって、いかなる者も本記事に依拠することはできないものであることにご注意ください。

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