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RCEPによる関税コスト削減メリットの享受をデロイトがサポート

RCEPが企業に与えるインパクトとそのリスクを認識し、今こそ必要な準備を

2020年11月に署名に至ったRCEP(地域的な包括経済連携協定:Regional Comprehensive Economy Partnership Agreement)は日本、ASEAN加盟国(10カ国)、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドが参加国となるFTA(自由貿易協定)であり、日本企業にとっても関税コスト削減等のメリットが期待できますが、企業に与えるインパクトとそのリスク、そして今こそすべき準備があることも認識すべきです。デロイトは、RCEPによるメリットを企業が享受するために必要な、様々な準備をサポートします。

RCEPの概要

2020年11月15日、RCEP(地域的な包括経済連携協定:Regional Comprehensive Economy Partnership Agreement)がついに署名に至りました。2012年11月に交渉立ち上げが宣言されてから、実に8年の時間を要したことになります。RCEPは日本、ASEAN加盟国(10カ国)、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドが参加国となるFTA(自由貿易協定)であり、これが発効すれば、世界のGDP、貿易総額、及び人口の何れも約3割に及ぶ巨大な経済圏が誕生することになります。日本にとっては中国、韓国と締結する初のFTAとなることが大きな特徴で、日本企業にとっても関税コストの削減や貿易手続きの簡素化、更にはサプライチェーンの選択の幅が増える等のメリットが期待できます。

日本企業に与えるインパクト:関税コスト削減の可能性が!

RCEPの内容は、税関手続並びに貿易円滑化、サービス貿易、投資、知的財産、電子商取引、政府調達、紛争解決等の多岐の分野に渡りますが、取り分け企業にとって影響が大きいのは、やはり物品貿易、即ち関税の引き下げです。特に、我が国の重要な輸出物品である工業品につき、14カ国全体で約92%の品目について関税の撤廃が実施されることとなります。

中国及び韓国において関税が撤廃される品目の割合は、中国は従前の8%から最終的に86%に、同じく韓国は19%から92%へと大幅に上昇しています。つまり、これだけの品目につき、即時撤廃若しくは段階的な引き下げにより関税コストの削減が可能になります。

また、日本がASEAN加盟国やオーストラリア、ニュージーランドとの間で既に締結済みの協定では関税引き下げがなされなかった品目が、RCEPで新たに対象になったことは大いに注目に値します。例えば、タイにおける一部の自動車部品等がこれにあたります。なお、ASEANをはじめとしたRCEP参加国は、何れも積極的に他国との協定を締結しています。所謂Out-Outの協定のメリットを検討する際には、将来的な適用関税率やサプライチェーンも念頭に置いた上で、300を超える既存協定とRCEPとの関税削減額の効果試算を比較した上で、個々の企業にとってベストな協定を選択することができます。

 

リスクと今から準備すべきこと

このように大きな関税コスト削減の可能性を秘めたRCEPですが、無条件で関税の引き下げが可能になる訳ではありません。協定が定める条件(原産地基準、直送基準)を満たし、必要な手続きを踏まえた上で、初めて関税引き下げのメリットを享受できることになります。特に、“Made in RCEP参加国”となるための原産地基準については、品目(HSコード)毎に適用される基準が異なるため、先ずは輸入国におけるHSコードを確認した上で、必要な条件を確認する必要があります。

一方、中国や韓国の税関当局は、協定上の利用条件を満たしているか、また、HSコードや通関申告時の課税標準(関税評価額)が適正か、という点について厳しく確認を行う傾向があり、RCEPの発効に伴い、これらの対応が更に厳格化することが懸念されます。税関当局が輸入通関時の申告内容やRCEPの利用可否について疑義を持つ場合には、検認(Verification)を行うことが可能である旨が協定文に規定されており、追徴課税や罰金の賦課、更にはサプライチェーンへの影響やレピュテーションリスク等にも繋がる可能性があります。

各企業においては、自社の現在および将来のサプライチェーンを踏まえたRCEPによる関税コストの削減メリットを確認すると共に、上述のコンプライアンスリスクを念頭に置き、協定発効前の今のタイミングで、早々に、自社の原産地の判定結果やHSコード、関税評価額が適正か否かを確認することを強く推奨します。

デロイトのサポート

デロイトでは、RCEPのメリットを享受するためのご準備に、下記のような様々なサポートをします。

FTA/EPA活用支援サービス

今回RCEPのように、FTA/EPAは毎年新たに多数締結されており、世界のFTA/EPA網は複雑化・重層化の一途をたどっています。この状況下において、FTA/EPAを適切かつ最大限に活用し、関税コストを削減するとともに、税関による追徴課税等のリスクを回避することが多くの企業で課題となっています。間接税サービスでは、原産性調査等の実務支援から、サプライチェーン最適化、コンプライアンス体制構築や検認対応等まで幅広く企業のFTA/EPA活用を支援します。

>>詳細はこちら(FTA/EPA活用支援サービス

 

関税評価アドバイザリーサービス
関税評価プランニング・コンプライアンス対応

関税評価とは、関税額算出の基礎となる課税価格(輸入申告価格)を決定することをいいます。私たちは関税コスト削減を目的とした関税評価プランニングや、関税評価の見直しによる関税関係法令のコンプライアンス対応など、国際的に貿易を行う企業の関税マネジメントを支援します。

>>詳細はこちら(関税評価アドバイザリーサービス

また、FTA活用の最適化や適正かつ効率的なHSコードの採番のために、以下のITツールのご提供が可能です。

 

HSコードの特定をサポートする検索エンジン「Trade Search」

Trade SearchはクラウドベースのHSコード検索エンジンであり、通関業者、製造業者のDX/オンラインオペレーションを支援するITソリューションです。

RCEPの活用で先ず必要な、輸入国におけるHSコード採番を正確に、そして効率的に行うための各種機能を装備しています。

>>詳細はこちら(Trade Search

AIを活用したHSコード グローバルデータベース「Trade Classifier」

HSコードの不適切な管理には、追徴課税や罰則の適用等、重大なコンプライアンスリスクが潜んでいます。Trade Classifierは、AIを活用したHSコードのグローバルデータベースで、HSコードの管理をグローバルレベルで標準化・可視化することで、コンプライアンスリスクの低減に寄与します。また、蓄積したHSコードのデータをAIが学習し、その後の品目分類業務の効率化に寄与します。

>>詳細はこちら(Trade Classifier


通商課題解決支援サービス「Trade Compass」

Trade Compassは、RCEP等の貿易協定を活用する為に、現在だけではなく将来の関税率や原産地規則などをウェブ上で簡単に素早く検索・比較できるサービスです。Trade Compassの活用により、関税コスト削減による早期の利益創出だけではなく、サプライチェーン最適化など中長期投資の精度向上が可能になります。

>>詳細はこちら(Trade Compass

プロフェッショナル

溝口 史子/Fumiko Mizoguchi

溝口 史子/Fumiko Mizoguchi

デロイト トーマツ税理士法人 パートナー

自治省(現在の総務省自治局)勤務を経て、2001年からドイツ大手税理士法人にてドイツ法人の税務を担当。法人税、付加価値税、移転価格税制、組織再編税制に関するアドバイスおよび企業買収時のタックスデューデリジェンスに従事。2005年ドイツ税理士登録。ロンドンスクールオブエコノミクス欧州社会政策学修士。東京大学法学部卒業。 2015年に帰国、海外の間接税と国際貿易自動化ツールを専門に扱う。 著書 『EU... さらに見る

福永 光子/Mitsuko Fukunaga

福永 光子/Mitsuko Fukunaga

デロイト トーマツ税理士法人 パートナー

大手グローバルメーカーで勤務後、2015年税理士法人トーマツ(現 デロイト トーマツ税理士法人)に入社。約15年間、関税に関するアドバイザリー業務に従事。国内外の関税案件に関する実務経験を活かし、グローバルにビジネスを展開する日系企業に対して、自由貿易協定の戦略的活用、関税評価プランニング、関税分類の適正化、関税コンプライアンス体制の導入支援、物流ネットワークの再編に係る関税アドバイス、海外におけ... さらに見る