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最新動向/市場予測
デジタルヘルスのNext Frontierとしての行動変容
TMT Predictions 2018
今後のデジタルヘルス市場の拡大における成長ドライバーとして「予防医療」に着目し、予防医療に関するデジタル技術やサービスの現状と市場の展望について考察した。予防医療領域で日本のエレクトロニクス・ハイテク企業の事業機会が存在するという観点から、事業展開を行う上でのポイントを示した。
日本の視点
Fitbitに代表されるウエアラブルデバイスは、市場投入直後は健康意識の高いアーリーアダプター層の取り込みに成功し、北米や欧州等の先進国を中心に一定規模の市場拡大が起こったが、2016年以降ウエアラブルデバイスの市場拡大スピードは踊り場を迎えている。
今後デジタルヘルス市場が拡大するには、さらなる成長ドライバーとなる要素が必要である。その代表として挙げられるのは、健康の維持・増進の目的で取り組みを図る「予防医療」である。先進国を中心として高齢化が進む中、従来の病院・医師中心の医療とは異なる形で、日常生活においてユーザーが自発的に生活習慣改善を行う予防医療が注目されるようになり、デジタル技術の進化を背景に新たなサービスが多く立ち上がっている。
日本のエレクトロニクス・ハイテク企業が自社のテクノロジーを生かし、従来とは異なるチャネルとして、予防医療領域でのサービスビジネスへの参入や提携、保険会社との連携などを進める余地があると考えられる。すでに日本企業の中でも成長戦略として、今後の成長が見込まれるデジタルヘルス領域への新規参入や事業拡大を行う例が出てきているエビデンス蓄積に長期間を要し規制のハードルが高い診断・治療等の医療領域と比べ、そのような規制が比較的少なくかつ、フィットネス領域のノウハウ展開やIoT技術の活用が進む予防医療領域には日本のエレクトロニクス・ハイテク企業の事業機会が多く存在すると想定される。
デジタルヘルス、特に予防医療領域での事業展開に際しては、(1)心理学領域への投資拡大・人材採用、(2)行動変容のアウトカムに応じたマネタイズモデルへの転換、(3)中長期視点での投資とルール形成戦略、の3つのポイントに注目し、自社のリソースを活かした事業展開を具体的に検討することが有用であると考えられる。
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