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最新動向/市場予測
デジタルメディア:処方箋はサブスクリプション
TMT Predictions 2018
グローバル版
デロイトは、2018年末までに先進国の成人の半数が、オンライン(インターネットのみ)で提供されるメディアサービスの定額課金(サブスクリプション)サービスを2件以上契約し、2020年には平均契約数が倍の4件に増えると予測している。
オンライン化が進む中で、複数メディアのサブスクリプションを併用すること自体は珍しくないが、オンライン版のみの形式のサブスクリプションを複数契約するのは比較的新しい形態である
一部のメディア企業にとってはすでにサブスクリプション契約がデジタル収入の大きな柱になっているとしても、メディア業界がオンラインでのサブスクリプションのみに頼ることはできないというのが実情である。やはり広告収入は軽視されるべきではない。ただしその場合、広告の提供形態と読込形式は顧客層に適したものを選択することが必要である。
メディア業界においては、個々の記事、楽曲、エディションに応じた最適なコンテンツ販売方法を検討する必要がある。この点において、需給動向を効率的に追跡する方法として、ブロックチェーンテクノロジーの活用は有効なアプローチだろう。
日本の視点
日本ではインターネットの普及と相まって、Yahoo!ニュースをはじめとしたポータルサイトにおける無料広告モデルでのニュース閲覧が一般化した結果、消費者が「ウェブのニュースコンテンツを有料で購読すること」になじみの薄い状況が続いている。
最近になって、ウェブメディアにおける情報の盗用や誤報、フェイクニュースの問題が明るみに出るにつれ、「質の高い情報には対価を支払ってもよい」という動きが出てきており、この傾向は、ニュースメディアが有料モデルを展開するための追い風になる。
サブスクリプションモデルのニュースメディアで一定規模の課金ユーザーを確保するためには、課金の対価に見合う価値を提供するという観点から、内容、サービスの使い勝手と価格設定、付加価値の提供に配慮したサービス設計が重要になるだろう。
今後のニュースメディアは、提供コンテンツを見極めるための顧客の理解や双方向性、ユーザビリティや情報を伝えるための新たな技術の活用等を考慮し、常に市場や顧客の反応を踏まえ、継続的に改善を図っていく必要がある。当然、これらのケイパビリティを獲得してPDCAを回すための体制整備には、一定の投資も必要とされる。
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