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Navigating the New Digital Divide
小売業界におけるデジタルの影響 世界9カ国での調査結果報告
デロイトは世界9カ国で数千人の消費者を対象に市場調査を実施し、数百万に上るデータの比較ポイントを取得しました。「NAVIGATING THE NEW DIGITAL DIVIDE」では、小売業界におけるデジタルの影響について考察し、デロイトならではの示唆を提供しています。
デロイトは、3年以上前から、デジタル端末の利用が実店舗での購買行動にどのように影響するかを探るべく、消費者のデジタル利用に関する調査に着手しました。デジタル・テクノロジーとデジタル情報へのアクセス性が、デジタル・チャネル内の売上のみならず、実店舗での売上や消費者行動に至るまで、デジタル化の影響は広範囲にわたることがわかりました。そして、この概念を「デジタルの影響(本レポートでは、デジタル・インフルエンスと表記)」と呼んでいます。
データからは、高まるデジタルの重要性や急速に進化する小売業の状況をうかがい知ることができます。こうしたデータに基づけば、すべての来店客がインターネットに常時接続できる日が急速に近づいているのかもしれません。調査を通じて明らかになってきたこうした潮流は、米国だけでなく、国際的に本質的な変革をもたらすものとなるでしょう。
このレポートは2014年後半から2015年前半にかけて主要9か国の小売市場における消費者調査で収集されたデータに基づいています。
(主要9か国:米国、オランダ、英国、ドイツ、メキシコ、カナダ、オーストラリア、中国、インド)
デロイトは、技術的な観点において、成熟市場と新興市場の両方から数百万に上るデータの比較ポイントを取得しました。
独自の文化と経済の差異がある一方で、デジタルが実店舗内行動に影響しているということは、どの市場にも共通しています。小売業は、デジタルの到来が小売業に与える影響を著しく過小評価し続けているといえます。
このレポートは、デジタルが実店舗内購買行動に与える影響に関して、3つの重要な傾向を示しています。
● デジタル化とその最適化への道はひとつではない
調査対象国では一様にデジタル化の拡大傾向にありますが、その進歩の速度や経路は国によって大きくばらつきがあります。新興市場では、先進市場が経験した段階を経ずに、それを超えたデジタル活用が生じる場合もあります。
● 特定の市場に限っても、すべての顧客に合うデジタル化の「型」はない
ひとつの市場環境でさえ 、顧客の属性、段階、購入対象など、それぞれの事情によって多様なデジタル行動が存在します。また、消費者のデジタル利用法は、購入商品に応じて変化するため、商品カテゴリーに注目することも重要です。
● 世界各地で、消費者は各々の購買行動のために異なるデジタル・ツールや機能を求めている
消費者は小売業者の制御を超えて、デジタルを利用し、意思決定と消費をしています。購買行動と購入決定はソーシャルメディアのような第三者に影響されています。消費者との関係再構築は、アプリ開発で解決できるような単純な話ではありません。
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