調査レポート

2015 グローバルCIOサーベイ

グローバルカンパニーのCIO意識調査 ~レガシーを創造するITリーダー像~

2015年のグローバルCIOサーベイは、43ヵ国1,200人を超える規模のテクノロジー部門のリーダ層を対象に、CIO像に関する調査にご参加いただきました。グローバルにビジネスを展開している日本企業にとって、競合としての欧米企業がどのような考え方をテクノロジーに対し持っているか、を理解することは重要です。今日のCIOの役割や価値創造について、本サーベイから得られる考察を通して解説しています。

関連コンテンツ

2015 グローバルCIOサーベイ 日本語版

日本語版発行に寄せて

安井 望
デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員
ジャパン テクノロジー プラクティス リーダー

当サーベイはデロイトがグローバルで展開しているデロイト CIO プログラムの一環として毎年行っているものである。今回初めて数十社の日本企業のCIOもしくは情報システム部門の責任者の方に当サーベイに参加いただき、その結果を日本語版として広く共有する準備が整ったことを大変嬉しく思っている。

このようなサーベイは、グローバルにビジネスを展開しているコンサルティングファームやベンダが独自の視点で行っており、日本でもその調査結果を目にすることが多くなっている。そのようなサーベイの一つとして、デロイトとしての視点を日本語で広く日本のマーケットに伝えることができることは大きな意味があると考えている。日頃経営者と経営課題について議論している中で、自社のITインフラに対する悩み、あるいはテクノロジーを経営にどう活かしていけば良いのかが分からないといった悩みをよく耳にする。日本では欧米と違ってCIOという役割が正しく認知されておらず、その役割を担う人材も乏しいためにこのような悩みが頻出しているのではないかというのが個人的な感覚である。多くの日本企業の経営者が持つ悩みに対して、当サーベイは一定の示唆を与えてくれるものだと確信している。

今回の当サーベイのメインテーマはCIOのレガシーである。ここでいうレガシーは、レガシーシステムといった形で使うレガシー(過去の事象や物事の終わりを連想させるもの)ではなく、CIOの経験、意思決定や課題対応の成果が積み重ねられていくことで創造されるものを意味している。あまり日本では取り上げられることのない部分なので興味を持って読んでもらえるのではないだろうか。このCIOのレガシーには3つのパターンがあると定義されており、その3つとは、「頼りになるオペレータ」、「変化の立役者」、「事業の共同創作者」である。詳細は当サーベイの記事を読んでいただきたいが、この3つのレガシーパターンの内容はその題目からある程度想像は付くと思う。しかし、日本企業にはこの3つのどれにも当てはまっていない人がCIOあるいはCIOに準じる役割を担っているのではないだろうか。当サーベイの内容を通じて、どのようなレガシーを持ったリーダになっていくべきなのか、自社にとって必要なレガシーは何なのか等について考えていくきっかけになれば幸いである。

当サーベイに参加してもらった企業の多くは欧米の企業であるため、欧米企業の傾向が色濃く反映されたものになっている。その意味からグローバルにビジネスを展開している日本企業は、競合としての欧米企業がどんな考え方をテクノロジーに対して持っているのかを理解する助けになる。しかし、当サーベイを日本語版として日本で広く共有していきたいという我々の願いは、欧米企業の真似をすることを考えるのではなく、日本企業が自らの環境に鑑みてテクノロジーをどう活用していけば良いか、今後CIOを含むビジネスリーダがどういった動きをしていくべきかを考え、自社にあった改革(Transformation)の実行に踏み出してもらうことにある。日本型経営が世界を席巻する時代が再びやってくることを信じ、実現するために全力で支援していきたいと考えている。

英語原文:2015 Global CIO Survey

〔PDF, 6.5MB〕

CIOレガシーには3つのパターンがある

当サーベイは、CIOが組織にどのように貢献するのか、経営環境の変化にどのように備えるかについて、3つのパターンがあることを明らかにした。これらの3つのパターンは、CIOの役割に対する多様な要求を満たすとともに、永続するレガシーを構築するために、CIOがどのように適応すべきかを理解するための強力なアプローチとなる。

Trusted operators 頼りになるオペレータ

「頼りになるオペレータ」は、コスト、業務効率、および業績に対する信頼性にフォーカスを当て、組織内に運用規律をもたらす。また有用なテクノロジーを提供し、ビジネス変革の取組みを支援し、事業戦略を協調して進めている。彼らは、業務効率化の推進に対して50%以上の工数を費やし、ビジネス変革と成長イニシアチブにはほとんど関与することはない。

インフォグラフィクスを見る(PDF, 英語)
 

Change instigators 変化の立役者

「変化の立役者」は、テクノロジーによるビジネスの変革やイニシアチブの変化をリードする。事業戦略をサポートし、新しいテクノロジーを提供するために多くの時間を費やす。
彼らは、複雑なビジネス変革に対して40%以上の工数を費やし、業務効率化の推進に対して25%の工数を当てている。

インフォグラフィクスを見る(PDF, 英語) 

Business co-creators 事業の共同創作者

「事業の共同創作者」は、事業戦略を推進し、企業内のビジネスの変化を戦略に基づいて効果的に実行するために多くの時間を費やす。
彼らは、事業戦略とビジネス変革に対して約30%の工数を費やし、残りの工数を、他の領域に均等に割り当てている。

インフォグラフィクスを見る(PDF, 英語) 

最適なCIOレガシーパターンの選択

特定のCIOレガシーのパターンが優れているのではない。重要なのは、その時点のビジネスニーズに、どのCIOレガシーパターンが適合しているかだ。

その時点のビジネスニーズに最適に適合するため、CIOが取りうるキャリア・コースには、以下の6つがある 

お役に立ちましたか?