2016–2017 グローバルCIOサーベイ/レガシーをナビゲートする~CIOがビジネス価値を創造するために~|サービス:テクノロジーストラテジー&アーキテクチャー|デロイト トーマツ グループ|Deloitte

ナレッジ

2016–2017 グローバルCIOサーベイ

レガシーをナビゲートする~CIOがビジネス価値を創造するために~

本年度の調査では、世界48か国、1,217社のグローバル企業のCIOより回答を得た。CIOに求められている役割は、ビジネスに付加価値をもたらすことである。その価値創造に至るまでの道筋を「レガシーをナビゲートする」というテーマでお伝えする。

全文PDF

2015年度のCIOサーベイでは、CIOレガシーを創造していく航海図を示した。(レガシー:テクノロジーリーダーらが組織に永久的な価値をもたらし続けること、と定義)優れたCIOはそれぞれのビジネスニーズに応じ「頼りになるオペレータ」「変化の立役者」「事業の共同創作者」の3つの異なるタイプによって付加価値を生み出していることが分かった。

本年のレポートは、CIOが現在どのレガシータイプに属しているかをCIO自身が評価できるものとなっている。さらに、将来より多くの価値を生み出せるレガシータイプがどれなのかを判断し、そのレガシータイプへの針路をどのように描けばよいかを示している。永続的な価値を創造するために、あなた自身はどのように変化するべきか。その航海には誰を連れていくのか。ビジネスの期待値という未開の大海原で、どのようにナビゲートし、最終目的地はどの港だろうか。

グローバルCIOサーベイ 2016-2017 〔PDF, 3.68MB〕

「生まれ」に関する自己診断~グローバルCIOとの比較~

価値を創造するためのCIOとしての道筋は、CIO個人が生まれながらに持ち合わせる属性や能力に依存するものなのだろうか。組織に永続的な価値をもたらすレガシーの創造に対して、Nature(「生まれ」)とNurture(「育ち」)のどちらの要素がより大きく影響しているのかを理解するために、今回のサーベイでは分析の幅を広げて調査を行った。

以下【診断】から、「生まれ」に関する20のパーソナリティやワークスタイルについて、ご自身の回答と、今回の調査対象となったグローバルCIOの回答結果を比較いただきたい。

 

【診断】

パーソナリティーに関する質問← 左に当てはまる どちらかといえば左 どちらかといえば右 右に当てはまる → 
1:知識 他人の意見を活用する 自分で探究したい
2:雰囲気 競争を好む 調和を好む
3:リスク対応 リスクを回避する ある程度のリスクを許容する
4:表現 数字で説明する 言葉で表現する
5:感情表現 表情豊か 控えめ
6:コミュニケーション 単刀直入 駆け引き上手
7:意思疎通スタイル 社交的 寡黙
8:物の見方 全体像を見る 細部にこだわる
9:アプローチ 現実主義 創造力豊か
ワークスタイルに関する質問← 左に当てはまる どちらかといえば左 どちらかといえば右 右に当てはまる → 
1:グループでの役割 リーダー チームプレイヤ
2:会議スタイル 議事通りに進行 ブレインストーミング
3:合意形成 尊重する 絶対条件ではない
4:同僚 プロフェッショナル 友人
5:ワークスタイル 臨機応変 規則通り
6:対立 好戦的 回避的
7:意思決定 慎重 迅速
8:新しい職場への適応 容易 困難
9:最先端技術 採用に積極的 採用に慎重
10:他者との協業 目的重視 感情重視
11:人間関係 社交的 控えめ
ここに診断結果が表示されます

 

CIOの「生まれ」と、特定のビジネスニーズに対してうまく価値を提供する能力との間には、ほとんど相関関係がないことがわかった。その一方で、「育ち」とCIOの成功の間には高い相関関係があった。このことは、幸いなことにCIOにとって、レガシー創造の成否が個人の属性ではなく、ビジネスニーズの変化に応じた能力やチームの構成によって左右されるものだということを意味する。詳細はレポート本文をご覧いただきたい。

日本語版発行に寄せて

当サーベイは、デロイトがグローバルで展開しているデロイトCIOプログラムの一環として毎年行っているものである。昨年に引続き日本語版を発行し、日本の情報システムに関わる方々やCxOに対して広く共有することができることを大変嬉しく思っている。日本企業も当サーベイに参加いただいており、昨年よりも多くの日本企業のサーベイ結果を得ることができた。この場を借りて感謝の意を表したい。

日本企業には真のCIOがいない、CIOが機能していないといった声が聞こえてくることが多いのは事実だが、そのような声を聞くたびに、CIOの役割とは本来どういったことなのかという共通認識が持てているのか、という点に疑問を感じている。当サーベイで触れているようにCIOは所属する企業の業界内での立ち位置、経営戦略、IT基盤の成熟度といった様々なファクターによって役割が変わってくる。「頼りになるオペレータ」、「変化の立役者」、「事業の共同創作者」の3つのパターンを念頭に置き、自分があるいは自社のCIOがどの役割を担うべきなのかを、経営陣そして事業部門、情報システム部門がまず共通認識として持つことが重要である。真のCIOであるかどうかはその役割に照らして語られるべきであって、感覚論で語られるべきものではないのである。

こういった前提に立ちながら当サーベイを読み進めていただくと、様々な示唆が得られるのではないかと自負している。中でも、デロイトより発行している「Tech Trends 2016」のトピックとして挙がっている「CIO=Chief Integration Officer」の色彩がより濃くなっていることに気付かれる人も多いのではないのだろうか。グローバル全体での方向性として、CIOの役割がITの専門家やITのお守り役というところから、経営陣や事業部門に散在するステークホルダーの間に立って、経営戦略や構造改革を推進するリーダーとなることが求められている。今や企業活動のほとんどがテクノロジー無しには語れない状況にあって、CIOが果たす役割はより大きくなってきたことを日本企業全てが認識すべき時代に来ているといえよう。

当サーベイ結果について「自社には当てはまらない」、「そもそものレベルが違う」といった解釈をしてしまうと何も前に進まない。グローバル企業がテクノロジーを重視し、企業活動そのものを変革している事実を直視し、日本企業がそのようなグローバル企業とどう対峙していくのかを考えるきっかけとして、当サーベイを活用していただけたら幸いである。

安井 望
ジャパン テクノロジー リーダー
デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員 パートナー

日本語版発行に寄せて
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