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移転価格税制対応

Transfer Pricing

タイの移転価格税制は2019年1月1日以降開始の事業年度から適用が開始になりました。 グループ経営において、グローバルな競争力の維持と税法の法令順守を同時に満たすためには、移転価格税制への配慮を欠かすことはできません。株主、取引先、顧客及び従業員等のステークホルダーに対する責任を果たすためにも、移転価格に関する法令違反による巨額な追徴課税、それに伴うキャッシュフローの悪化、加えて、ブランド価値の毀損等のリスクについて、経営者はこれらのリスク低減に努めることが不可欠です。

(制度内容)
タイでは、移転価格税制が2019年1月1日以降に始まる事業年度から適用開始となりました。法人税申告時に、関連者及び関連取引の内容を記載する「開示フォーム」の提出が義務化され、さらに、税務当局からの文書による要求に基づき、原則60日以内(初回は180日以内)に「移転価格文書」の提出が義務化されました。
開示フォームを提出して5年以内は、税務当局は移転価格調査を行うことが可能です。

(罰則規定)
開示フォーム、移転価格文書及び(または)証憑を提出しない、または、不完全または不正確な情報の記載をした納税者は、最大20万バーツの罰金が科さます。

(免除規定)
総収入2億バーツ未満の法人は開示フォーム及び移転価格文書の作成義務が免除されます。

タイ歳入局から移転価格税制に関する財務省令が公表されました。重要な点は、一定の状況下で外国法人の比較対象企業が許容される旨が示唆されたことです。より詳細な内容に関しましては、TP Alertをご覧ください。

(移転価格開示フォーム)
移転価格税制に基づき、納税者は移転価格開示フォームを税務当局に決算日から150日以内に提出しなければなりません。移転価格開示フォームへの記載を要する重要な情報は以下の通りです。
- タイ国内外の関連者のリストと当該関連者との取引の有無
- 納税者とタイ国内外に所在する関連者との関連取引の金額

納税者の移転価格開示フォームへの記入の記載の手引として、タイ歳入局は移転価格開示フォームに係るガイダンスを公表しています。このガイダンス(タイ語)は歳入局のウェブサイトより入手できますが、当該ガイダンスの英語訳(仮訳)を参考としてご活用ください。

法令遵守のためには、例えば事前のアレンジメントが望まれます。

1.事前にタイ人の担当者を指名し、チームに指示をだす権限を与えておく
2.移転価格税制対応するためのタイ人チームの作業時間及び予算の確保をしておく
3.プロジェクトの開始前に親会社の担当者を関与させるようにする
4.グループ内で既に作成されている移転価格文書を入手し、成果物をイメージできるようにする
5.予算作成時に定められた予算営業利益率を、移転価格アドバイザーに共有しておく
6.移転価格文書のドラフトは、グループの方針に従って記載されているかをレビューする (必ずしも、タイ法人がレビューできるわけではない)