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IFRS財団は、新しいサステナビリティ基準審議会を創設する    

IAS Plus 2021.11.03

IFRS財団は、投資者の情報ニーズを満たす高品質なサステナビリティ開示基準の包括的なグローバル・ベースラインを開発する、新しい国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の創設を発表した。

IFRS財団は、投資者の情報ニーズを満たす高品質なサステナビリティ開示基準の包括的なグローバル・ベースラインを開発する、新しい国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の創設を発表した。

 

2つの別個の協議において、IFRS財団の評議員会は、グローバルなサステナビリティ基準の要望及び財団がそのような基準の開発においてどのような役割を果たすかについて(2020年9月(デロイト トーマツのWebサイト-※1))、及びIFRS財団のガバナンスの下で新しいサステナビリティ基準審議会の創設を可能にするIFRS財団定款の改訂案について(2021年4月(デロイト トーマツのWebサイト-※2))協議を行った。

 

協議に対する回答は、IFRS財団のイニシアチブ(IAS Plus-英語版※3)に対する強い支持を示し、評議員会は本日、改訂後の定款及び対応するフィードバック文書を公表し、新しいISSBの創設を発表した。国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)

 

 

国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)

ガバナンス及び構造

ISSBはIASBと並立し、評議員会により監督される。ISSBの活動は、IFRS財団の確立したデュー・プロセスに従う。ISSBへのテクニカルなアドバイスは、新しいサステナビリティ諮問委員会より提供される。また、戦略的なアドバイスは、権限及び助言が対応して拡張される、IFRS諮問会議により提供される。各法域及び地域のイニシアチブとのエンゲージメントは、すでに評議員会によって設立されたワーキング・グループを通じて提供される。

ミッション

ISSBは、低炭素経済への移行における長期的で強靭性のあるビジネスへ資本を向けることを支援するために、法域横断的に、会社による一貫して比較可能な報告を促進するために、グローバル基準及び開示要求を開発する。

基準の名称

ISSBが開発する基準の名称は「IFRSサステナビリティ開示基準」となる。

ISSBの構成

ISSBは通常14人のメンバーで構成され、そのうちの何名かは非常勤のメンバーとなることが可能である。ISSBのメンバーシップの主な資格は、専門的能力及び関連する専門的な経験である。当審議会は、アジア・オセアニア地域から3名、ヨーロッパから3名、南北アメリカから3名、アフリカから1名、及びいずれ地域から4名のメンバーが任命される。メンバー選定は、まもなく開始される。

議長と副議長

ISSBは、1名の議長と少なくとも1名の副議長を置く。両名は、今後発表される予定である。

拠点

ISSBの主な拠点はフランクフルトになるが、南北アメリカ、アジア・オセアニア、ヨーロッパ/中東/アフリカのすべての地域は、各地域の拠点でカバーされる。

 

プレスリリースはまた、主要な投資者に焦点を当てているサステナビリティ開示の組織が新審議会への統合をコミットしたことを示している。評議員会は、2022年6月までに、気候開示基準委員会(CDSB)と価値報告財団(VRF)のISSBへの統合を完了する予定である。

 

ISSBの創設の発表に加え、Technical Readiness Working Group(TRWG)の作業に関する最新情報も提供している。TRWGは、ISSBの開始を容易にするために2021年3月に創設された。これは、ISSBが検討するためのテクニカルな提案事項を提供することを目的として、投資者の情報ニーズを満たすことに焦点を当てた関連性のあるイニシアチブの作業を統合し、構築するように設計された。TRWGの作業の成果である、以下の2つの文書が本日公表された。

 

  • 気候関連開示のプロトタイプ(プロトタイプの概要への参照はこちらから(デロイト トーマツのWebサイト-※4)) と
  • サステナビリティ関連財務情報の開示に関する一般的な要求事項のプロトタイプ(プロトタイプの概要への参照はこちらから(デロイト トーマツのWebサイト-※5))

 

2つのプロトタイプにはTRWGの作業プログラムの概要が伴っており、これまでに行われたテクニカルな準備作業を説明し、ISSBが作業を開始したら最終的な一連の提案事項をISSBに引き継ぐことができるよう、今後完了する予定である。

 

IFRS財団のWebサイト(英語)の以下の追加情報へは、以下をクリック。
 

プレスリリース(ASBJによるプレスリリースの日本語訳はこちらから)
ISSBの創設を発表するCOP26でのIFRS財団評議員会議長Erkki Liikanen氏によるスピーチ
ISSB を紹介する短時間のビデオ
TRWGの作業プログラム(PDF:395.63KB)
気候関連開示のプロトタイプ(PDF:635.50KB)
開示要求に関する補足的なテクニカル・プロトコル (PDF:635.50KB)
サステナビリティ関連の財務情報の開示に関する一般的な要求事項のプロトタイプ(PDF:437.44KB)
IFRS財団の改訂後の定款 (PDF:310.71KB)
定款変更案に関するフィードバック文書(PDF:235.48KB)

 

注: 2021年11月3日 14:30 GMT に、ISSB は COP26 からのライブ Web キャストで紹介される。さらなる情報は、こちら(英語※6)から利用可能である。

 

※1》 IFRS財団は、サステナビリティ基準審議会の設立について協議する(デロイト トーマツのWebサイト)
※2》 IFRS財団の評議員会は、定款の変更を提案(デロイト トーマツのWebサイト)
※3》 IFRS Foundation Trustees' sustainability reporting initiative(IAS Plus-英語版)
※4》 気候関連開示のプロトタイプ(デロイト トーマツのWebサイト)
※5》 サステナビリティ関連財務情報の開示に関する一般的な要求事項のプロトタイプ(デロイト トーマツのWebサイト)
※6》 An update on the ISSB at COP26(IFRS財団のWebサイト-英語)

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