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金融機関の新・顧客データ戦略 SVoC CRMを超えて

金融機関の多くは顧客中心経営を標榜し、CRMシステムなどに巨額の投資を行ってきました。果たして、その投資によって金融機関は期待しているだけの効果を享受できたのでしょうか。残念ながら答えは「No」と言わざるをえません。顧客満足度向上や顧客単位での収益性改善といった攻めの効果はもとより、近年頻発している顧客情報漏洩、インサイダー取引、マネーロンダリング事件などへの対策といった守りの効果も十分に獲得できなかったと言えます。

顧客中心経営の根底には「顧客データ」が存在します。それは攻めの面でも、守りの面でも同様です。言いかえれば、顧客データは顧客中心経営の鍵であり、顧客データを制するものが、攻めと守りを制すると言えます。顧客中心経営を標榜する金融機関にとって、顧客データは生命線と言えます。

本書は、金融機関の生命線である顧客データに注目した経営管理フレームワークであるSingle View of Customer(SVoC)について紹介しています。SVoCは2004年頃から欧米より普及したフレームワークで、顧客プロファイルを全方位的に把握し、顧客満足度向上、顧客収益性向上、リスク管理、法規制遵守を網羅的、体系的に実現することを提唱しています。また、これまでの顧客データ戦略の歴史や管理手法、SVoCへの挑戦事例、SVoC導入のポイントについても言及し、SVoCについて総括的に理解できるよう構成されています。

CRMなど従来型の取り組みに限界を感じている金融機関に対して、本書をお勧めします。

目次
第1章 顧客データ戦略とは
第2章 CRM~従来の顧客データ管理手法~
第3章 今後の顧客データ戦略~CRMからSVoCへ~
第4章 SVoC導入のポイント
むすび――サブプライム問題とSVoC

 

書名

金融機関の新・顧客データ戦略 SVoC CRMを超えて

出版

社団法人 金融財政事情研究会

著者

デロイト トーマツ コンサルティング株式会社 コンサルタント

価格

本体1,300円+税

出版

2008年9月

ISBN

978-4-322-11339-6

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