Posted: 25 Oct. 2023 3 min. read

生成AIにより新しいインタラクションを生みだし、顧客価値を創出する

シリーズ 生成AIの活用事例4:「顧客とのインタラクションの再定義」

企業からニーズが高い生成AI活用について、三つ目の事例は生成AIを用いた顧客への価値創出です。これは生成AIを組み込んだ顧客対応アプリケーションを構築し、顧客と直接インタラクションを行うという活用になります。今までもNLP(自然言語処理)技術を活かしてチャットボットを開発し、顧客への情報提供やFAQに基づく回答、Webサイトのナビゲーション等を実現してきた事例は多くありました。ですが、チャットボットの機能での接客に改善余地があったり、レコメンデーション技術を顧客接点に活かしきれておらず、そのため、顧客体験の向上も十分にできていないという課題認識を持つ企業も少なくなく、生成AIを用いてチャットボット顧客接点の高度化を行っていきたいというニーズにつながっていきます。

実は、この適用はチャットボットの高度化に留まらず、一部の先進企業はより革新的な取り組みに着手しています。現代の生成AIが持つ自然なアウトプットに、音声認識や音声合成等のAI関連技術、さらにはここ数年のメタバースのトレンドによって培われたアバター技術を組み合わせて、AIコンシェルジェやAIアシスタントを実現するというものです。

デロイトでは、NVIDIAが持つLLM(大規模言語モデル)であるNeMo ™ に、スピーチAI SDKであるRIVA、アバターデザインのフレームワークである Omniverse ACE等の関連技術を組み合わせ、顧客対応を行う Frontline AI というサービスを開発、提供しています。従来のチャットボットや同様のコンシェルジェサービスとは異なり、シナリオにない顧客の会話にも、柔軟かつ豊かな表現力で接客対応を行うことが可能です。


このような生成AIをベースとしたAIアシスタント、AIコンシェルジェの導入は、顧客接点業務における省力化や生産性の向上とともに、顧客体験の向上を中心にすえた組織の変革へとつながります。実際に、顧客対応を行う生保・損保の代理店や、自動車ディーラーシップ、レストランや小売り、ホテルやオフィスビルでの受付等、多岐に渡る領域でPoCが検討・実施されており、次世代の顧客とのインタラクションの再定義に向かって進んでいます。

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