システム×会計、自分にしかない強みで堅実なキャリアを ブックマークが追加されました
堅実なキャリアをデザインしたい。会計をコアコンピテンシーとする彼女が、自身のキャリアの価値を高めるために選んだ道とは。
デロイト トーマツ コンサルティング
Globalizing Digital Enterprise (g-DE) マネージャー Y.A
父親が公認会計士だったこともあって会計に興味を持ち、大学では会計を専攻していました。ちょうどその頃読んだ本の中に、「専門分野を1つに絞るのではなく、複数の専門分野を組み合わせてこそ貴重な人材になる」という言葉があり、このまま会計だけを極めるのではなく、会計×テクノロジーといった別の要素も併せ持ってみようかなと思ったのが、テクノロジーキャリアを選んだきっかけです。その後新卒でSIerに入社し、システムエンジニアになりました。入社後は会計領域を志望して、これまでは主に連結会計の国際会計基準の対応や財務部が使用する資金繰りシステムなどに関わっており、主に財務・経理部の方とプロジェクトを進めてきました。会計×テクノロジーのキャリアを極めることが私の目標なので、どちらかに偏ることなく、ビジネスとテクノロジーのバランスを大事にしながらキャリアを積み重ねてきました。
私が所属するGlobalizing Digital Enterprise(g-DE)ユニットには、300名を超えるメンバーが在籍しており、現在はユニットにおける人材育成を担当しています。新卒の方など、新しくSAPを学ばれる方向けの研修の企画・運営であったり、デロイト トーマツ全体に向けても、SAP人材育成のためにイーラーニングを作成したり、学習用の環境を提供したりしています。デロイト トーマツにおけるSAP人材育成プログラムは2年前から開始されたのですが、SAPのトレーニングを受講して認定資格を取得した方は、これまでに200人以上。他の部署でもSAPに関わる案件は増えていますし、他法人でもSAPの需要は高くなっています。例えば、監査法人の方で、クライアントが会計・税務関連でSAPシステムを使っているので自分もSAPを学びたいといった声も聞きます。いまやテクノロジーは、ビジネスから切っても切り離せないものになっているので、業務視点からテクノロジーを学びたいという傾向はこれからますます高まっていくのではないでしょうか。
中高と一貫して合唱部で部長を務めていたのですが、私の学校は全国コンクールにも出場するような強豪校で、当時は自分がチームを引っ張っていかなきゃ!と必死だったのをよく覚えています。おそらく私は責任感が強い方で、昔から何でも自分でこなそうと抱えこみすぎて動けなくなってしまうこともしばしば。これは家庭でも仕事でも時たま起こる、私のあるあるです。笑 なので周りのサポートをうまく得ていくことが肝心と、常日頃から肝に銘じています。
いまは社内のフレキシブルワーキングプログラムを活用して繁忙期以外は残業時間無しで働いています。仕事を片付けて、家事をこなして、子どもと遊んで、一日が本当にあっという間です。特にコロナ渦は大変でしたね。保育園は休園になるし、子どもを預ける先がない。会社のベビーシッター補助も使用しながら、当時は仕方なくベビーシッターを利用していたのですが、今でも仕事の調整が難しいときは無理せず、子どもを預かってもらっています。あとは、掃除などの家事を外注することも。昔の自分からは考えられなかった変化ですが、頼れるところは頼って、家庭と仕事の合間にゆとりを生んでいくことが大事だと思います。
一人で抱え込みすぎるとどうなるか、というエピソードがあります。とあるプロジェクトで、チームを引っ張っていきたいという強い気持ちを持つ一方、メンバーと期待値をうまくすり合わせることが出来ず、もどかしさを感じたことがありました。もっと質を高めたいという思いでレビューの回数が増えていき、だんだんと残業時間も増えていって。今振り返ると、メンバーにもやりづらさを与えていたかもしれません。残業が増えると家事がおろそかになって週末もゆっくりできないし、本当に悪循環でした。その時は、結局上司に相談して、体制を見直してもらうことになりました。誰かに協力を求める、というのは仕事においても必要な選択肢だと思いますし、何よりチームとして動くことの大切さを目の当たりにしました。家庭と仕事を両立する私にとって、貴重な価値観を与えてくれた経験になっています。
理想はジェンダーバイアスに関係なく誰もが自由に働ける社会を実現することだと思いますが、女性はまだ何かと制約をうけやすい現状があると思うので、会社として何か働きかけができればと思います。私自身、安定したキャリアを求めてテクノロジー領域に足を踏み入れており、テクノロジーはある意味手堅い仕事だと考えています。とある友人は、子育て等のライフイベントで一度会社を辞めたあとも、テクノロジー経験があったおかげで復職しやすかったと語っていました。手堅い仕事を持っていると精神的な安定にもなりますし、そういった体験談も広めていって、テクノロジーキャリアが女性の職業を考える上での選択肢の一つに考えてもらえるようになれば嬉しいです。Women in SAPの活動を通して、そういった働きかけのサポートをしたいと思います。