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DTFAアラムナイ対面イベント:パネルディスカッションレポート

アラムナイが語る、DTFAが強いファームであり続けるために必要なこととは

2023年9月26日、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下、DTFA)は、現役社職員とアラムナイが参加するイベントを開催しました。イベントの第二部では、3名のアラムナイと2名の現役社職員がパネルディスカッションを実施。卒業後に役立ったDTFAでの経験や、アラムナイだからこそDTFAに期待することなどを語りました。

【プロフィール】登壇者

■クロッシアパートナーズ株式会社 代表取締役 秋山順(あきやま・じゅん)さん
2001年、有限責任監査法人トーマツに入社し、2006年よりDTFAに参画。M&A、組織再編アドバイザリー等、幅広い業務に従事し、その後デロイト シンガポールに出向。M&Aアドバイザリー部門の日本企業案件担当としてサービスを牽引する。2017年に退職し、クロッシア パートナーズ株式会社を設立。

■合同会社FPC Accounting 代表社員 三村貴裕(みむら・たかひろ)さん
1999年10月より監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)に入社、2009年より再生系コンサルティングファームを経験。2013年にDTFAに参画し地域創生、企業再生業務に従事。2020年に退職し、公認会計士三村貴裕事務所を開設、合同会社FPC(現 合同会社FPC Accounting)入社。2021年10月より現職。

■エンデバー・ユナイテッド株式会社 マネージングディレクター 中原慎一郎(なかはら・しんいちろう)さん
Big4にて会計監査業務に従事した後、M&A・事業再生に関する各種トランザクション支援業務に従事後、大手総研での戦略企画業務を経て、2012年にDTFAに参画。事業再生・再編支援業務に従事する。2016年に退職し、エンデバー・ユナイテッド株式会社に入社。

■モデレーター
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
パートナー 山西顕裕(やまにし・あきひろ)さん
シニアヴァイスプレジデント   福田彰子(ふくだ・あきこ)さん

(写真左から)秋山順さん、三村貴裕さん、中原慎一郎さん

 

卒業後に役立ったDTFAでの経験

福田さん:秋山さん、三村さん、中原さん、本日はよろしくお願いします。みなさんDTFAでさまざまなご経験をされていますが、まずは卒業後にチャレンジングだったこと、卒業後に役立ったDTFAでの経験、この2点を教えてください。

秋山さん:独立すると、さまざまな尺度で経営を行っていく必要がありますが、品質の高いプラクティスとは何かを理解したうえで、業務を作り上げていくことができるのはデロイト トーマツにいたおかげだと感じています。
チャレンジングだったことは、1つはマーケティングです。会社の認知度がまだまだ低いので、新規のお客様に当社を理解してもらうまでに時間がかかり、サービスとそれに対する価格を説明することに難しさを感じています。もう1つは人事です。会社の規模を大きくしていくにあたって人材の採用が必要ですが、入社された方のその後のキャリアパスまで考えて採用できるようなファームになるには、相当時間がかかると思います。人を増やして組織を作っていくことの難しさを日々感じています。

三村さん:デロイト トーマツでの経験が役立ったのは、独立した直後にデロイト トーマツの大先輩から引き継いだ顧問業務でのこと。その会社は非上場で、ものすごく優良な財務でした。しかし顧問を引き継いだ直後、その会社の存亡を揺るがすようなインシデントが起きました。私は社外の立場でしたが、業界に詳しい弁護士や第三者調査の担当をアサインするなど、クライシスの初動対応をすることができました。それはDTFAで現場の案件を経験させてもらったおかげです。さらにありがたかったと思うのは、在籍していた頃の人の輪がつながって今、仕事になっていること。当時築いた信頼関係が、今につながっています。

中原さん:DTFAはクライアントに価値を提供しその対価をもらうというビジネスでしたが、今いる投資ファンドは、会社を仕入れて価値を高め、その利益を得るビジネスです。私にとってはその違いが根本的にハードルが高く、チャレンジングでした。新しい環境にアジャストしていく中で、自分を支えてしてくれたのが、DTFAでいろんなプロダクトに触れた経験でした。在籍当時、私はたまたま部門の仕事だけではなく、いろんな仕事を経験する機会に恵まれました。カーブアウトのP/L、B/Sを作ってみたり、FAのアドバイスをしたり、バリュエーションのモデルを作ってみたり……そうした経験がその後の自分の技術面をサポートしてくれました。

(写真左から)福田彰子さん、山西顕裕さん

 

若手社員へのアドバイス

山西さん:DTFAの現役社職員、特に若手の方々に対してアドバイスやメッセージをお願いします。

中原さん:私からは2つ。1つは、複数ポジションを守れるようになりましょう。DTFAにいると部門の仕事を通じて専門性を身につけることが目標になると思いますが、外に出た時に自分に価値が生まれるには、別の要素も必要です。会社としては回り道になるかもしれませんが、違う部門の仕事をしてみたり、違うプロダクトを恐る恐る触ってみたり、そういう経験をしておくと次のフェーズに行った時に自分を助けてくれます。
もう1つは、プロダクトのクオリティが高いのは当然なので、「またお願いしたい」と思ってもらえるようなコミュニケーションをとること。これは現在パートナーの方の仕事ですが、若手もクライアントが「何を大事にしてるのか」「何がやりたいのか」「何に困っているのか」に関わってみる。それをやっていくと、クライアントも「同じ方向を向いてくれている」と感じますし、自分がSVPやパートナーになった時にも役立つはずです。

三村さん:まずは目の前の案件に、1個1個全力投球していくしかないと思います。若手のみなさんも思い描くキャリアはあるけれど、自分で配属が選べないというジレンマがあるかもしれません。私も在籍中は、事業再生のプロフェッショナルだという自覚を持ってやってきたのですが、ある日突然現場から外れ、Deloitte Privateの立ち上げに約1年携わりました。全く売り上げが作れず「事業再生の人間が、なんでオーナー向け富裕層ビジネスを立ち上げるんだ」「本当に辞めよう」と何回も思いました。でも今携わっている事業承継案件で、当時の経験がかなり生きています。将来何があるかわからないので、とにかく今できることをがんばってほしいです。

山西さん:どんな経験も無駄にならないということですね。

秋山さん:ファームとは、プロフェッショナルが集まる場所。会社というよりも、プロフェッショナルが集まって、いろんなものを提供しあったり、外とのつながりを持ったりする場だと考えています。だから出たり入ったりしてもいいし、「ファームを使い倒す」と考えて、人脈を作ったりスキルを身に着けたりして、キャリアアップしてもらえばと思います。
また最近の若い子たちは将来のビジョンを明確に持っていて、本当に真面目な人が多いと感じます。ただ、焦って短期的にキャリアを積んでいくよりも、3年〜5年の期間を1つのタームとして捉えて、その中で1つずつ自分のできることを増やしていく方がいいと思体幹います。僕は大学を卒業して20年ほど経ちますが「まだ20年も働かないといけないのか」と思うこともありますよ。だから、ゆっくり体幹を作っていくようなイメージで過ごしてもいいのかなと。

山西さん:自分の幹になるようなスキルをしっかり作った方が役に立つということですね。

 

アラムナイがDTFAに期待すること

山西さん:アラムナイの立場から、DTFAに対して、それからアラムナイ・コミュニティに対して期待することを教えてください。

三村さん:やっぱりDTFAには案件のクオリティで負けてほしくありません。SVP・VPの方々は大変だと思いますし、競合もいますけれども、「DTFAに頼んで本当によかった」と言ってもらえるような存在であり続けてほしいです。
アラムナイ・コミュニティには、今日のようなアラムナイ同士が交流する機会を、今後も継続的にいただければありがたいです。今日のイベントで、たくさんの方と数年ぶりにお話しすることができました。

秋山さん:DTFAには、いろんなサービス、いろんなキャリアを作る場を提供するようなファームであってほしいです。アラムナイ・コミュニティについては、部会を立ち上げてもいいと思います。仕事になること、ならないこと、なんでもいいので、アラムナイネットワークを使って、気軽に集まりたい人が集まれるような場を作ってもらいたいです。最後に、うちにも仕事ください(笑)。

一同:(笑)。

中原さん:お客さんから見た時に、Big4あるいはDTFAに仕事を頼むというのは、ちょっといいレストランに行くようなもの。レストランに行く側としては、おいしい料理が出てくるのは当たり前なんです。最近、弊社のファンドのエグジットのサポートをDTFAにお願いしたのですが、改めてDTFAのプロダクトは非常に洗練されていて、とことん詰められたものだと感じました。実際、成功裏に終わりました。でもそれだけだと「次も絶対DTFAに」とはなりません。「またお願いしたい」と思ったのは、仕事が終わった後のこと。クロージングした後に若干トラブルがあると報告を受けましたが、それも普通では配慮がきかないような特別なケアをしながら鎮めてくれました。「これだったら、また助けてほしいな」って感じたんです。こういう差別化された体験ができると、DTFAはきっと強いファームであり続けると思います。
もう1つ期待することとしては、人材の輩出源であること。若手のみなさんがいろんな経験を積んで、ぜひ投資ファンドも今後のキャリアの選択肢の1つに考えてもらえるとありがたいです。

 

 

会場からの質問

ーー今ご自身がされている仕事の中で、どんな点におもしろさや喜びを感じますか。

中原さん:DTFAでは、クライアントに提供した価値に対してフィーが返ってきます。ある時には炎上したり徹夜したりもするけれど、いい分析やいいアドバイスができれば、その対価がもらえるというのが喜びでした。今はそれとは違って、仕入れた会社を高値で旅立たせるビジネスなので、かけた時間は必ずしも比例しません。自分のアイデアなど、無形の部分にとんでもない価格がつく、そういう楽しさや大変さがあります。

三村さん:私は中小企業案件がほとんどで、基本的には社長を相手に仕事しています。社外の立場からですが、その会社の経営にかなり深く踏み込めます。また正直なところ、最近は仕事を断ることもできるので「本当に信頼できる社長とだけ仕事をしていけばいいんだ」という気持ちで仕事をやれることが、やりがいですね。

秋山さん:独立してよかったなと思うのは、業務のスコープや報酬、チームアップなどが非常に柔軟にできるようになったことです。例えば、海外の会社のデューデリジェンスをやるとなった時、規模が小さいとBig4を使うのは難しいのですが、現地のTier 2の会計事務所を使ったり、中小の弁護士事務所を使ったりと、柔軟に業務が設計できるようになりました。自分がやりたい方向性とも合っていると感じます。

山西さん:みなさん、ありがとうございました。先ほど秋山さんがおっしゃった「ファームとは、プロフェッショナルが集まる場」。これを聞いて、DTFAアラムナイもプロフェッショナルが集まっている場なんだと思いました。DTFAというプラットホームと、アラムナイというプラットホーム、両者が掛け合わさると、もっといろんなことが生まれるはずです。DTFAとアラムナイとの間でビジネスが生まれたり、アラムナイ同士でビジネスが生まれたり、アラムナイからデロイト トーマツに戻ったり、そういうことも全然あっていいと思います。今度も魅力的なプラットホームであり続けるように、我々現役生もそういう活動を進めていきます。アラムナイのみなさんにも、ぜひご参加いただけたらうれしいです。

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