ニュースリリース

2020 デロイト グローバル自動車消費者意識調査 世界中で電気自動車(EV)への関心が上昇

自動車産業を変革する「CASE」に関して、日本、米国、ドイツ、中国、インド、韓国の6ヶ国18,000人以上の消費者調査結果

2020年4月14日

デロイト トーマツ グループ(本社:東京都千代田区 CEO:永田高士)は自動車産業を変革する「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」に関する、日本、米国、ドイツ、中国、インド、韓国の6ヶ国18,000人以上の消費者調査結果をまとめたレポート「2020 デロイト グローバル自動車消費者意識調査」を発表します。

本レポートは、変化し続ける自動車産業を取り巻く環境、ヒト・モノの移動に関する消費者意識を調査するため、デロイトがグローバルで2010年より実施している「Deloitte Global Automotive Consumer Study」の最新版調査(調査対象20ヶ国35,000人超)から主要6ヶ国の調査結果をまとめたものです。レポートは、CASEに対する消費者の関心や期待を定量的に示し、日本企業の事業戦略及び投資領域の優先付け、より適切な自社のポジショニング再考に資する分析を行うことを目的としています。

レポート本文は下記よりダウンロードできます。
また、調査レポートの動画(英語)をこちらのリンク先で配信しておりますのであわせてご覧ください。

ニュースリリース全文, PDF, 426KB

「CASE」それぞれの観点における調査結果のポイント

コネクテッド(C):プライバシー、データセキュリティに関する懸念

コネクテッド技術に関する消費者意識は国によって大きく異なります。クルマのコネクティビティ向上により享受できる便益について有益と感じている消費者は、日本では約半数(49%)となっています。一方で、インド(80%)、中国(76%)は、ドイツの2倍以上の高い割合で「有益」と感じています。(図1)

また、クルマにより生体情報が収集・共有されることについては、インド(69%)に次いでドイツ(62%)、米国(59%)で多くの消費者が高い懸念を示しています。調査結果では運転状況や車両コンディションなどドライバー支援に資する情報の共有については寛容なものの、生体情報や位置情報など個人を特定する情報の共有には懸念があることが示されています。ただし、日本で生体情報の収集・共有に懸念を示す割合は相対的に低い(40%)結果となっています。(レポートP.7)

その上で、日本の消費者は他国と異なり、コネクテッドカーにより生成・共有されるデータの管理者としての自動車メーカー(OEM)に対する信頼が高い結果となっています。(レポートP.7)コネクテッドについて日本国内では自動車メーカーが中心となり、消費者が自身の情報を共有することにより便益を実感できる仕組みを作り、周知していく必要があることが示唆されます。

2020 デロイト グローバル 自動車消費者意識調査 (PDF, 1.1MB)
図1:クルマのコネクティビティ向上が有益であると感じる消費者の割合
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自動運転(A):自動運転車への不安感の払しょくは停滞

自動運転車の安全性に対して懸念を示す消費者の割合は、日本(47%)や韓国(46%)において2018年の調査と比較して10ポイント程度低下した一方、インド(58%)、中国(35%)では逆に10ポイント程度上昇しています。(図2)昨年比で言えば日本や韓国も微減であり、他国の状況も踏まえれば、不安感の払しょくは停滞していると言えます。背景の一つとして、近年の自動運転車両事故の報道が、各国で自動運転技術に対する警戒心に影響を及ぼしています。

その上で、日本の消費者は完全自動運転車の市場投入においても、他国と比較して突出して、既存の自動車メーカーを最も信頼できると回答しています。ただし、3年間の推移で見た場合、日本においてもテクノロジー企業等、他のプレイヤーへの信頼度が急速に高まりを見せつつあります。(レポートP.11~12)

今後、自動運転が安心感を醸成するためには、新旧プレイヤーが集結し、互いに強みのある領域における英知と信頼を融合させ、自動運転車両が交通事故を回避し、高速道路をトラックと共に安全に走行でき、クルマがハッキングされずに使用できるものであることを示す必要があります。さらに、政府が安心・安全な自動運転車であることの認証を行うことが消費者の懸念の払拭に有用であることが調査より示唆されます。

図2:自動運転車は安全ではないことに同意する消費者の割合
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図3:自動運転車に関する事故の報道により、技術への警戒心が高まっていると感じている消費者の割合
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シェアリング(S):消費者は依然としてマルチモーダル・モビリティに抵抗感

配車サービスを「全く利用しない」人の割合は2017年の調査と比較して各国で減少し、サービスの浸透がうかがえる結果となりました。大半が利用するインド・中国を筆頭に米国・韓国でも6割強が利用しており、日本においても2割強まで利用割合が拡大しています。(図4)

配車サービスの利用メリットについては、所有コストや駐車場確保・駐車料金といった金銭的コスト面を挙げる回答と、乗車中にいろいろなことができるとする時間活用の側面を挙げる回答が多く、他に飲酒運転の心配がない、環境に優しい、といった社会問題に関連する回答が上がる結果となりました。(図5)

こうした配車サービスを利用する事により得られるメリットが広く理解され、実感されていくことにより徐々に配車サービスへの志向、ひいてはマルチモーダル・モビリティへのニーズも高まっていくものと思われます。

図4:配車サービスの利用頻度
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図5:配車サービスを利用するメリット上位3件(2019年)
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電動化(E):世界中で電気自動車(EV)への関心は上昇

EV導入に対する障壁は依然あるものの、消費者の保有するクルマとしての期待は高まっています。内燃機関車(ガソリン・ディーゼル車)を嗜好する米国であってもハイブリッド車(HEV)、純電気自動車(BEV)等代替パワートレインの嗜好は昨年調査と比較し12%上昇しており、他国も同様の結果となっています。日本は世界的に見ても代替パワートレイン嗜好が高く、前年比4%上昇しています。

HEV, BEVの主な購入検討要因はどの国でも大多数が「低排出ガス」と「低ランニングコスト」であることに変わりはありません。またBEVの三大購入障壁のひとつに挙げられる走行距離は、大多数が今だ実際の平均走行距離より大幅に長いことを期待している状況です。一方で、充電時間については多くの消費者が少なくとも30分要することを寛容しています。

これらを踏まえて自動車メーカー及び政府は、消費者に対して車両性能や充電インフラ状況の効果的な訴求を行う必要があります。

図6:次のクルマに搭載されるパワートレインに対する消費者の嗜好
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消費者にとっての理想的なモビリティシステムの構築には、単一企業の努力では成り立ちません。安心・安全な移動手段の確立、移動環境における地域格差の是正、生活者にとってのより豊かな環境を、異業種連携及び産官学が一体になり、日本全体で構築していく事が求められています。

 

デロイト トーマツ グループは、日本最大規模のプロフェッショナルサービスファームとして有する圧倒的な専門性・総合力と、データ・アナリティクスやデジタル・テクノロジーに関する最先端の実践的知見を融合することで、経済社会や産業の将来像を指し示し、その実現に必要とされる経営変革と社会イノベーションを加速させる「経済社会の変革のカタリスト」となることを目指しています。

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デロイト トーマツ グループ広報担当 高橋、青堀
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