デロイト トーマツ、中堅企業調査、成長への課題は「人的資本」や「市場開拓」、「戦略」の不足が2割強 ブックマークが追加されました
ニュースリリース
デロイト トーマツ、中堅企業調査、成長への課題は「人的資本」や「市場開拓」、「戦略」の不足が2割強
中堅企業を中心としたミドルマーケット企業群の経営幹部629名が回答し、その多くが「成長意欲がありつつも実現できていない」と認識。
2025年1月8日
デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、グループCEO:木村研一、以下「デロイト トーマツ」)は、中堅企業を中心としたミドルマーケット企業群(以下「中堅企業群」)の成長への意識や阻害要因を把握することを目的に、売上高1,000億~5,000億円の企業経営者・取締役・役員・部長クラスなど経営幹部を対象に、「成長への課題」に関する調査を実施しました。調査は2024年8月に実施し、629名から回答を得ています。
政府は2024年9月施行の改正産業競争力強化法に基づき、新たに「中堅企業者*1」を定義し、国内で事業・投資を拡大し、地域での賃上げにも貢献している重要な存在として、今後支援を強化して成長力を一段と引き出すことで、日本全体の産業競争力向上につなげることを表明しています。本調査は、新たな日本経済成長の軸となる中堅企業群に焦点を当てた、デロイト トーマツ初の本格的調査・分析となります。
*1 中堅企業者・・・中小企業者を除く従業員数2,000人以下の企業
本調査では、中堅企業群幹部の2割強が「人材採用・育成」や「新規市場の開拓」、「戦略的リーダーシップ」が不足していると認識しており、人的資本の整備や挑戦する社風の創出が政策支援の課題になり得ることが明らかになりました。
【主な調査結果】
■自社を「成長期」にあると認識している割合は1割強。約8割が「安定期(成熟期)」、「変革期(衰退/再成長期)」。多くの中堅企業群幹部が「成長意欲がありつつも実現できていない」と認識。
今回の調査によって、中堅企業群では多くの経営幹部が自社を「安定期(成熟期)」、あるいは衰退し再成長が求められる「変革期(衰退/再成長期)」にあると考えていることが明らかになりました。(図表1)
図表1
「市場ニーズの把握」や「人材の充実」、「社内モチベーションが高い/向上」など6つの経営アジェンダについて重要度と現状を聞いたところ、いずれも「重要である」が8割を超えました。しかし、現下の実現状況については「人材の充実」が23.2%にとどまったほか、「社内モチベーションが高い/向上」が33.2%、「挑戦する・チャレンジする文化がある」が44.3%と低い水準でした。(図表2)
図表2
以上の結果からは、中堅企業群の多くの幹部が、成長意欲がありつつも実現できていないと認識していることや、人材活用や意識改革など人的資本面の対応に課題があることが浮き彫りとなりました。
■成長に向けた要素で不足しているのは、「人材の採用・育成と管理」(25.8%)が最多。人的資本に関わる項目が上位。
企業成長に重要な要素について勤務先が実行できていないことを聞いたところ、「人材の採用・育成と管理」(1位、25.8%)や「戦略的リーダーシップ」(3位、23.9%)、「データ分析・意思決定の強化」(5位、21.4%)など人的資本に関わる項目が上位を占めました。これら以外では、「新規市場の開拓」(2位、24.0%)、「M&A」(4位、22.7%)、「国際展開とグローバル市場の開拓」(6位、20.7%)、「製品・サービスのイノベーション」(7位、20.0%)市場開拓や戦略に関わる項目がそれぞれ2割以上となりました。(図表3)
図表3
企業の成長を阻害する要素について対処できていないことを聞いたところ、「人材不足・不適切な人材配置」(26.2%)、「リーダーシップの不足」(18.2%)、「モチベーティブな人事評価・人事制度になっていない」(18.1%)、「少子高齢化による人材確保の高難易度化」(16.3%)が上位となり、この点でも人的資本に関する項目が目立つ結果となりました。
■政府からの支援は「補助金や助成金の提供」が51%で突出。期待/必要とする支援も「補助金・税制面の優遇」に関する回答が多数。
政府から現在受けているサポートについて聞いたところ、「補助金や助成金の提供」(51.0%)が突出して高い結果となりました。次いで「税額控除」(18.3%)、「海外展開支援」(16.8%)が挙がりました。経済団体からのサポートでは「法的アドバイス」(24.0%)、「補助金や助成金の提供」(23.6%)、「ビジネススキル向上のためのトレーニングやセミナー」(22.7%)が上位を占めました。(図表4、図表5)
図表4
図表5
今後期待する支援策を答えてもらったところ、「補助金・助成金」、「申請の簡素化・デジタル化」のほか「規制緩和」や「業界全体の底上げ」、「人材確保・流動化」、「海外展開支援」などが挙げられており、包括的な支援が期待されています。
今回の調査では、中堅企業群の経営幹部の多くが「人材の採用・育成と管理」など人的資本の拡充を筆頭に、「新規市場の開拓」や「データ活用」、「M&A」などを課題と認識していることが明らかになりました。中堅企業群が安定・停滞期を乗り越え、成長を加速するには、事業開発やイノベーション、社員の意識改革を含む「挑戦」を支援することが重要です。2025年は政府や自治体、経済団体などのサポートが本格化し、補助金・助成金に加え、人材確保・流動化や海外展開・M&A・事業計画の策定といった幅広い支援が期待されています。
デロイト トーマツは、本調査で明らかになった中堅企業群の課題に対応するため、事業計画の策定や人的資本の活用に関する専門家を中心に、1,000人体制で中堅企業に対する新規事業・イノベーション支援や資金調達、M&A、新規・海外市場の開拓など包括的なサービスを提供してまいります。中堅企業支援にあたっては、デロイト トーマツ が有する、財務・会計、税務、リスクなどのプロフェッショナルサービスのほか、テクノロジー、生命科学などのビジネス分野の知見を活用しながら、自治体や地域金融機関との連携も進めます。
調査目的 |
中堅企業における成長への意識と成長の阻害要因を把握する |
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調査手法 |
Web調査 |
調査対象およびサンプル数 |
<SCR*2配信条件>
または
合計 18,364サンプル <本調査対象者条件>
かつ
割付 629サンプル *2 調査対象者の条件抽出をするために、本調査に先駆けて行う事前調査 |
調査実施日 |
2024年8月7日(水)~2024年8月9日(金) |
<報道機関の方からの問い合わせ先>
デロイト トーマツ グループ 広報担当 井村、菊池
Tel: 03-6213-3210 Email: press-release@tohmatsu.co.jp
デロイト トーマツ グループは、日本におけるデロイト アジア パシフィック リミテッドおよびデロイトネットワークのメンバーであるデロイト トーマツ合同会社ならびにそのグループ法人(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ税理士法人、DT弁護士法人およびデロイト トーマツ グループ合同会社を含む)の総称です。デロイト トーマツ グループは、日本で最大級のプロフェッショナルグループのひとつであり、各法人がそれぞれの適用法令に従い、監査・保証業務、リスクアドバイザリー、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、税務、法務等を提供しています。また、国内約30都市に約2万人の専門家を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はデロイト トーマツ グループWebサイト、(www.deloitte.com/jp)をご覧ください。
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