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デロイト トーマツ ノード(D.Node)社長インタビュー

2021年10月にデロイト トーマツ グループのITスペシャリスト集団として設立された背景や、特徴、求める人材ををお話しします。D.Nodeは全員がフルリモートワークをしながら、クライアント企業のビジネス戦略をテクノロジー観点から支援する専門部隊です。

Q. 設立の経緯やD.Nodeの特徴を教えてください。

A. 設立の経緯や背景からお話しします。これにはデロイト トーマツ グループの「End to End」戦略が関係しています。

デロイト トーマツ グループには、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社(以下、DTC)というコンサルティング会社があります。コンサルティング会社の多くはクライアントの戦略構想は作るものの、それを実現するための仕組みの構築についてはベンダーに依頼するというケースが少なくありません。

昨今、VUCA(ブーカ)の時代と呼ばれ、社会情勢が急激に変化し先が見えない状況になっています。ビジネスにも急激な変化が求められており、戦略策定から実現までをこれまで以上にスピーディーに行う必要が出てきています。

そこでDTCでは、最上流となる戦略構想を描くだけでなく、実際のオペレーションに落とし込み、それらを実際に実行していくところまでEnd to Endでクライアント企業を支援しようとしています。そのためにはデロイト トーマツ グループ内に戦略を実現するための仕組みを構築できる専門部隊が必要になります。その一翼を担っているのがD.Nodeなのです。

デロイト トーマツ グループは、そのような専門部隊をいくつか持っていますがD.Nodeは、主に戦略的なテーマを扱っており、まだ存在していないものを具現化するための活動をしています。

もう少し詳しく説明すると、コンサルティング会社が実装まで行う場合、多くはテンプレートモデルを採用しており、①あるショーケースを分析し、②勝ち筋をモデル化し、③他の企業に展開していく——というケースがほとんどです。そのため、パッケージ製品のテンプレートを増やしながらビジネスを成長させています。

しかしこの方法では、「新しい取り組み」や「答えがないこと」には適応できません。新しい取り組みや答えがないことに取り組むためには、ビジネス課題を解決するための戦略や企画の策定と、それを実現するための仕組み、システムをゼロから構築できる部隊が必要になります。

DTCとD.Nodeを組み合わせれば、そういった課題を持つクライアントに対しても価値を提供することができるのです。DTCと密に連携しながら、クライアントに価値を提供できるのが、他のシステムインテグレーターとの大きな違いといえるでしょう。

実際、D.Nodeのエンジニアは案件ごとにその実力を発揮し、必要な仕組みを作っています。こういったエンジニア企業は国内でも非常に少ないと思います。非常にとがった集団ですが、他社では対応できない価値創出を行うことができる点が強みになっています。

Q. 具体的にはどういったエンジニアを求めていますか?

A. すでに技術を持っていることが大前提となります。ソースコードを触ったことがない、プログラムを書いたことがないという人は、やはり通用しないでしょう。ITの世界では、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)を学び、幅を利かせるといった生き方もあります。そういった人たちは企画やプロジェクトの推進はできるかもしれませんが、「ものづくり」はできません。我々は手を動かし、イノベーションを実際に起こしているエンジニアに焦点を当てていきたいと考えています。

D.Nodeは、デロイトグループの実装部隊となります。デロイトブランドのエンジニアリング企業ですが、常にクオリティの高いアウトプットを出し切ることができるエンジニア集団でもあります。それが市場からの期待ですし、私たちが目指すところでもあります。

具体的なスキルとしては、何かしら技術に「こだわり」がある、「やりきったもの」を持っているといったところでしょうか。これについては、正直なんでもいいと思っています。メンバーそれぞれに専門性や秀でた部分があるということがチームプレーに欠かせない要素だからです。

プロジェクトを組成するときには、様々なスキルセットを持ったメンバーが集まり、チームを作ります。サッカーであれば、フォワード、ディフェンダー、キーパーのように、異なる技術や専門性をもったメンバーが集まることで、チームプレーが成り立ちます。

そういった意味でも何かに秀でている人、専門性がある人にぜひジョインしていただきたいと思います。

また、「いかにしてブラックボックスをなくす努力をしてきたか」ということも重視しています。

あるプロダクトに精通していなくても、仕様を満たすために必要な技術やアーキテクチャについて本質的に分かっている人であれば、応用も効き、普遍性も高くなると思っています。そういった努力をしてきたこと、追求していることが何より重要だと思います。そのような技術的なスキルセットと「経験」を持ち合わせているという人は、ぜひD.Nodeで活躍してほしいですね。

マインド面でいうと、そういったことを自分だけの手柄にするのではなく、「チーム」に還元していくということも必要かもしれません。一人でやれることには限界がありますし、チームの組織力はメンバーの総和以上にはなりません。そう考えると、チームメイト同士でお互い研鑽しあうことでより強くなれる。時には耳が痛いことも聞いたり言ったりしなければいけない場合もあるでしょうが、チームプレイには欠かせない要素だと思います。

会社の仕組みとしても評価制度の中に360度評価を織り込み、メンバーをリスペクトしながら、お互いが向上できる環境を作っていきたいですね。

Q. D.Nodeが目指す世界について聞かせてください。

A. 1つは、エンジニア同士が相互研鑽するということでしょうか。我々は、エンジニアである前にビジネスマンであり、デロイトの一員です。そういった中で認められるには、さまざまなニーズを掴み、それに対して柔軟に変化していくことが必要となるでしょう。

たとえば、現在はクラウドがトレンドであるため、クラウドの知識や技術があれば仕事にはなります。しかし近い将来、差別要素ではなく当たり前の技術になるはずです。

トレンドや必要とされる技術要素も大きく変わっていく中、エンジニアは自分自身が常に成長することはもちろん、ビジネス的な感覚を持ち合わせていく必要があるでしょう。D.Nodeでは、メンバー同士が研鑽することで、それぞれの成長を遂げていけるようにしていきたいと考えています。

もう1つが「働き方の自由度」を上げていきたいということ。これまでの日本型の働き方では、家庭の事情で働き続けることが難しいというケースや、住む場所を好きに決めることができないというケースも多かったと思います。

一方D.Nodeでは、フルリモートで働くことができるため、どこに住んでいても高いパフォーマンスで仕事ができるような環境を提供しています。

実際、地方から離れることができず、実力があっても腕をふるえないエンジニアも少なくありません。しかしフルリモートにすることで、それぞれの家庭の条件をクリアしながらもグローバルレベルの仕事をすることができる。とても理にかなった方法だと思います。

実際D.Nodeのメンバーは、北海道から九州まで色々な地域から仕事をしています。こういった働き方ができるのもD.Nodeならではだと思います。

デロイト トーマツ ブランドのもと、グローバル企業から色々な要望があり、ビジネスや技術を磨くステージが用意されています。腕に覚えがあるエンジニアや将来経営を目指したいという人も、ぜひチャレンジしていただきたいと思っています。

Q. どういった働き方やカルチャーを作っていきたいですか?

A. 究極的には、エンジニア自身がコンサルティングを手掛け、お客様に付加価値を届けるということだと思います。

ビジネスの世界で先を読むのは難しい。市場ではAI等への期待も高まっていますが、過去の実績から統計的に見ることしかできません。AIを使ったとしても実績がないことの予測はできないのです。

ではどうすればいいのか。それに対する唯一の打ち手は、「速やかに試してみる」ということです。試しながら予測があっているかどうかを確認し、違っている場合には速やかに修正する。変化が激しい時代だからこそ、スピードが何より重要になるのです。

現在、コンサル部隊とエンジニア部隊の混成で活動をしていますが、部隊間の情報連携などで多少なりとも時間のオーバーヘッドが生じています。しかし戦略的なテーマを手掛けるエンジニアが経験を積むことで、お客様の戦略をタイムロスなしで実現できるようになると考えています。そういったスピード感が実現できるようになれば、D.Nodeの競争優位性をより確立できるでしょう。

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