最新動向/市場予測

Consumer Behavior in 2030

メガトレンドを踏まえた消費者の変化を予測

テクノロジーの進展や、消費者の健康意識の高まりなどのメガトレンドは、消費者や消費のあり方をどのように変化させるのでしょうか。デロイト トーマツ グループでは、企業が中長期的なビジネスモデルを検討する際の素材として活用いただくことを想定し、将来の消費者の生活シーンを具体的に描いた動画を作成しました。

2030年消費者像

デロイト トーマツ グループでは、技術動向や消費者意識変化等、メガトレンドから予測し得る消費者の変化について議論を重ね、2030年の消費者像を描いた動画にまとめました。

この取り組みの背景には、消費者の生活シーンを具体的に見える化することで、クライアント企業における「顧客志向」の意識醸成を後押しするだけでなく、将来的な顧客ニーズに対する社内コンセンサスの形成、それに基づく中長期的なイノベーションアイデアの創出に寄与したいとの考えがあります。

動画の中で描かれている消費者の将来像は、その背景にある意味合いや想定される既存ビジネスモデルへの影響、企業として対応すべき方向性を議論するための素地となるものです。ぜひ、貴社内でのビジネスにおける将来的な課題感の醸成、中計策定や新規事業戦略立案などにおける前提条件の整理や討議を活性化させるための1つの素材として本動画をご活用ください。

 

消費者変化から注目すべき7つのキーワード

本動画は、メガトレンドから導かれる7つのキーワードをベースに作成しています。

  1. 健康意識・安全意識の高まりによるライフスタイル変化
  2. カスタマイズ商品の拡大
  3. 新たな原料への受容性変化
  4. 購買意思決定要因の変化
  5. コト消費のあり方変化 (およびラストワンマイルの変化)
  6. 移動手段・物流手段の劇的な変化
  7. 女性の社会進出加速~「家族」の在り方の変化

動画の中で描かれる、将来の生活シーン

■ 完全食の浸透

  • 完全な栄養構成でありながら、手作り以上の美味さ、かつ短時間を実現した完全食が普及
 

朝食に限らず、簡易な完全食を食す消費者が急増。味が飛躍的に改善したことに加え、1日に必要な栄養素の3割強を完全に取得することができるため、健康意識の高い層から支持を得る。
完全食に集中的に取り組んできた企業が、食品業界の勢力図を塗り替える存在となる。

 

■ 冷蔵庫内の可視化による購買行動変化

  • ·冷蔵庫内の在庫状況がデジタルでリアルタイムに可視化され、さらに商品在庫数量や消費予測に基づいたリコメンドも提供
  • 提供される情報を外出先からも携帯デバイスで確認することが可能

 

2030年、庫内の商品在庫を完全に把握できる冷蔵庫が、急激に普及。冷蔵庫に余分な商品が入らなくなったことから、特売などの価格訴求が効きづらい商品が増加する。

 

■ 在宅ワークの標準化が変える消費行動

  • 企業の在宅勤務導入率は8割を超過
  • ホワイトカラーの3割に在宅ワークが浸透

 

通信インフラの飛躍的な高度化と相まって、在宅ワークが急増。自宅におけるカフェ・お茶の需要が再活性化し、その形態も多様化する。
完全食などのインスタント食市場に加え、ラストワンマイルを組み込んだデリバリー事業にも多くの食品企業が参入する。

 

 ■ “より若々しく健康に”なるためのアクションが一般化

  • “より若々しく健康に”が最大の関心事と答える消費者の割合が50%以上に
  • 徒歩や自転車の通勤利用者数が増加
  • 身体データと連動したスマートグラスも一般

 

2030年、日本では65歳以上の人口が3,700万人を超え、消費者の半数は、“より若々しく健康な人生”を送ることを最も重視している。そのための時間とコストは、2020年とは比較ならないほど増加している。
コト消費・モノ消費にかかわらず、“若々しく健康”であることを適切に訴求した企業が、市場におけるより大きなポジションを築いている。

 

■ 意思決定の多くを“ゆだねる”時代へ
  「購買行動 (コミュニティWebへの参加)」

  • 参加するコミュニティWebからのリコメンド商品は、迷うことなく購買する消費者が増加
    (2030年リアル・Webが融合されたコミュニティの影響力が増大)
  • 特に、アンチエイジング関連コミュニティWebは非常に大きな影響を持つことに

 

2030年、消費者は自分が信頼するWebやコミュニティからの提案を、悩むことなく受け入れる時代になっている。商品購買の際の意思決定にかけていた時間は大幅に短縮され、消費者と特定のサービス提供者間のつながりは、ますます強固になっている。

 

■ ミレニアル世代を中心とする食事感の劇的な変化
  (タブレット食の普及)

  • 一人での食事には、短時間で簡単に済ませられるタブレットなどのクイックフーズが一般化
  • クイックフーズは事前の血液検査などのバイタルデータを活用して、完全にパーソナライズ化
  • 一方、家族・友人との食事は、より充実した内容を求める傾向に

 

特にミレニアル世代以降、食にかける時間は完全に二極化傾向にあり、ランチはタブレットやランチスティックで済ませる人が急増。その反面、大切な人との食事には、時間とコストをかける傾向が強まり、外食産業が改めて注目される状況になっている。

 

■ オケージョン最適のリコメンデーションへの進化

  • 行動や会話などの情報から、オケージョンに合わせた最適な店舗をリコメンド
    (単純な“シーン”ではなく、例えば個々人の“晴れの日”を特定したリコメンドへ)
  • リコメンドの信頼性は高く、検索から予約までの時間が飛躍的に短縮化


2030年のAIが個人に浸透した社会では、会話などから「晴れの日」までを特定し、情緒性を考慮した精度の高いリコメンドが可能となる。企業側のSEOは、2020年代とは全く異なる対応が必要となり、その対応如何によって、業績に大きな差異が生じている。

 

■ メニューのカスタマイズによる最適化

  • ウェイター・ウェイトレスはデジタルに切り替わり、個人の嗜好やオケージョンに合わせたカスタマイズメニューを自動表示
  • 消費者のオーダーが最適化されるとともに、飲食店側は、価格訴求に頼らない最適提案が可能に

 

労働人口の激減にともなう顧客サービスのデジタル化により、消費者がメニューを見る時間や流れなどが可視化される。顧客に応じた最適なメニューが提示され、値引き販売によらない最適な提案が可能になる。
メニュー提示を重要な顧客接点と捉えた企業は、商品構成や商品開発、メニュー提示方法に活用し、大きな成功を収めている。

 

■ バイタルデータを取り込んだリコメンドの一般化
  (小売店での顧客体験)

  • 購入履歴、会話情報、冷蔵庫の在庫状況等から個人に最適な商品がリコメンド
  • バイタルデータを取り込んだ個人に対し、小売店が健康管理サービスを提供

 

eコマースとリアル店舗の垣根が完全になくなり、顧客のライフスタイルを完全に反映した店舗体験が提供される時代に突入。また、ライフスタイルデータから、小売企業が健康管理までをも担う時代が本格的に到来する。

 

■ 購買時間の劇的な短縮化
  (決済の自動化)

  • チェックアウトが完全自動化され、商品選択時間を含む購買の所要時間が短縮化
  • 「ついで買い」「レジ待ち買い」といった、付属的な購買行動は激減

 

 店舗ではあらゆる「待ち時間」が圧倒的に減少する。買い物を楽しむことに、より多くの時間が使われるようになる一方、「ついで買い」「レジ待ち買い」といった余計な購買が消滅する。
セルフレジは存在しているものの、多くは自動決済の利用が可能となっている。

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