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国際会計基準審議会(IASB)及び国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が、2023年4月の会議を受けてワーク・プランの更新を公表

IAS Plus 2023.05.02  

IASB及びISSBの2023年4月に改訂されたワーク・プランでは、「IFRS会計基準の年次改善」等が追加されるとともに、「持分法」がリサーチ・アジェンダから基準設定アジェンダに移行した。

2023年4月の国際会計基準審議会(IASB)及び国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の会議を受け、ワーク・プランが前回更新された2023年3月以来、会議及びその他の進展からどのような変更があったかを理解するために、IFRS財団ウェブサイトのワーク・プランを分析した。

以下は、2023年3月27日(デロイト トーマツのWebサイト-※1)の前回の分析からワーク・プランに行われたすべての変更の分析である。

 

基準設定プロジェクト

  • 「気候関連開示」
    IFRSサステナビリティ開示基準の公表が2023年6月に予定されている(以前は2023年第2四半期)。
  • 「持分法」
    本プロジェクトはリサーチ・アジェンダから基準設定アジェンダに移行し、公開草案フェーズにあるが、予定日の記載はない。
  • 「資本の特徴を有する金融商品」
    公開草案の予定日の記載がない(以前は2023年下半期)。
  • 「全般的サステナビリティ関連開示」
    IFRSサステナビリティ開示基準の公表が2023年6月に予定されている(以前は2023年第2四半期)。
  • 「中小企業向けIFRSの包括的なレビュー第2回」
    公開草案のフィードバックが2023年6月に予定されている(以前は2023年第2四半期)。

 

メンテナンス・プロジェクト

  • 「金融商品の分類および測定の修正」
    公開草案のフィードバックが2023年第3四半期に予定されている(以前は2023年下半期)。
  • 「中小企業向けIFRSの修正-国際的な税制改革-第2の柱モデルルール」
    本プロジェクトは、公開草案の予定を2023年6月として、ワーク・プランに追加された。
  • 「IFRS会計基準の年次改善」
    6つのプロジェクトが、公開草案の予定を2023年第3四半期として、ワーク・プランに追加された。
    ・原価法(IAS第7号の修正)
    ・信用リスクの開示(IFRS第7号に付属する設例の修正)
    ・「事実上の代理人」の判定(IFRS第10号の修正)
    ・認識の中止に係る利得又は損失(IFRS第7号の修正)
    ・初度適用企業によるヘッジ会計(IFRS第1号の修正)
    ・取引価格(IFRS第9号の修正)
  • 「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール」
    IASBは受領したフィードバックを検討した。2023年5月に最終修正を公表する予定である。
  • 「交換可能性の欠如(IAS第21号の修正)」
    IFRS会計基準の修正を2023年7月に予定している(以前は2023年第3四半期)。

 

リサーチ・プロジェクト

  • 「採掘活動」
    プロジェクトの方向性の決定が2023年7月に予定されている(以前は2023年第3四半期)。
  • 「IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用後のレビュー」
    情報要請が2023年6月に予定されている(以前は2023年第2四半期)。
 

 

上記は、2023年3月27日と2023年5月2日の、IASB及びISSBのワーク・プランの忠実な比較である。

 

現在のワーク・プランについては、いつでもこちら(IFRS財団のWebサイト-英語※ 2)からアクセスできる。


》IASB及びISSBのワーク・プラン(IFRS財団のWebサイト-英語)
》Deloitteのプロジェクト・ページ(IAS Plus-英語)

 

 

※1》「国際会計基準審議会(IASB)及び国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、2023年3月の会議を受けてワーク・プランの更新を公表」(デロイト トーマツのWebサイト)
※2》 ‘Work plan’(IFRS財団のWebサイト-英語)

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