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金融犯罪リスク管理におけるAMLの課題解決に向けて
近年では、麻薬資金、詐欺、脱税といった伝統的な「金融犯罪」に加え、テロリスト活動による脅威、サイバー犯罪の増加といった社会情勢を反映、金融技術やテクノロジーの進歩と拮抗して金融犯罪の手口も巧妙化してきており、AML/CFTの対象範囲や難易度は拡大の一途にあります。今回、この難題に立ち向かうために、金融犯罪リスク管理に関する取り組みについて、目的、課題認識、課題解決の将来といった観点から考察します。
金融犯罪Financial Crimeのリスク管理とは
対象の拡大
かつては、麻薬ドラッグ関連や反社会的勢力に関連する資金移動というマネーロンダリングという定型の定義が一般的で、特定の専門部署が対処していくものとの風潮がありました。
厄介なことに、現在では、仮想通貨・暗号資産の台頭を機に、必ずしも資金移動に限定した運用ではなく価値移転を包含するものまで金融犯罪に利用され、定型の定義では規定しきれない広くて深い対象となってきています。
これまで、典型的な資金移動を請け負ってきたのは「決済」業務を寡占している金融機関であり、決済は「資金」移動と同義でした。AMLを中心とする金融犯罪リスク対応においては、「決済」が重要な位置を占めています。現在、決済の世界では、顧客利便性、スピード、コストの観点から単なる伝統的な「資金」移動だけではなく、新たな枠組みを提供するペイメント事業者が登場し、資金決済の分野だけみても、範囲も深度も拡大しており、新規ビジネス立ち上げを優先してきた新興事業者にとっては、金融犯罪リスク対応は喫緊の課題となっています。
・・・つづきは、本冊子をご覧ください。
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