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2022年の資産運用業界の見通し

より大きな影響に備えたポジショニング

パンデミックに起因して市場ではボラティリティが上昇したものの、2021年は資産運用業界にとって堅調な年となりました。2022年に向けて全体的な見通しは有望に見えますが、潜在的なCOVID-19の亜種に関する不確実性は残っています。 これは、他の多くの要因とともに、運用会社のリーダーが将来に向けて戦略を立て、ミッションステートメントを実現するための信頼できる戦術的ステップを考え出すときに、引き続き直面する挑戦となる可能性があります。 2022年に運用会社が成功を収めるかどうかは、リーダーシップのビジョン、強力な人材モデル、運用の改善、利害関係者の期待との整合、従業員の回復力、文化の強化という好循環を生み出す能力に依存するでしょう。

本レポートの「2022年の資産運用業界の見通し」より主な調査結果を以下に抜粋します。

定量化可能で透明性の高いビジネス指標の導入推進は、財務的にも社会的にもより高い成果の実現に寄与することが確認

DEI(多様性、平等性、包括性)イニシアティブの影響の定量化において高い成果をあげた回答者には、そうではない回答者と比べて、従業員のエンゲージメントと生産性が2021年初頭よりも大幅に向上したことを示唆する傾向が見受けられました。

 

人材管理の分野に機動性を導入する必要性

各社とも、職場復帰戦略の策定を進める一方で、企業文化を成熟させつつ戦略的な目標を達成するために、成功を目指した人材中心の重要なイニシアティブを同時に進めています。その中には、人事関連のコミュニケーション戦略の練り直し、定量化可能な形での企業のビジョンや目的への対応、変わりゆく要件に対応するための既存の人材のスキルアップ、スタッフのレジリエンス、M&Aやアウトソーシングの利用などが含まれます。

 

デジタルトランスフォーメーションの成果は上がっている

投資実行前の段階でAIベースのソリューションを利用する回答者の大多数(85%)は、AIがアルファ創出に貢献することについて「強く同意する」または「同意する」と回答しています。回答者の4分の3近くが、今後12~18カ月間にAIなどのアルファ創出テクノロジー向けの予算を増額すると回答しています。これにはNLP/Gや代替データが含まれます。アルファ創出を可能にする要因の組み合わせがありますが、調査結果によると、「アルファの創出能力」と「従業員のエンゲージメントと生産性」「従業員の幸福度」「実践面での機動性」の間には高い相関が存在しています。

 

企業はデジタルトランスフォーメーションの取り組みを加速していますが、デジタルトランスフォーメーションの導入とガバナンス・メカニズムの刷新の状況は、地域によって大きく異なる

責任感をもった導入という点で先行しているのは欧州の運用会社であり、デジタルトランスフォーメーションを加速するとともにガバナンスを刷新しているとの回答は27%に達しました。一方、アジア太平洋の運用会社では20%、北米の運用会社では11%にとどまりました。デジタルトランスフォーメーションに遅れる形でガバナンスとレポーティングが不適切な状態であると、財務、法務、風評の面で深刻な影響が生じる可能性があります。

 

テクノロジーを活用して顧客と良好な関係を築き、期待に添うことのできる運用会社は成功する可能性が高い

運用会社は、従来は不可能であった方法で顧客と接しています。テクノロジーを活用して、デジタル・チャネルを通じた顧客との対話、情報処理能力を備えたチャットボットを通じた顧客からの照会への対応、営業や関係構築のプロセスにおけるバーチャル・ミーティングの活用、カスタム・レポートの提供などを行っています。今回のサーベイでは、2022年の収益見通しが大幅に改善するとの回答は、デジタル面で先進的な運用会社の場合は38%に達したのに対して、それほど先進的ではない運用会社の場合は13%にとどまりました。

 

今回のサーベイにおいて、企業のビジョン、戦略の実行、顧客サービス、スタッフのレジリエンスを結び付ける好循環の存在が確認されました。このような循環は、財務面での改善と業務上の成果につながる可能性があります。好循環の起点と終点を見極める作業はおそらく非現実的なものですが、顧客の期待以上の成果を目指すリーダーと従業員の意欲が、サイクルを好転させるでしょう。

では、どこから始めればよいでしょうか。
そしてリーダーは物事を正しく行うために何ができるでしょうか。


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