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保険ERMの実効性にとってのORSA(Own Risk and Solvency Assessment)プロセス整備

導入に向けて活発化するORSAの動向(2015.8)

欧州では、いち早く経済価値ベースのソルベンシーマージン制度の導入準備をしてきています。2016年1月、導入を直前に控えたイギリスでは、2015年6月にイギリス当局(PRA)によるORSAレポートの年次レビューが公表されました。そのレポートと2014年6月に日本が公表したORSA整備状況のヒアリングの対比をしました。

保険ERMの実効性にはORSAプロセス整備は必要不可欠

ORSA(Own Risk and Solvency Assessment)は、保険会社のリスクポートフォリオの状況を分析する枠組みであり、保険ERM(Enterprise Risk Management)の中で、特に重視されているツールの1つである。各国でも、ORSAを既に導入したり、その導入に向けた動きが活発である。

IMF(国際通貨基金) FSAP(金融セクター評価プログラム)では、IAIS(保険監督者国際機構)のICPs(保険基本原則)に準拠して、各国監督当局のORSAを含む規制整備状況がレビューされている。

欧州は、世界に先駆けて経済価値ベースのソルベンシーマージン制度導入の準備を進めてきた。2016年1月導入を直前に控え、2015年6月には英国当局(PRA)がORSAレポートの年次レビュー結果を公表した。

日本では、昨年当局によるORSA整備状況のヒアリングを実施し、その内容を2014年6月に報告している。

両国における経済価値ベースである新ソルベンシー制度の導入タイミングや、準備期間には違いもあり、同次元での比較はできないが、これらのレポートで指摘されている諸点は、我々が今後、ORSAプロセスの整備を進めるにあたり参考になるため、対比・整理した。

ORSAレポート比較(1)(事業戦略、リスク、資本)

ORSAレポート比較(2)(資本、ストレステスト)

ORSAレポート比較(3)(グループ、内部モデル、評価・検証態勢)

今後のORSAプロセス高度化における留意点

  • 経営への活用の明確化(リスクアペタイト・フレームワークとの関連づけ)
  • リスクの網羅性とリスクプロファイルの十分な把握
  • フォワードルッキングで合理的な分析の実施(含、ストレステストの実施)
  • 内部モデルの信頼性の確保 等
これらに加えて、保険ERMの高度化という観点も含めた場合の留意点は、次の通りである。
  • コーポレートガバナンス・コードを踏まえたリスクガバナンスの確認
  • 3本の防衛線(3 Lines of Defense)といった規制を確保したORSAプロセスの妥当性の確認
  • ORSA分析において、主要なツールとなる内部モデルの妥当性の確認
  • 技術的な検証、多面的な検証における外部専門家の活用
     

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デロイト トーマツ グループでは、保険ERM態勢に関し、基礎的な情報提供から、各社固有の問題解決まで幅広く関わり、Deloitte Touche Tohmatsu Limited(DTTL)のグローバルネットワークを駆使し、最新の情報と豊富なアドバイザリーサービスを提供します。

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(ブロシュア、PDF、384KB)

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