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火災保険および自動車保険の未来

顧客は何を求めているのか?

どんな住宅保険、自動車保険が消費者を惹きつけるのでしょうか。デロイトは、世界8カ国、8,000人以上の消費者を対象に、消費者は何を求めているのか、また、COVID-19によってどのようにニーズが変化したのかにつきまして調査しました。日本国内をターゲットしたサーベイでは、1000社以上のお客様を対象に調査を実施し、日本のマーケットに関する主な調査結果を分析した日本固有のレポートを作成しております。日本の保険会社がグローバル・レポートのカントリーレベルの結果を比較・対照する事で学ぶことができる重要な点をハイライトしていますので、是非ご覧ください。

はじめに

「火災保険および自動車保険において、顧客を最も惹きつけるのはどのような特性や特徴なのか?」 これは、近年、保険会社の経営陣が何よりも考えてきた問いです。今なお続くCOVID-19の社会的および経済的影響により、多くの顧客が保険商品に対し、環境やニーズの変化に対応し得る価値や柔軟性を求めるようになりつつあり、この問いに対する答えを導き出すことは急務となっています。

各種商品・サービスに対する需要を探るべく、我々はオーストラリア、カナダ、中国、ドイツ、イタリア、日本、英国および米国の8,000人以上の顧客を対象に調査を実施しました。本調査結果は、顧客が求めているものを明確に示しています。このフィードバックは、保険会社が新たな商品・サービスのリリースやインシュアテック企業との提携を開始する上での指針として役立つでしょう。

本調査により明らかとなった5つの主要な事項:

  • 顧客はシンプルさを好む。彼らは理解しやすく、購入が容易で、利用しやすい商品を求めています。また適正な保険料を支払っていること、そして保険金が公正に支払われるであろう点に確信を持ちたいとも考えています。この洞察をもって、保険会社は商品を再設計するために、人間を中心としたアプローチを行い顧客の期待を超えていくことが可能になります。
  • 別のサービスに組み込まれた保険や新種の商品設計に強い関心を持つ顧客層も存在するものの、その状況は国により大きく異なります。
  • テレマティクス保険やホームセンサーとつながる火災保険といったインターネット接続の商品・サービスは、多くの顧客に不安感をもたらしています。自動車や住宅のセンサーから得られた情報を保険会社と共有することに不安を覚えています。
  • COVID-19の世界的大流行は、調整可能な補償に対する需要を増加させ、人々をオンラインチャネルによる取引へと向かわせています。多くの人々にとって、このような行動パターンが危機前の標準に戻ることはなさそうです。
  • 本調査は成長を促進する3つの機会を示唆している。商品に対する顧客の受け止め方と関わり方をシンプルにすること、「パラメトリック火災保険」への強い需要を取り込むこと、そして、新種のサービスにおいて慎重に線引きしたセグメントに狙いを定めることの3点です。

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