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【保険ERM】保険規制の変化と保険ERM(2016.06)

保険の規制は、規制資本やORSA(リスクおよびソルベンシーの自己評価)等、保険ERMの枠組みに多大な影響を及ぼします。保険の規制は、グローバルの視点、ローカルの視点の両面から、変化の範囲が拡大され、その改定のスピードは早まっています。

多様な規制当局の存在と不確実性

デロイトUS規制戦略センターのモニタリングによると、連邦の規制当局は金融危機以降、保険事業の規制における役割を拡大していること、金融安定理事会や国際通貨基金等の国際機関も米国の保険に関する関与を深めていることが指摘されている。

このような複数の規制当局の関与は、それぞれの立場による規制へのアプローチが相乗効果を伴う結果、その要求水準が引き上げられるといった状況も観察されている。
今後両者はいずれかの時点において一定の整合性や統一性を実現することが期待されているものの、当面は、不確実性と不一致の状況を前提にして実際的な対処が求められるものと考えられる。

グローバルな規制動向の米国規制への影響

米国はIAIS(保険監督者国際機構)へ、州規制当局、FRB(連邦準備制度理事会)、FIO(連邦保険局)の代表を送り込んでいる。IAIS論議の進展は、米国の従来のスタンスを変化させつつあり、少なからず州当局に変化をもたらせている。

従来、保険会社単位の監督が中心であった州規制当局が、グループベースのORSAをNAIC(全米保険監督官協会)がモデル法を作って進めている動き等にその変化を見ることができる。

2016年の保険規制に関する10大事項

デロイトUS規制戦略センターは、2015年の規制状況の分析を踏まえ、保険会社への重要な影響の観点から、注目すべき項目を挙げている。(但し、下記は、米国に固有性が強いものを除く。)

  • 多様な規制当局の影響
  • ORSA(リスク及びソルベンシーの自己評価)
  • 労働省の受託者責任(従業員退職所得保証法(エリサ法)に基づく投資アドバイスの責任)
  • サイバーセキュリティとプライバシー
  • コーポレートガバナンス
  • ディスラプション(破壊的技術に対する規制当局の対応)等

フォワードルッキングな対応

このように規制環境が不確実性化する中で、保険会社が様子見を続けていると、対応に必要な対応時間を失う危険がある。規制の本質的な動きを見極め、適切な対応時間の予測の上で対応していくことが求められている。

また昨今の規制論議は、フォワードルッキングな要素を踏まえたものとなっている。それ故、コンプライアンス的視点で捉えるのではなく、戦略的視点を重視したモニタリングが益々必要になっている。

保険ERMにおいて、将来の環境前提の変更を要求するリスク(戦略的リスク)に対する注目は益々高まってくるものと考える。
 

「展望-保険分野における2016年の主要規制動向」
英語原文(PDF)"Forward look - Top regulatory trends for 2016 in insurance"

「展望-保険分野における2015年の主要規制動向」
英語原文(PDF)"Forward look - Top regulatory trends for 2015 in insurance"
 

保険ERM態勢高度化支援サービス

デロイト トーマツ グループでは、保険ERM態勢に関し、基礎的な情報提供から、各社固有の問題解決まで幅広く関わり、Deloitte Touche Tohmatsu Limited(DTTL)のグローバルネットワークを駆使し、最新の情報と豊富なアドバイザリーサービスを提供します。

保険ERM態勢高度化支援サービス
(ブロシュア、PDF、384KB)

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(ブロシュア、PDF、212KB)

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