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コストプロジェクション(赴任コストの事前試算)による海外赴任のコスト管理

グローバルモビリティ~国際税務~ 2021年8月

企業がグローバルで事業を展開する中、負担する海外赴任コストはグローバルモビリティ戦略にとって大きな要素を占めます。 海外に赴任者を派遣する際にその赴任によって総コストがどれくらいかかるかを網羅的に把握することは赴任の費用対効果を検討する際に重要であると考えられる一方、コストプロジェクション(赴任コストの事前試算)を行っている日系企業は多くなく、多くの企業で現地税コストを含めた赴任コストの事前把握および可視化による管理が課題となっていると思われます。本稿では税コストに影響を与えるポイントに視点を置きつつコストプロジェクションの目的およびメリットについて解説します。

1. 税コストに影響を与えるポイント

(1) 赴任地国での居住形態
(2) 赴任者の給与・諸手当
(3) 月次源泉徴収税のグロスアップ
(4) 赴任地国税制の適時のアップデート
(5) 現地社会保険コスト

2. コストプロジェクションの目的及びメリット

(1) 赴任の費用対効果の検討
(2) 適正な期間損益の把握
(3) 事業部の予算策定に有効
(4) 赴任者選定の重要な要素
(5) 税務コンプライアンスの向上・優遇税制を盛り込んだ経済的利益の支給
(6) 赴任形態によるコスト差異の検討
(7) 赴任者への意識づけ

 

各ポイントに関する詳しい解説はPDFよりご確認ください。

海外赴任コストの把握・管理は、企業のグローバルモビリティ戦略において重要な要素と考えられます。コストプロジェクションの活用により税コストを含めた赴任コストを事前に可視化することで、赴任の費用対効果の検討、赴任形態の検討、赴任者選定から赴任コストの予実管理、赴任者への意識づけと、一連の運用が可能であると思われます。これまでの運用を見直しコストプロジェクションによる海外赴任のコスト可視化を検討してみてはいかがでしょうか。

 

※本記事は、掲載日時点で有効な日本国あるいは当該国の税法令等に基づくものです。掲載日以降に法令等が変更される可能性がありますが、これに対応して本記事が更新されるものではない点につきご留意ください。

(740KB,PDF)

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