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一時金選択率

企業年金用語解説

一時金選択率とは退職給付債務等の評価において使用する計算基礎率の一種です。

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一時金選択率とは

一時金選択率とは、退職給付債務等の評価において使用する計算基礎率の一種です。

適格退職年金や確定給付企業年金等において規約に定めることにより、年金の受給要件を満たした者で、保証期間分相当について年金に代えて一時金としての支給を選択することができます。保証期間とは、年金受給中に受給者が死亡しても、定められた期間のうち未経過分について、遺族へ年金が転給されたり、当該未経過分を一時金として受け取れるなど、給付を受けることが保証されている期間を言います。保証期間がない場合や、保証期間経過後は、一般的には年金受給者が死亡した時点で年金の支給は終了し、転給等は行われません。
終身年金や支給期間が保証期間よりも長い年金の場合は、選択一時金は通常保証期間分に相当しているため、年金を支給する前提で計算した会計上の退職給付債務(現在価値)の方が、選択一時金よりも大きくなる傾向があります。また、年金給付率(年金換算率)が割引率より高い場合も、会計上の退職給付債務の方が、選択一時金額より大きくなります。
上記のような関係にあるため、実績として一時金を選択している人がいて、将来も同じ傾向が続くと見込まれる場合に一時金選択率を見込まないと、退職給付債務が過大に評価されていることになり、将来の利益方向に数理計算上の差異が発生する要因になります。逆に、一時金選択率を実績よりも高く見込みすぎると、将来の損失方向に数理計算上の差異が発生する要因になります。

<一時金選択率の決定方法>

上記のように一時金選択率の水準により、退職給付債務が過大または過小に評価される原因になるため、実際の選択動向に近い率を採用することが望まれます。一時金選択率における過去の実績がある場合は、以下のような算出方法を採用することができます(「退職給付会計に係る実務基準(日本アクチュアリー会・日本年金数理人会)」)。
1.過去3年間に年金受給資格を得て退職した者に関する実際の一時金選択割合の単純平均を用いる方法
2.過去3年間に年金受給資格を得て退職した者に関する実際の選択一時金取得総額の、全員が選択一時金を取得した場合の選択一時金総額に対する割合を用いる方法

なお、過去の実績などが無く、一時金選択率の算定が困難である場合には、退職給付見込額が最大となる受給方法を前提にして、退職給付債務等の評価を行うことができるとされています。


以上 

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