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調査レポート
Global CPO Survey 2021
事業環境や社会的責任に対する意識の変化と複雑化する課題対応
DXの必要性、SDGsをはじめとした企業の社会的責任に対するステークホルダーの意識の変化などを背景に、調達責任者の課題が複雑化していることが明らかになった。パフォーマンスの高いCPOの傾向を分析し「アジャイル」をキーワードに提言する。
2021年度のCPO (調達責任者)に対する調達トレンド調査結果
本年度サーベイの主要な調査結果
■CPOにとっての優先事項
今後12ヵ月の各ビジネス戦略における優先事項についてCPOが回答した結果、選択肢上のほぼ全ての項目において、優先度が明確に高まっていることが明らかになった。「運用効率の促進」「コスト削減」といった点が最重要事項として位置づけられる一方、「デジタル変革」の重要性が劇的に高まっている(2019年度比12.7pt増)。また、 「企業の社会的責任(CSR)の改善」の増加も同様に大きく伸びている(2019年度比12.3pt増)。CPOが取締役会・経営会議等に報告している優先事項の平均数は増加し、各事項の相対的な重要性も全体として増加しており、CPOの抱える課題は複雑性を増している。
■CPOが測定・管理するKPI
複雑化する調達課題に対して、パフォーマンスの高いCPO(ハイパフォーマー)とその他のCPOの比較を行った結果、ハイパフォーマー※は幅広いKPIを明確に測定・管理していることが明らかになった。コスト削減に関するKPI管理をしている割合では両社にほぼ差異がない一方で、例えば持続可能性/多様性の目標に関してはハイパフォーマーの63.1%がKPI管理を行っている一方、その他のCPOでは36.14%に留まっている。
※調達の「計画に対する実績」やステークフォルダーへの影響範囲、調達レベルの影響力、労働生産性などの指標で上位1/4に入るCPOをハイパフォーマーとしている。
■次世代テクノロジーの活用状況
CPOにとっての優先課題の中でもDXに関する導入状況をハイパフォーマーとその他で比較した結果、全般的に導入状況に大きな開きがあることが分かった。
個別のテクノロジーを見た場合「次世代」テクノロジーの導入が現時点で最も進んでいるのは、記述型データ等の高度なアナリティクスや可視化と、日常の業務で行われる典型的な反復作業の自動化を支援するためのRPAの分野である。RPAに関しては両者の差異が最も少なく、AIやコグニティブ(認識)技術の導入では差が広がる。RPAに関してもハイパフォーマーとその他では完全導入の割合には大きな開きが見られた。
■CSRパフォーマンスへの自己評価
優先課題のうち、CSRに関しての対応状況について個別分野ごとにハイパフォーマーとその他で比較した。
ハイパフォーマー、それ以外を含めて最も優先度が高い分野は、規制及び地政学的コンプライアンスとなった。
ハイパフォーマーとその他の差は、高い優先度で対応する、と答えた割合の違いで現れており、特に人権と社会的責任の分野や環境保全の分野において差が大きく表れた。