防勢的サイバー空間作戦　– Defensive Cyber Operations (DCO)

防勢的サイバー空間作戦（Defensive Cyber Operations）：サイバーセキュリティを超える必要性（「はじめに」より）

近年の世界における地政学的事象は、組織化された戦略的・作戦的・戦術的キャンペーンの一環として、情報およびサイバー作戦が果たす極めて重要な役割を浮き彫りにしている。国民国家やその防衛組織、そしてより広くグローバルで相互接続された社会の理解と意思決定を”否定し” “妨害し” “攪乱する” 能力は、軍事組織が戦場で戦略目標を特定し遂行するために必要な「行動の自由（Freedom of Action）」を可能にする。

注目すべき点は、このアプローチに何の意外性もないことである。数多の防衛関連論文や学術出版物や、現在にも過去にも山積みになっている対立は「国家がサイバーと情報能力を完全に活用し適用するために、いかにその戦力構造とアプローチを適応させてきたか」を強調し続けてきた。過去および現在進行中の紛争を見ても明らかなように、今日の戦略的コンテクストは、平和と戦争の区別にとらわれず、非軍事的および軍事的手段が用いられる継続的な戦いであると考えられる。情報対抗、体系対抗および体系破壊戦などと様々に表現される、敵の作戦体系の戦略能力と作戦能力を混乱させ、麻痺させ、あるいは破壊するための戦いにますます焦点が当てられようになっている。

本冊子の構成

目次

p.03　はじめに

p.04　同じことの繰り返しには意味がない―行動なき再考は無価値

p.05　DCOはITやネットワークに関するものだけではない

p.06　DCOの主要コンセプト

p.08　レジリエンスと機能保証に焦点を当てる

p.11　サイバー空間作戦は戦闘部門―決定的効果を生み出す

p.13　どこから始めるか―価値あるものと無用なものの選別

p.17　おわりに

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