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2030年のサステナビリティ・リスク
これからのリスクマネジメント
サステナビリティの世界では、2030年は決して遠い未来の話ではなく、具体的な数値目標を掲げて各種活動に取り組むべきターゲットの年である。2030年のリスクを考えるには、まずは2030年がどんな年になっているのか、社会環境の状況を予測する必要がある。その際に参考となるのが国連の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、以下SDGs)である。
サステナビリティの領域における2030年とは
本特集では、2030年のリスクを大予想することになっている。一般的には12年後というと気が遠くなるような先の話である。とりわけ昨今は、大災害、大きな政治体制の変化、テクノロジーの急激な進展など、あっという間に世界の景色が変わるような事態が多発しており、1年後のことすら見通すのが難しい印象もある。
しかし一方では、視線をなるべく遠くへ投げかけ、中長期的な観点で目指す姿を描き、物事にじっくり取り組むことが、結局のところ着実に世界を変えることができる、また自分達にとっても得である、と考える向きも増えている。その代表的な領域がサステナビリティである。
サステナビリティの世界では、2030年は決して遠い未来の話ではなく、具体的な数値目標を掲げて各種活動に取り組むべきターゲットの年である。最近の先進企業が掲げる環境長期ビジョン/目標は、更に先の2050年をターゲットにしたものが増えている位である。
2030年のリスクを考えるには、まずは2030年がどんな年になっているのか、社会環境の状況を予測する必要がある。その際に参考となるのが国連の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、以下SDGs)である(図表1-1)。
SDGsは、2015年に国連サミットにおいて全会一致で採択された開発目標で、2030年までに全世界で解決または大きく改善させるべき17の社会課題とその改善の目標が示されている。このロゴを目にした人は多いだろう。ロゴだけでは具体的な目標がわかりにくいため、合わせて各目標の内容もご覧いただきたい(図表1-2)。2030年の状況としてベストシナリオは、この17の目標がすべてクリアできている状態であるだろう。SDGsの各目標はいずれも一筋縄ではいかないものばかりで、一体どうすれば2030年までにこの課題が解決するのだろうと途方に暮れそうなものも少なくない。とはいえ、はっきりしているのは、これらの目標達成へ向け、世界中の国、企業、団体、個人が様々な取組をしていくことである。それらの取組にはビジネス環境を大きく変えるものも含まれている。端的に言えば、SDGsの17の領域においては、2030年には今よりも厳しい法規制が敷かれていたり、取引先から対応を求められたり、消費者が商品やサービスの選択基準にしたりしている可能性がある。これらがリスク(または機会)を生むと考えられる。
続きはPDF(『企業リスク60号』特集:これからのリスクマネジメント 2030年のサステナビリティ・リスク)をご覧ください。
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