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FRCが英国コーポレートガバナンス・コードの改訂案を公開

英国財務報告評議会 (FRC:The Financial Reporting Council)は、2017年12月に英国における新しいコーポレートガバナンス・コードの改訂案を公開しました。また、同時に取締役会の実効性に関するガイダンスとスチュワードシップ・コードの将来像に関するいくつかの論点も発表しました。

改定案の概要

改訂版コードの原則(Principles):
  • 企業の目的、戦略、価値観、企業文化の整合
  • 従業員およびその他のステークホルダーに対する取締役会の責任
  • 取締役会議長が独立的・客観的判断を示すこと(独立性に関するコードの各則の強化と関連して、例えば9年以上の任期は、取締役がもはや独立していないことを意味する)
  •  企業の長期的な成功とその価値のための、報酬と従業員に関する方針の整合
     
改訂版コードの各則(Provisions):
  • 企業文化のモニタリングと評価における取締役会の役割
  • 従業員の意見を収集するための仕組み
  • ステークホルダーの関心や、その他(英国会社法)セクション172に記載されている事項が、取締役会の意思決定に与える影響に関する開示
  • 取締役会における利害の対立
  • 戦略および取締役会に提供される情報に対する最高経営責任者の責任
  • サクッセッションプランニングと取締役の貢献
  • ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包含性)
  • 長期的なインセンティブ制度における保有期間
  • 年金制度
     

今回の改訂案では過年度の改正のようにコードを微調整するのではなく、大幅に内容を見直し、簡素化/削減しています。それは、改訂案の焦点が、コードの原則(長期的な成長のためには優れたコーポレートガバナンスを構築することが価値あることである、と強調する原則)を適用することで、企業のガバナンスへの取組み(を促進する)という考え方に基づいております。

英国のコーポレートガバナンス・コードの改訂案に対する意見募集は2018年2月28日までとなっており、2019年1月1日から開始する会計年度より適用となります。
 

注:本資料はDeloitte UKが作成し、有限責任監査法人トーマツが翻訳したものです。この日本語版は、読者のご理解の参考までに作成したものであり、原文については英語版ニュースレターをご参照下さい。

 

詳しくは以下を参照ください。

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