最新動向/市場予測

2021年 日本テクノロジー Fast 50 受賞企業

ランキング傾向と受賞企業のご紹介

受賞企業50社の3決算期売上高成長率の平均値は326%、成長率150%以上の企業が19社と受賞企業全体の38%を占める結果となりました。今年の特色は、ソフトウェア領域の企業の割合(54%)が最も多く、メディア、通信領域の企業がそれに続きました。受賞企業の中には、クリーンテック、ハードウエア、およびライフサイエンス領域の企業も含まれています。2021年の1位は、人材派遣管理システム「jobs」の販売などのSaaS事業やSI(DX)事業を行う株式会社 BEL AIRで、成長率2,526%を記録しました。

2021年 日本テクノロジー Fast 50 Winners Report

2021年12月14日に発表された(※)、日本国内のテクノロジー・メディア・通信(TMT)業界の企業を対象にした成長率ランキング「2021年 日本テクノロジー Fast 50」の結果を受け、今回のランキングの傾向と受賞企業をご紹介します。

※12/14に発表した内容に誤りがございました。訂正後のランキングは、ニュースリリースをご参照ください。

概要

受賞企業の売上高規模

全体としては前年と大きな変化は見られず、売上高50億円未満の企業が過半数を占める傾向は続いています。売上規模の内訳を見ていくと、50億円未満の受賞企業(10億円未満、10~50億円未満の合計)は2020年の72%から2021年の66%に減少しているものの、50億円以上の受賞企業(50~100億円未満、100~500億円未満、500億円以上の合計)は2020年の28%から2021年の34%に上昇しており、受賞企業全体における売上規模は微増しました。

 

受賞企業の成長率分布

今回の受賞企業においては、3決算期売上高成長率300%以上の企業の割合が28%となっており、昨年の10%と比して1社単位の成長率が大幅に増加しました。さらに、上位3社の3決算期売上高成長率は1,000%超を記録しています。受賞企業50社の3決算期売上高成長率の平均は326%で、日本における一般企業と比較すると、Fast 50の受賞企業の売上高成長率は短期間に著しく高い水準で推移しており、新興企業の成長がTMT業界の活性化に寄与しているといえます。
 

受賞企業の事業領域

ソフトウエアが最多で全体の54%(27社)、2位がメディアで18%(9社)、3位が通信で16%(8社)を占めました。ソフトウエア領域では、SaaS事業、AI、大規模データ分析、クラウドなどの分野に関連したサービスを提供する企業が受賞しました。メディア領域には、地域や行政の橋渡し、D2Cブランドの企画・販売、通販や広告に関するプラットフォームを始め、マンガアプリ事業など、生活に身近なサービスを展開する企業の受賞が多く、通信領域では、AIを活用した音声解析やクラウドセキュリティ、コミュニケーションツールなどのサービスを提供する企業などがランクインしました。その他、クリーンテック、ハードウエア、およびライフサイエンス領域の企業も含まれています。いずれの領域においても、AI、データ分析、クラウドなど、近年注目の領域の事業を展開する企業の受賞が目立っています。
 

受賞企業の上場市場

今回の受賞企業のうち約5割となる28社が既上場であり、内訳は東証マザーズ20社、東証一部8社、福岡証券取引所Q-Board1社となっています(うち、1社は複数市場に上場)。受賞企業の多くは、将来の成長を期待する市場参加者から調達した資金を有効活用し、東証一部へのステップアップを目指すべく順調に成長を続ける企業といえます。さらに、東証一部上場企業も受賞企業全体の2割弱含まれており、既に一定以上の規模でありながら、著しい成長を続ける企業がランクインしました。

注:2021年11月末時点

(2.87MB,PDF)
日本テクノロジー Fast 50とは

2021年で19回目を迎えた「日本テクノロジー Fast 50」は、日本国内のテクノロジー・メディア・通信(TMT)インダストリーの、過去3決算期の収益(売上高)に基づく成長率の上昇が著しい日本企業(上場・未上場問わず)の応募からなるランキングプログラムです。指標を収益(売上高)成長率としていることにより、企業規模によらない成長性を表わすランキングとなります。ソフトウエア、音楽・エンターテインメント、通信インフラなど、情報・メディア・通信が幅広い分野で融合する中、デロイトは、これらをTMTインダストリーと捉え、インダストリーの活性を目指し、全世界でテクノロジー Fast 50 / Fast 500プログラムを展開しています。 Fast 50は国レベルの、 Fast 500は地域レベルの収益成長率を基準としたランキングです。 Fast 500*は、アジア太平洋地域、北米地域、EMEA地域で実施しています。

ランキング対象となる事業領域は、①半導体や部品・コンピュータ、周辺機器等を含むハードウエア、②アプリや各種管理運用システムを含むソフトウエア、③インターネットやクラウドサービスを含む通信、④広告やマーケティング、Eコマースを含むメディア、⑤バイオや製薬を含むライフサイエンス、⑥再生技術やエネルギー貯蔵、機器を含むクリーンテック、以上の6領域です。

日本テクノロジー Fast 50はDeloitte Private Japanの「ベンチャー・成長企業」向け支援プログラムの一環です。Deloitte Private Japanは、日本を支えるプライベートカンパニーや上場企業を含むオーナーの方々にフォーカスし、固有のニーズや企業ライフサイクルに応じたプライベートマーケット向けのサービスを、包括的に提供する統合プラットフォームです。主に「ベンチャー・成長企業」「インベストメントマネジメント」「ファミリービジネス」を支援してします。

Fast 50およびFast 500プログラムの詳細については、https://www.deloitte.com/jp/fast50をご覧ください。

*2021年度の「デロイト アジア太平洋地域 テクノロジー Fast 500」の開催は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により開催が延期となりました。

関連リンク

Fast 50およびFast 500プログラムの詳細については、https://www.deloitte.com/jp/fast50をご覧ください。

デロイト トーマツ グループ、テクノロジー企業成長率ランキング「2021年 日本テクノロジー Fast 50」発表
(ニュースリリースの全文がご覧いただけます)

日本テクノロジー Fast50 Winners Report
(過去に実施された「日本テクノロジー Fast 50」のランキング傾向や受賞企業をご紹介した、年次レポートをご覧いただけます)
 

【本プログラムで開示されている情報について】

この情報は、集計に当たり正確を期しておりますが、企業からの回答をそのまま集計し反映したものであり、デロイト トーマツ グループやデロイト トウシュ トーマツ リミテッドは、明示または黙示を問わず、これらの情報の正確性などについて何らかの意見を表明したり、または内容を保証したりするものではありません。

 

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