Posted: 27 Feb. 2024 5 min. read

メタバース時代の必修科目 第三弾:グリーンバック合成の基礎知識

 

バーチャル技術やAI技術の発展により、アバターやさらにその先のバーチャルヒューマンといったものが身近で当たり前に使われるようになりつつあります。本稿では、第一弾:アバター制作手法第二弾:モーションキャプチャー技術に続き、バーチャル空間に実際の人の映像を合成するグリーンバック合成技術をご紹介します。

グリーンバック合成の概要

グリーンバック合成は、CGで作成したバーチャル空間に実際の人の映像を合成して、あたかもバーチャル空間に人がいるような映像を制作する技術です。ハリウッド映画などではスターウォーズの第一作目のころから実用化が普及しはじめ、今ではほぼ全編グリーンバックの前で撮影する映画もあるほどです。

グリーンバックという名前の通り、床や壁一面を緑色にした空間で動画を撮影して、その映像の緑部分をCG空間に指し替えます。品質は撮影環境や嵌め込むCGのクオリティ次第の部分もありますが、近年はグラフィックボードやCPUの進歩により、ハイエンドなゲーミングPCでも処理できるようになり、活用のハードルはかなり下がってきています。

Deloitte Tohmatsu Innovation Parkのメディアルームにて、グリーンバック撮影をしている様子。デロイトトーマツグループの全社会議冒頭では、このとき撮影した映像を配信しました。


 

メタバース時代の必修科目シリーズ連載の総括

アバター制作技術およびモーションキャプチャー技術、グリーンバック合成などの技術は、これからさらに様々な場面で利用されていくと考えられています。今回は概要のご紹介に留まりましたが、これらの技術はそれぞれ奥深く、各個人が独学で理解するのは難易度が高いです。デロイト トーマツは今回ご紹介した技術も含めた、XR, メタバース領域に関するコンサルティングサービスを提供しています。戦略策定はもちろんのこと、施策検討から導入まで、多様なプロフェッショナルにより幅広くご対応できますのでお気軽にお声がけください。

デロイト トーマツでは、AI利活用に関する最新トレンドを現状分析するだけでなく、デロイト トーマツの多様な専門性、及びAIの普及に取り組むDeloitte AI Instituteが持つ最新の知見を結集し、最新技術から導かれる未来を提言しています。これからもAIやそれを取り巻く先端技術にまつわる技術的課題やその対策を様々な研究機関と検討し、発信していきます。

 

【執筆者】

デロイト トーマツ コンサルティング マネジャー
稲葉 貴久

一般社団法人Metaverse Japan  Lab事務次長
日本バーチャルリアリティ学会認定上級バーチャルリアリティ技術者