トランザクション/ クロスボーダー案件における財務プロフェッショナルのワークスタイル

 

S.A

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
トランザクション シニアコンサルタント
監査法人出身
財務デューデリジェンス/クロスボーダー/働く環境・魅力
※役職・内容はインタビュー当時のものになります

学部卒業後、公認会計士試験に合格。
2017年に他Big4監査法人に新卒入社し、非金融部門監査業務に従事。2023年9月にDTFAトランザクション部門にシニアコンサルタントとして入社。
Deloitteの海外現地チームと協働して実施したFDD案件にて、最終報告書を作成している段階のとある1日を紹介する。

 
6:00 始業、作業(リモートワーク)

リモートワークで勤務を開始し、早朝に受領した現地チーム作成の報告書の分析内容およびコメントを確認します。なお、クロスボーダー案件では、現地チームの発見事項に加え、対象会社が海外の場合IFRSやUS-GAAP等日本とは異なる会計基準に準拠しているため、基準差による調整事項があるかにも留意してチェックをします。
重要な論点が報告書に反映されているかに気を配りつつチェックが完了した後は、クライアント提供用に英文の報告書を和文で抄訳版として再構築する作業を行います。こちらの作業は、他のメンバーと分担して進めていきます。

8:30 子どもを保育園に送る

業務を1時間程度中断し、子どもに朝ごはんを食べさせた後保育園に送ります。DTFAはフレックスタイム制を採用しているため、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。

9:30 作業、チームMTG(リモートワーク)

帰宅後、作業を再開します。
11:00~のチームMTGで、朝に確認した報告書について現地チームに追加記載を依頼する部分や日本チームからのコメント(詳細を確認したいポイント等)をまとめ、今後の進め方についても認識齟齬がないかをチームマネジャーと確認します。MTG後には現地チームに作業・確認依頼のメールを送付します。

12:00 昼食

前日の晩ごはんのおかずで済ませたり家の近くの店で外食したり、業務量に応じてランチを取ります。

13:00 レビュー、チームMTG(リモートワーク)

メンバーから受領した抄訳版報告書の担当ページをレビューします。その後、認識合わせも兼ねてMTGを設定して、各々にフィードバック・修正を依頼します。
一般的に、財務DDの案件では報告書のレビューはチームマネジャーが行いますが、現地チームと協働している案件では分析やレポート作成等の業務は現地チームがメインで行うため、抄訳作成はシニアコンサルタントがレビューすることもあります。通常より視座がひとつ上がるので、論点の網羅性や説明の正確性だけでなく、この後のステップの企業価値算定に必要な情報が揃っているか、また報告書の記載事項がクライアントのニーズに応えているかも意識してレビューすることを心がけています。
各メンバー担当分の報告書を統合し、クライアントが重視している論点および重要確認事項を等を追記・修正します。
作業完了・再確認後に、チームマネジャーにレビューを依頼します。

18:00 子どもを保育園に迎えに行く、夕食

手元のタスクが無いタイミングで子どもを保育園に迎えに行き、自宅にて夕食を取ります。
社用携帯で対応必要事項が無いか適宜確認しつつ、子どもの就寝後に業務に戻ります。

21:00 作業、チームMTG(リモートワーク)

午前中に現地チームに送付したメールの返信を受領次第確認し、チームチャットにて内容を報告します。現地チームとの認識齟齬を発見した場合はMTGにて詳細を確認するとともに、折り返し現地チームに報告書の更新を依頼します。なお、時差によるタイムラグがあるので、早急な対応が必要な場合は現地チームにも共有のうえ日本チームで更新することもあります。

23:00 終業

手元のタスクを消化したタイミングで終業します。
終業後はお茶を飲みながら財務関連や英語力向上のための書籍を読んだり、オンライン英会話を受講したりしています。

Sさんにインタビュー

Q. 普段行われている業務を教えてください。

A. トランザクション部門では、M&A案件の初期段階からクロージング後まで、財務DDを中心にM&A・会計に関する助言・提案を行っています。バリュエーション部門との違いは、バリュエーション部門はトランザクション部門の財務分析を基に企業価値評価等のサービスを提供するため、トランザクション部門がより幅広いステージでクライアントとコミュニケーションを行う点と考えています。
私はこれまではバイサイドの財務DD案件への関与が多かったものの、最近はセルサイド支援(カーブアウト財務諸表の作成等)への関与が増えてきました。セルサイド支援ではクライアントが買収対象会社であり、その後クライアントがバイサイドDDを受けることを前提に財務諸表の作成助言等の支援を行います。

Q. 日々の自己研鑽について教えてください。

A. インプットした情報をすぐにアウトプットできるよう、日々の業務に直結する書籍を読むようにしています。最近は、財務DD・バリュエーション関連、英語のライティング・スピーキングスキル、分析結果を構造的に把握する参考にしたく、ビジネスフレームワークの書籍を隙間時間に読んでいます。業務が落ち着いている日は、社内の研修(※)に参加することもあります。
また、会社の制度である語学学習支援を利用してオンライン英会話も受講しています。講師が海外在住のタイプの講座で、早朝から深夜まで広い時間帯で受講できて助かっています。

Q. DTFAの魅力を教えてください。

A. DTFAの魅力は、他Big4 FASと比較し部署間の垣根が低いと個人的に感じており、そのため同じ案件に参画した際には情報の連携がしやすく、案件外でも論点が生じた際には相談がしやすい点と考えています。別法人の法務・税務の社員とも密接にコミュニケーション取りながら協働し、ワンチームとしてサービス提供することができる点は、クライアントにとっても魅力なのではないかなと思います。
また、トランザクション部門の魅力は、財務DDでは国内外のセルサイド・バイサイドの様々な案件があり、それ以外でもセルサイド支援等の幅広い業務を経験できる点です。

Q. DTFAに関心を持っている方へメッセージをお願いします。

A. トランザクション部門は会計財務系の業務を行うため、その分野に明るくない場合はハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、クライアントとの会話からニーズを把握し、財務分析を基にアドバイザリー業務を行うなかで、対外的なコミュニケーションスキルと会計財務の専門的な知識・経験を獲得することができます。また新卒育成に注力しており、研修やOJTを通してキャッチアップいただくことは十分に可能ですので、現在会計系の資格をお持ちでなくともキャリアの幅を広げる選択肢の一つととして、トランザクション部門を考えてもらえると嬉しいです!
さらに、当社では資格補助制度が整備されており、この制度を利用して公認会計士やUSCPA、証券アナリスト等様々な資格の勉強をしている社員も多数おります。それに限らず、DTFAは多忙な業務の傍ら自己研鑽に励む方も多いポジティブな雰囲気と感じていますので、皆さんにもぜひ入社後に実感いただければと思います。

※社内研修制度
社内には様々な研修制度が整備されています。DTFA全体では各サービスライン毎の業務に特化した研修があり、トランザクション向けとしては、リース会計や減損会計等の会計の固有論点に関するものがあります。トランザクション全体では損益分析やFDDに関する実践的な研修等を配信しています。他にも、英文での報告書の書き方や、社内手続きのやり方等、幅広い内容の研修が整備されています。

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